夜にポツポツと雨が降る。家の中は静かだ。
自分の部屋で寝転ぶ。
何も上手くいかない。
「はぁ・・・」
ため息が出てしまう。
クロスの部屋に向かう。
廊下は真っ暗。
クロスはまだおきていた。「失礼、入るよ」
「おぅ」
クロスはベットで寝転んでいた。
私はベットもベットに寝転ぶ。 「ねぇ、私は正しいよね?・・美月と親子に戻るのは正しいよね?」
「あぁ、正しいさ。間違ってない」
クロスは私を抱き締めた。私もギュッとする。
「分かんないよ・・なんか上手くいかない」
「そのうち分かってくれるさ・・・」
「ねぇ・・子供欲しいよ」
「・・・・どうして?」
「もぅ・・美月と美空に触れるのが怖いよ・・・普通の子供が欲しい・・」
「バカかお前は・・・」
クロスは少し怒ったら口調になる。
けど優しく抱いてくれる。「少し休め・・・抱いててやるから・・」
「うん・・・」
そのまま抱き締めた寝てくれた。
学校はあと内装をすませれば完成となる。
工事の音もだいぶおさまってきた。
クロスは用事で出かけた。美月と美空は部屋にこもったままだ。
訓練もしてない。
このまま働かないで生きていくつもりかな?
「ママ、武器庫に用事があるから美月のそばにいてあげて」
「・・・・うん」
美空と喋るのは久しぶりだとりあえず洗濯物をしてからなだな。
美空は武器庫に行った。
すぐに戻るだろう。
しばらくして、コーヒーを飲んで一息つく 「はぁ・・気まずい・・」
二階に向かう。
美月の部屋をノックする。「美月、入るよ」
返事がない。
ドアを開けた。
美月はこちらを見ないでボーッとしている。
私は近くにあった椅子に座る。
「ずっと寝てるからボーッとしちゃうんだよ」
「・・・・・」
「美月?」
「・・・・・」
パタッと倒れた。
ベットに近寄る。
「美月、大丈夫?」
「・・・・・ママ」
「うん?」
「お願い・・・抱き締めて」「・・・無理だよ、できない」
できない・・・抱き締められない。
また求めてしまうから。
そんなの良くない。
階段を上がってくる音。
美空が部屋に入ってきた。「ママ、もういいから」
「うん・・・武器庫に行って何してきたの?」
「・・・何でもない」
何か隠しているな・・・。「見せなさい!」
「ママには分からないよ、私達の気持ち・・・」
美空は拳銃をポケットから取り出した。
「それは何に使うの?」
「・・・・私は美月と一緒に生きるの。最後も同じだよ」
「・・・どうゆう意味?」
美空はうつむいた。
「私達は死なない・・・寿命がない・・・不老不死なの」
「美空、何を言ってるの?からかってるの?」
美空の顔は真剣だった。
冗談でもなんでもない。
「美月はとっても苦しんでるから・・だからもう限界になったら私と美月は・・・・私も・・もう疲れた」 「な・・なんで?」
「私達は普通じゃない・・だからもう終わりにしたいの」
「そんな・・そんな事許さないよ」
美空の肩を掴む。
「私達は化け物だけど人間だよ・・・こんな大きな物を抱えてずっと終わらないないなんて辛いよ」
美空は泣いてしまった。
私はどうすればいいの・・・・・。
美月が私の服をギュッと掴んできた。
「ママ、僕は・・・今ママを愛したい・・ずっと生きるんだ・・だから今はママ愛してあげたい・・美空はその後でもいいって言ってくれたの」
「美空・・・美月・・」
美空が抱きついてきた。
久しぶりの感覚。
「ママが素直にならないからいけないんだよ!ママもバカだよ」
素直になる・・・美月と美空を愛してあげたい。
もっともっと・・・。
「私は美月と元に戻りたい・・・日本にいた時のように愛し合いたい・・・」
涙が流れてきた。
素直になればいい。
忘れそうになっていた事が頭にいっぱいになる。
二人を抱き締めて泣いた。無理してたんだな・・・・二人とも・・。
私も無理してた・・。
落ち着いてから話をじっくり聞こう。
今は夕飯を作る。
美月はかなり弱っているから何か美味しい物を作ろう
こうやって美味しい物を作ろうと思うのも久しぶり。クロスが帰ってきた。
「ただいま、綾」
「おかえり・・」
キスしようとしてきたが私はしなかった。
「どうした?」
「ねぇ・・・私、素直になっていいのかな?美月とまた・・・愛し合いたい」
クロスは苦笑した。
「やっとか・・・俺はいいよ・・」
「クロス?」
「俺は女に興味ないって昔から言ってるだろ?」
「なに?・・・はぁ?」
「美空に大分前に相談されてたよ、不老不死の事とか・・」
「あんた、知ってたの?」
クロスは笑って私を抱き締めた。
「もう素直になれよ・・・日本を出る時からおかしくなったって美空が言ってたぞ・・・」
「結婚は?子供は?」
「大丈夫!全部冗談だよ・・・・」
「はぁ・・・今あんたにM2重機関銃ぶっ放してやりたい気分」
「綾・・悪かった・・好きじゃないやつと結婚式なんて嫌だろ?」
「うん、嫌・・・」
「美月の所に行ってやれ」
「うんっ・・」
二階に向かう。
美月の部屋に向かう。
ノックもしないでドアを開ける。
「美月っ!」
ムギュッと抱き締める。
「んぁ・・痛い・・ママ」
「・・・ママ?綾って呼びなさい!」
美月は微笑んだ。
少し痩せたな・・・。
「綾には振り回されてばっかりだよ・・・」
「美月・・・ごめんね」
「うん・・・」
しっかりと抱き締めてあげた。
忘れようとした気持ちが戻ってきた。
大切な気持ちが・・・。
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