さすがに誰も持ってなかった。
古い銃だし・・・。
博物館のを借りる訳にもいかないし。
設計図は何とか手に入った美空と相談中。
「ふむん・・やっぱり消音を求めるならスライドは動かない方がいいのか」
美空は設計図を見て唸る。私はサイレンサー系にはあまり詳しくない。
ウェルロッドも名前を知っている程度。
実際に使った事はない。
「単発式か・・・」
「ママ、何かアイディアない?」
「うーん・・・」
美月と美空は組んで戦う。恐らく人間では勝てないレベル。
しかし分隊ぐらいの相手だと撃ち合いになれば負けるだろう。
映画のように両手で適当に構えて撃って勝つなんて事はあり得ない。
日本で大人数相手に戦ったがあれは敵が訓練不足だったから。 決して最強ではないのを忘れてはいけない。
隠密で殺傷していくのが基本。
だから消音兵器は二人が一番使う物だ。
「至近距離でほぼ無音で殺傷・・・クロスボウとかは?」
「ふむん・・・」
美空は腕を組んで考えている。
大昔から使われてきた兵器だ。
殺傷能力は銃に劣るが。
大型だし持ち運びに不便そう。
「やっぱりリニアナイフのがいいのかな・・・消耗品として使うかな」
「美空は何か思い付かなかった?」
美空は頭をポリポリして私を見た。
「うーん・・・どうもダメだった」
「ふむん・・そっか」
二人共M1911を使っている
45口径なので初速は遅めだからサイレンサーを付けたら9ミリより発砲音は控えめ。
だがデカイ音はする。
結局いいアイディアは浮かばず。
リニアナイフの新設計を作ってみると美空は研究室にこもってしまった。
美月はよく寝るな。
もう夕方なのに。
「美月、おきにゃさい!」
「んぁ・・まだねみゅぃ」
ほっぺをつねる。
「ぁぁ・・いたいよぉ」
「そろそろ起きようよ」
「んぅ・・わかった」
かなり遅めのご飯。
もちろんお粥。
ふーふーしてから食べさせる。
「おいしい・・・」
美月は文句を言わずに食べてくれる。
作った側としても嬉しい。全部食べれるようになったな。
「ごちそうさま」
「よしっ、いい子っ!」
ムギュッと抱き締める。
美月は少し抵抗するけどすぐに諦める。
「ねぇ・・・キスくらい・・いいでしょ?」
美月は少し考えてから微笑んだ。
「いいょ・・んっ」
許可がおりるなりすぐに唇を重ねる。
久しぶりのキス。
たまらない・・・。
このまま・・・。
「んぁ・・綾っ・・ダメ」
「なんで焦らすのよ・・」
私はムッとして美月を見つめる。
「ダメ・・・焦らすほうが綾のためになるから」
「もぉ・・・ばか」
そう言ってまた唇を重ねたもう離さないよ。
誓っても・・・。
絶対に離さないからね。
※元投稿はこちら >>