「ごめん・・ムリだ」
出来ない・・・。
知り合ったばかり。
クルミちゃんの事何も知らない・・・。
「そっか・・」
クルミちゃんはしゅんとした。
「ごめんね・・仲良くならないと・・」
「仲良くなったらいいの?」クルミちゃんは期待してるみたい。
「クルミちゃんを好きになったら・・・する」
「わかったよ・・私頑張る!美月の初めて・・私が貰うね!」
「うん・・・」
寸前で何かが引っ掛かった・・・なんで美空の事が・・浮かんだんだろ・・。
家に戻ってリビングのソファーに座る。
クルミちゃんも隣に座ったルーシーさんとおじさんが僕たちの様子をチラチラ見ている。
美空はどこかな?
「ねぇ・・美月くんってどんな食べ物が好き?」
「えっとね・・・ハンバーグかな」
「そっか!私明日作ってあげる」
クルミちゃんはニコニコしてる。
もしかして・・僕が好き?付き合うのもいいかも。
「へぇ、クルミちゃんは料理できるんだ」
「うん、得意だよ!」
美空がいない・・。
不安になってきた。
「ご、ごめん・・ちょっと美空捜してくる・・」
「あ、うん・・」
家はそんなに広くはないけど・・・。
美空は?
どこなの?
「美空っ?美空?どこ?」
「何よ・・」
美空が後ろにいた。
僕はすぐに抱き締めた。
「良かった・・いなくなったかと・・」
「あの子とチューしたの?」「・・・・へっ?」
見てたのか?
気まずい・・・。
「してない・・」
「ふぅん・・・・」
抱き締めたまま。
動けない。
「私だって・・・」
「うん?」
「何でも・・・ない」
美空は離れた。
「美空はさっきの・・見てたの?」
「うん・・・」
美空はしゅんとしている。「ごめん・・不安にさせて・・・」
美空が急に僕を睨んだ。
「ふっ、不安になんか!・・なってないよ・・・」
「そっか・・・」
「勘違いすんな・・・」
美空は背を向けて二階に行こうとした。
僕はとっさに手を掴む。
「・・・行かないで」
「美月・・・」
「二階で待ってて・・お風呂入ったらすぐに行くから・・・」
「・・・うん、待ってる」
美空はニコッと笑った。
僕はいつもドキドキしてしまう。
美空は二階に行った。
僕はすぐにお風呂に入る。湯船につかって。
ため息をつく。
「はぁ・・・なんなんだろ・・・」
美空を不安にしたくない。美空を・・傷つけたくない・・・。
すぐにパジャマを着てバスタオルを肩にかけて風呂場を出る。
美空の部屋に向かう。
「美空っ、お待たせ・・」
いない・・。
なんで?
待ってるって言ったのに。「美月・・こっち」
「はぅ?」
僕の部屋の扉を開けて美空が呆れ顔でたっていた。
「ほんっとに・・鈍いね」
「うう・・」
僕の部屋に入る。
ベットに座って髪を乾かす美空はテレビを見ている。「美空、おやつ食べよっ!」美空は振り向いてぽかーんとしている。
「おやつ?・・どこにあるのよ・・」
僕は棚の中に隠してあるおやつを取り出した。
「おじさんに内緒でこっそり持ち出したんだ」
「美月・・ポテトチップスある?コンソメ味・・」
「あるよっ!」
二人でおやつを食べる。
いけない事だ。
こんな時間におやつ食べるなんて。
ポリポリとポテトチップスを食べる。
あんまり脂っこくないタイプ。
僕はギトギト脂だらけのポテトチップスは嫌い。
「いけない事してるね・・美空と・・・」
「おじさんに怒られちゃうね・・・」
「でもバレなきゃいいよ・・多分大丈夫・・」
バレなきゃいいけど。
ポテトチップスを食べつくした。
「美空、まだあるよ」
「・・・もういい」
「お腹いっぱい?」
「ううん・・明日も一緒に食べたいから・・とっておいて・・」
「ははっ、いいよ」
美空とテレビを見る。
「ねぇ・・美月・・」
「なに?」
「キスってしない方がいいよ・・」
「へっ?」
美空は僕を見てニヤニヤしている。
「だって口の中にはバイ菌がいっぱいいるんだよ。汚いよ・・」
「ふぇ・・そっか・・」
言われてみれば・・・。
虫歯になっちゃうな。
「でも・・好きな人なら汚くてもいいかな」
「へぇ・・そっかな・・」
もう寝る時間・・・。
「美空、歯磨きして寝よう・・・」
「うん・・」
洗面所で歯をみがく。
美空と歯ブラシの色は違う美空が袖をつかんで僕を見つめる。 「今日は一緒に寝ていい?」可愛い・・・。
「うん、いいよ」
「へへっ・・」
「嬉しいの?」
「う、嬉しいとかじゃなくて・・・美月がまた夢でうなされると困るから」
僕は美空の頭を撫でる。
「美空は・・いい子だね」
「むぅ・・・」
ベットに入って電気を消す悪い夢は見ませんように。美空と手を繋いで寝る。
安心する・・・・
もう眠くて・・起きてるのか寝てるのか分からない。
「美月・・・」
美空が呼んでる?
分からない・・。
「私が・・・初めてもらう・・」
ちゅっ・・。
柔らかい・・・。
何か触れてすぐに離れた。心地よくてもう寝てしまった・・・。
また夢? 天使が出てきた。
僕を押し倒そうとする。
「好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き・・」
怖い・・・。
そんなに好きって言われると・・・。
「あなたが・・・大好き・・・・」
目が覚めて・・・。
美空が隣にいる。
美空が僕より寝坊するなんて珍しい。
昨日のはなんだったの?
唇になんか当たった。
「美月・・ぐっも・・にんぐー・・ふぁ」
「ねぇ、美空・・昨日僕にキスした?」
「知らない・・・」
美空は布団の中に隠れた。じゃあ夢か・・・。
「なんかまた怖い夢見た・・・・」
「へぇ・・・」
うーんと伸びて。
ベットからおりる。
美空とキス・・・。
エッチな事にはならないかな・・・。
まぁ夢だったし。
「美空、ご飯食べよ」
「うにゅ・・うん」
二人で手を繋いで。
いつもの朝。
いつもと変わらない。
・・・・のかな?
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