簡単に答えを出せるはずがない。
こんな複雑な状況で・・。美空と幸せになりたい。
そうするにはどうすれば・・・・・。
いつもどうりに学校へ。
「おはよ!美月くん、美空ちゃん」
「あっ、利奈、おはよ!」
「おはよ・・」
利奈は僕と美空の関係を分かってくれた。
留美も遊も雪も・・・。
本当に奇跡に近い。
でも友達に打ち明けられたのは4人だけ・・・。
近親相姦ってだけでもかなりヤバいのに・・・。
銀兔と羅紗の事が知れたら間違いなく避けられる。
絶交される。
それが怖い・・・。
せっかく仲良くなったのに・・・。
不老不死の事もいまさら動揺してしまう。
けど美空が調べたんだ・・間違いない。
学校について教室に向かう前に職員室に寄る。
美空にもついて来てもらう昨日相談して決めた。
綾はまだ来てない。
校長室をノックする。
「はい、どうぞ」
校長先生は優しい。
生徒の相談に快くのってくれる。
綾の次に人気がある。
「失礼します」
校長先生はニコッと笑った「おぉ、君たちか・・座りなさい」
僕と美空はソファーに座るフカフカではないけど本革の高そうなソファー。
「校長先生・・相談があります」
「・・・何かね?」
「僕と美空はもっと難しい勉強をしたいんです・・だから今の授業を・・」
「いいよ、好きにして」
「ふえっ?いいんですか?」心を読む前にあっさり答えられた。
「正直心配だったんだよ。いいよ、好きに勉強しなさい。テスト、宿題は気にしなくていい。・・ただし」校長先生の目がさらに優しくなる。
「教室で勉強する事!友達と一緒に教室にいる事・・いいね?」
「はいっ!」
校長先生はやっぱりいい人だった。
教員には伝えておいてくれるらしい。
教室に向かう。
「良かったね、美空」
「うん、しばらく勉強漬けだね」
「美空・・あれ、持ってきた?」
「・・・うん、あるよ」
美空はカバンをポンポンと叩く。
教室のみんなに事情を説明する。 席を後ろの方に移動させる。
美空も同じ。
美空と机をくっつける。
みんなの邪魔にならないようにする。
朝礼が終わって勉強にとりかかる。
幸せになりたい。
そのためにはもっと知識がいる。
そのために今よりもっと勉強しなければならない。
「美月の隣だ・・えへっ」
美空が小さく呟いた気がした。 「嬉しいの?」
「は、はぁ?いきなり何言ってんの?」
「今・・呟かなかった?」
「ない、ないよ・・」
夏休み以来素直にはなったようでまだ素直じゃない。まぁ、美空は素直じゃない方がいい。
素直じゃない美空いじめるのが楽し・・。
ゴッ!
「痛い・・・」
「ばか・・」
脇腹に一発。
やっぱり美空はこうでなきゃ・・・・。
授業とは別の勉強をする。分厚い医学書を開く。
まず第一に考えたのが医者か薬の開発者になる事。
とりあえず完璧に知っておいて損は無い。
復習もかねて人間の体を一から勉強する。
美空が耳元に話しかけてきた。 「美月、私たちの免疫力も結構異常だったよ」
テレパシー使えばいいと思ったけどお昼に腹ペコになるのはごめんだ。
「・・・なんで?」
「とにかく異常だった・・」「ふーん・・」
風邪を引いたのは一回だけ・・旅行の時。
ウイルスや異物に対する抵抗力も高いのか・・・。
医学書はかなり分厚い。
頭をぶん殴ったら確実に凶器になる。
ページをペラペラめくる。たぶん2日はかかる量。
読めれば完璧に覚えるから読むのは一度でいい。
休み時間。
さすがに目が疲れた。
「ふぅ・・美空は目大丈夫?」
「疲れたよ・・字が細かいしね・・」
美空は肩をポンポンと叩く「二人とも凄いね・・」
利奈が美空に抱きついて呟いた。
美空は何の抵抗もしない。もうだいぶ慣れたらしい。「利奈は高校どこ行くんだっけ?」
「えーと・・宮岡高校か戸嶋学園かな・・」
「どっちも進学校だね」
利奈は英語以外は成績優秀だ。
利奈は巫女さんになるから大学には行かないのかな?「二人はどうするの?」
「大学行こうかなと・・自慢気でごめんね」
「いいよ、気にしないで!実際、頭いいし」
大学に行く必要もなさそう・・けど行くのも悪くないかな。
お昼はいつものメンバーだ。
今日は綾がお弁当を作ってくれた。
「ん?・・何これ?」
「むぅ・・・?」
お弁当箱の中には見た事ない食べ物が・・・。
隣にいた留美と利奈が覗きこんできた。
「へぇ・・なにこれ?」
「利奈も分からないなら私も分からない・・・ボス失格だな・・」
とりあえず食べたら美味かった・・・。
帰ってから綾に聞いてみよう。
卒業したらこうやってお昼を食べる事はなくなるんだよなぁ・・。
今のうちにたっぷり感じておこう。
普通という幸せを・・・。
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