「もぅ、離さなーいっ!」
みんな困った顔をしている「綾・・やめてょ」
美月はそう言うけど大人しく私の膝の上に座って抱かれている。
なんで困った顔をされるのか?
「食事中くらいイチャイチャは我慢しろよ」
クロスはそう言うけど。
私の愛は止まらないっ!
やむなく美月を解放してあげる。
ほっぺを赤くして黙って冷蔵庫の所に行った。
美空は設計図を見て唸っている。
「うーむぅ・・・うーん・・・・・」
「美空、ご飯に集中」
「うん・・・」
私の言う事を素直に聞いたまだ決まらないらしい。
夕飯の後にそれぞれ居心地のいい場所へ。
私と美空と美月はソファーに座る。
私の両脇には美空と美月。きゃわいい子供・・・。
「ねぇ、綾と美空は何を悩んでるの?」
「うん? 設計図・・・」
美月に設計図を渡す。
しばらく眺めた。
「ふむん・・・・リニアナイフ改良するんだ・・・へぇ・・・ふむ・・」
美月は設計図を眺めて唸る改良する所は少ない。
けど設計上は完璧でも実際使ってみると違うし・・。「ねぇ、ママ・・・思い付いたんだけど」
「うん?何を」
美空がテーブルに置いてあったM1911を手に取る。
マガジンを外して薬室から弾丸を抜く。
ハンマーを下ろしてスライドを外す。
この銃は天才が発明した。古い銃だがこれだけ完成された物はなかなか無い。
分解も簡単。
「スライドを簡単に変えられるから銃身全体がサイレンサーの単発式のスライドを作ったらどうかなって・・・」
「ほほぅ・・・いいね」
私は小さく拍手をする。
けど少し危ない気もする。M1911はデコッキングができない。
安全にハンマーを下げるには薬室から弾丸を抜くしかない。
「それが問題・・・」
美空は私の考えを読み取った。
美空も美月も銃の扱いは大人顔負けだが・・・。
万が一暴発するかもしれない。
ゆっくりやれば大丈夫だけど。
「作ってみてから考えよう、ちゃんと確認すれば安全なんだし」
「うん・・・また設計図作らなきゃ」
美空は張り切って図面を書き出した。
スライドロック式もあるけどやはりウェルロッドのような構造がいいだろうな。
夜も更けてきた。
美空は集中したいらしく部屋に行った。
クロスも寝室に行った。
美月と二人きり。
ソファーでテレビを見る。「ねぇねぇ、明日のケーキはコレがいいな」
「・・・うん?なに・・ロールケーキかにゃ?」
美味しそうだ。
さっきから美月はケーキの本に夢中。
甘党の男の子とはこれまたそそる・・・。
いや・・美月だから可愛いって思う。
真剣に見ているのが尚更可愛い。
「もうお粥は飽きた・・」
「あとちょっとだよ。お粥から白ご飯まで」
予定日まであと5日だ。
吐く事もなくなってきた。元気になってきたようだ。「ねぇ、綾・・・」
ぐいっと近寄ってきた。
「お願い・・聞いて?」
甘えるような・・誘惑するような表情。
思わず息を飲む。
意識してやってるのか?
いや・・・たぶん違う。
「な、なに?」
「お願い聞いてくれるなら・・・僕・・」
こやつ・・・。
私は・・・。
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