入りそうになる・・・。
その瞬間。
ドンッと玄関で音がした。「何だ?」
何かやってくる。
ドアが蹴破られた。
美月・・・。
ショットガンを構えるより早く美月は両親を蹴り倒す佐々木くんは固まっている「え?美月・・・」
「糞野郎!!くたばれっ!」
美月は佐々木くんの顔面を思い切りぶん殴った。
吹き飛んで壁にぶつかったそのまま股がって殴り続けている。
私はすぐにショットガンを確保する。
「この馬鹿!最低の糞野郎!」美月を止める。
泣いている。
「こいつを殺してやる」
「美月、だめ・・」
美月は呼吸は荒い。
私はすぐに警察に連絡をした。
外に出て待つ。
美月が寄り添ってくれる。「綾、パンツ・・」
美月が私のパンツを持っている。 そういえば脱がされたままだった。
はこうとしたけどすぐに警察が来た。
「あら?綾ちゃんと美月くんじゃないか」
知り合いの警官の山田さんだった。
おじさんでそろそろ50近く「すみません、襲われそうになりました。僕が助けました」
山田さんは美月を撫でて家に入っていった。
すぐに戻ってきた。
「応援がくるからしばらく待ってもらっていいかな」美月は私を見つめる。
私は頷いた。
「分かりました・・」
私は車に寄りかかる。
怖かった・・・終わるかと思った。
「綾・・怖かったね・・大丈夫だよ」
「・・・うん」
美月が背中を擦ってくれる
警官の応援が来て三人共警察署に連れていかれた。
山田さんが事情を聞こうとした。
私はどう言っていいか分からない。
私のせいかも。
学校で抜かなければ・・。「すみません、事情はまた今度にしてください。怖くて喋れないと思いますから・・・」
「いい・・言うよ・・」
私はしぼり出すような声しか出なかった。
事情を説明する。
山田さんは少し黙った。
「綾ちゃんにも非があるな・・・」
「はい・・すみません」
美月は山田さんに掴みかかった。
「綾は悪くない!あいつが悪いんだ!」
「美月くん、教師が生徒に性的な事をしたんだ・・綾ちゃんも何かしら処罰されるかもしれない」
「う・・・」
美月は黙った。
私のせい・・・。
「美月くんはどうやって綾ちゃんが襲われるのを知ったの?」
「前からあいつが綾を変な目で見てたから警戒してたんです・・それで・・偶然見かけて・・」
「そうか・・・」
山田さんはさらさらと紙に事情を書いた。
「数日後に連絡が来ると思うから・・・綾ちゃんすまないね・・君にも何らかの責めが来るかもしれない」私は泣きそうになった。
「はい・・分かりました」
美月は黙って手を握っている。
車は運転できそうにない。パトカーで家まで送ってもらった。
山田さんにお礼を言って家に入る。
「ママ・・どうしたの?」
「美空、後で話す・・」
私はとても喋れそうにない・・・。
居間で寝転がる。
先生の仕事・・・好きだったのになぁ・・。
もうダメなのかな。
美空が毛布をかけてくれた「ママ・・」
「美空・・ごめんね」
涙が出る。
もうダメかな・・・。
私は部屋のベットに倒れ込む。
「あぁ・・もぅ・・」
涙が流れてしまう。
泣くのは久しぶり。
「綾・・」
「美月・・美空・・」
二人共いる。
「一緒に寝よう・・」
「ママ、泣かないで」
私の可愛い可愛い・・・子供・・・。
寝れなかった。
けれども安心した。
しばらくは謹慎になるか教師を辞めさせられるかだな・・・・・。
翌朝電話がかかる。
美月が電話に出る。
「あ、はい・・・はい・・・本当に・・ですか?・・・・はい・・分かりました・・・」
私は心臓が潰れそうになる怖いよ。
先生を続けたい。
「綾、警察からだった」
「うん・・・」
「あいつは・・佐々木は同じような手口を使って女の子と関係を迫ったんだって・・・」
冴えないのに彼女がいたのはそのせいか。
「綾のした事はいけないけど・・・罪にはならないって・・・」
「・・・・えっ?」
美月が抱き締めてくれた。「だから大丈夫!また先生を続けられるよ」
「本当に・・・?」
「うん、大丈夫だよ・・」
本当に?
でも私は佐々木くんを・・・・。
「綾は悪くないのっ!もう悩まないで・・・いつもの綾に戻って・・ね?」
心を読んだのかな。
怒りながらも優しく頭を撫でてくれた。
「綾は悪くないの・・」
「美月・・・」
「うん?」
「学校行かなきゃね・・テストの採点しなきゃ」
「うんっ!」
いつもの私に戻る。
美月は耳元で囁いた。
「学校で僕にやらしい事出来なくなったね」
私は少し気持ちが解れた。「家でたくさんしてあげる・・・」
学校に行くと校長先生に呼ばれた。
校長室に入る。
「事情は聞いたよ・・」
「私も責任は取ります・・」美月はああ言ったけど。
私は辞めた方がいい。
「辞表かね?認めません」
「えっ?」
校長は笑った。
「第一、綾ちゃんは抵抗したんだ・・・普通なら怖くなって生徒を殴って逃げる事もできた。でもしなかった・・・しっかりと向き合って解決しようとしてああなったんだ」
「校長・・・」
校長はため息をついた。
「君は我が学校で一番の教師だよ、だから辞めないで欲しい。生徒も悲しむ」
「はい・・・」
私の肩をポンポン叩いた。「そんなのは猫先生らしくないぞ!」
私は嬉しくて泣いてしまいそうになる。
でもこらえた。
「事情は私だけが知っている・・他の教員も知らない・・あの子は退学にした」でもさすがに噂が広まりそう。
「私は元警察署長だからそれなりに隠ぺいして貰ったよ・・・」
「・・・・へ?」
チャイムがなる。
「ささ、授業に行ってくれ」「あ、はい・・え?」
校長室を出たがなんか引っ掛かる。
校長が元警察署長?
もういいや。
授業に行かなきゃ。
私の担任のクラス。
美月と美空の教室。
「はーい、テスト返しまーす。赤点はいなかったよ!」留美が満面の笑み。
テストを返す。
だが留美はテストを見て青ざめた。
「うっそ・・ほぼ赤点・・」「留美ちゃん・・ガンバ!」トボトボと戻って言った。美空が取りにきた。
まぁ百点。
当たり前。
「先生っ!やったぁ!」
わざとらしくはしゃぐ。
「ははっ、美空ちゃんはさすがね!」
美月が取りにきた。
ニコニコ笑っている。
必死にかばってくれた。
美月・・・。
「美月くん・・・」
「先生・・・」
私は美月の肩を叩いた。
「残念・・」
「ふぇ?」
「スペルミスで99点」
美月が一気にがっくりする席に戻って利奈と美空に見られてさらに落ち込んでいる。
「はーい、テストの問題を復習しますね」
私は正しかったのかな?
今は考えないでおこう。
今は先生だから。
※元投稿はこちら >>