朝、いつものように目が覚める。
美月が心配だな・・・。
部屋を出て二階に向かう。階段を上がっているとなにやら呻き声・・・?
トイレの方からだ。
ドアをあける 「うぇ・・ごほごほ・・はぁ・・うぅ・・」
「美月!?」
苦しそうに吐いている。
背中をさすって落ち着くまで待つ。
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・綾・・ごめん・・」
「ほら、おいで」
とりあえずうがいをさせて美月の部屋に連れていってベットに座らせる。
苦しそうだ・・・。
「綾の作ったごはん・・吐きたくなかったのに・・ぐすっ・・・」
「だいぶ前からなの?」
「うん・・」
美月は少しうつむいた。
私もだいぶ前から朝はクロスとエッチしていた・・。情けない・・・。
気付いてやりたかった。
さすがに精神的にかなり参っているのだろう・・。
日本では色んな事がありすぎた・・・ヨーロッパに戻ってからも私が離れようとしたのも我慢して限界が来たのだろう。
「美月、私が治してあげるからね・・大丈夫」
「うん・・」
元気がない・・。
ギュッと抱き締める。
「綾・・僕は甘えん坊だよね・・」
「いいよ、甘えん坊で・・・いいんだよ」
美月の頭を撫でててあげる
私も初めて人を殺した後相当落ち込んだ。
美月も美空もそれ以上に辛い事があった・・・。
なんとか・・癒してあげたい。
食堂で重湯をつくる。
昔おばあちゃんにならった物だ。
「おはよぅ・・綾?」
クロスが起きてきたが考え事で反応できない。
「おーぃ?綾?」
「うるさいっ!今考え事してるんだから!」
クロスはかなり驚いたが微笑んだ。
「あっ・・・ごめん・・美月が調子悪くって・・」
「もうすっかり戻ったな。俺も美月の様子見てくるかな」
「ありがと・・」
「まぁ・・育ての父親だしな!」
二階に行ってしまった。
怒鳴ってしまった・・。
反省しなきゃ・・・。
土鍋をおぼんに乗せて二階に行くとクロスがちょうど美月の部屋から出てきた。「どうだった?」
「・・・・かなり、溜め込んでたらしいな・・」
「私・・もっと早く気付いてあげるべきだったよ」
「俺も朝からセックスとか・・やりすぎだったな」
少し沈黙・・・。
「少し弱めの精神薬とお前がいれば治るさ・・」
「そっか・・・」
「知り合いに薬分けてもらうかな・・俺も一応医者だし」
クロスは下に電話しに行った。
美月の部屋に入る。
「ほれ、重湯だよ」
「・・・うん」
無理してたんだな・・元気なふりして・・・。
ゆっくりと口に運んであげる。
「味・・無いね」
「あは、そういう物だよ」
「でも・・綾が作ったから美味しいよ・・とっても美味しい・・」
「良かった・・・」
全部は食べれなかった。
お粥にするのはもう少し後だな。
栄養剤を少し飲ませて一緒に寝る。
「綾・・・」
ぎゅっと力なく手を握ってきた。
私も握り返す。
「また元気になれるよ・・・てか美空が寝坊してるな・・・」
「美空はずっと寝ないで僕のそばにいてくれたからさすがに眠たいんだよ・・」美空はいい子だな・・本当に・・・。
「綾・・すきっ」
「私もだよ・・」
抱き合う。
久しぶり・・・。
暖かくていいにおい。
今、美月は私だけを愛してくれるなら。
私も美月だけを愛してあげよう・・・。
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