そろから仕事も途中で放り投げて、美月に部活休ませてからすぐに車に乗る。
「美空は連れていかないの?・・美空にも何か言わないと」
「美空には悪いけど・・・」車を走らせる。
この田舎町からしばらく行った所。
小さな教会がある。
武器庫のおばちゃんに紹介してもらった教会だ。
車を止めて教会に向かう。「美月・・手を・・」
「・・うん」
握ってくれた。
暖かい手。
触れるだけで幸せ。
確か神父さんがいたはず。教会の中に入る。
神父さんがいた。
結婚式の時の神父さんだ。
教会の中には何人か人がいる。
お祈りしたりしている。
神父さんは話を聞いてあげたりしている。
最後でいい。
美月と椅子に座る。
なるべく寄り添う。
「凄い・・綾とパパがここで結婚したんだ・・」
美月はふむふみと頷いている。
「そうだよ・・・その時にはもう美月と美空はお腹の中にいたんだよ」
「そうなんだ・・・」
ルカは誓いの言葉は言えなかった。
喋れないから。
でも頭に文字が浮かんだ。いつものように。
愛していると。
「綾のドレス姿見たかったなぁ・・」
「ははっ、我ながら凄かったよ!」
「いいな、見たいなぁ・・・」
少ない友人が祝福してくれた。
師匠も泣きながら喜んでくれた。
思い出すなぁ・・・。
あそこの椅子にみんながいて。
私とルカがあそこにいて・・・幸せだったな。
教会の中にはもう私と美月と神父さんだけになった。思い出に浸りたいけどそろそろ挨拶をしよう。
美月と手を繋いで神父さんに近付く。
「こんにちは・・あの、私の事は覚えてますか?」
「あなたは・・・・」
神父さんは一瞬黙る。
すぐに笑顔になった。
「あぁ、楓さんでしたね!いや・・・全く変わりませんね、お綺麗なままで・・」美月を見る。
少し驚いた顔になる。
「夫婦そろってあの頃のままですね・・お綺麗で幸せそうで何よりです」
美月は少し困った顔をして頭をかいた。
「あ、あの・・僕は・・」
私は繋いでいる手をギュッと握った。
「この子は息子なんです」
神父さんはかなり驚いた。「・・・なんと・・・ではご主人はどちらですか?」ルカは・・死んだ。
バラバラに解剖されて。
見ていられなかった。
こんな事言えない。
「ルカは・・交通事故で・・亡くなりました」
「そうでしたか・・・」
嘘しか言えない。
ルカの最後がフラッシュバックする。
今でも辛い。
あんな最後は・・・。
発狂して狂ってしまった。思い出したくないけど・・たまに出てきてしまう。
神父さんは美月を見て笑う優しい神父さんだ。
「可愛らしい所もそっくりですね・・天使のようだ」美月は照れている。
「あ、いえ・・あの・・ありがとうございます」
一瞬私と美月の繋いでいる手を見て。
悟った顔になった。
「息子さんを愛していますね・・・」
「あ、はい・・私はとっても・・愛してます」
神父さんの目が険しくなる「息子としてではなく・・ですよね?」
「・・・えっ?」
「違いますか?」
言葉が出ない。
神父さんの表情はだんだん変わる。
さっきの優しい顔ではない「あなたは近親相姦している・・・そうですね?」
「・・・・はい」
神父さんはため息をついた失望したかのように。
「出ていってくれ・・・」
「あの・・・」
美月も困っている。
近親相姦はタブー。
海外では罪になる。
キリスト教では禁忌。
「ご主人が亡くなって辛いのは分かる・・・だが禁忌を犯すとは・・・汚れてる・・・・」
美月は手を引っ張って帰ろうとする。
私は動けない。
自分がやってしまった事はとんでもない事なんだよな・・・。
「頼むから・・出ていってください・・教会が汚れる・・・式を挙げさせたのは・・・間違いだったな」
美月はさらにグイグイ引っ張る。
私はようやく体が動いた。何か言いたかった。
「やめて・・否定しないで」神父さんは私を睨む。
軽蔑の目で。
「許されない罪だよ・・早くやめなさい・・・離れるんだ・・・それがいい」
美月は全力で私を引っ張る私はトボトボついて行った教会を出ても美月は私を引っ張って歩く。
車の所まで戻って。
何も言えずに車に乗る。
美月は助手席に座る。
「美空がいなくて良かった・・・あいつがいたら神父さんと口論になってた」
「美月・・私が我慢すれば・・・良かったんだ」
「綾、ダメ・・そんな事考えないで」
美月と再開して。
翌日に美月に迫った。
体の関係になって。
色々狂った。
私のせい・・・。
「綾・・ねぇ・・」
「私のせいで・・」
「綾っ!!」
美月が怒鳴った。
けど私の頭を優しく撫でる「僕も悩んだよ・・近親相姦してしまったって・・」悩まない人はいない。
動物は本能的に同じにおいのする個体を嫌う。
同じ遺伝子を持つ物を嫌う・・・。
本能的に近親相姦を避けるようになっている。
「私は・・ぐすっ・・」
涙が・・・。
なんで今更なんだろ。
こんなに罪悪感を感じるなんて。
美月がそっと背中を擦る。「美空ともエッチはしたくなかった・・・けど凄く愛してくれていて・・それを感じてしまって・・僕は受け入れた」
「ううっ・・ぐすっ・・」
涙しか出ないよ・・・。
「綾が母親だって聞いた時もはっきり言って凄く嬉しかったけど・・凄くショックだった・・・僕も近親相姦の危険性については本で読んでたしまさか自分がしてしまうなんて思ってなかった」
「ごめん・・ごめんね」
美月の顔を見た。
優しく微笑んでいる。
「でも、大丈夫・・・僕は平気・・・」
「美月・・・」
「溺れるんでしょ?依存するんでしょ?・・・僕に・・この前そう思ってたじゃん・・」
やっぱり心を読まれてたか・・・。
「だったら僕も溺れる・・一緒に溺れよう・・僕も綾に甘えちゃう・・依存しちゃう・・罪悪感なんて・・耐えてやる」
「ううっ・・ぐすっ」
優しく唇に触れて。
キスをした。
「綾、もう泣かないの・・ねぇ・・まだ5時だよ・・」「うん・・・」
「帰ってから溺れようよ・・二人で・・」
「・・・うんっ」
車を走らせて。
家に向かう。
私の向かう先が正解なのか・・。
それは分からない。
たぶん間違い。
けどいいや・・幸せだから・・構わない。
美空はまだ帰っていなかった。
ベットで愛し合う。
「んっ、やぁ・・美月・・」「綾、可愛い・・」
体を貪ってくれる。
スーツを着たまま犯してくれる。
もう濡れいる。
いけない事って分かっていても。
「綾・・入れるよ」
「うん・・・」
グッと込み上げる罪悪感・・・。
捨てようと思ってもなかなか捨てられない。
美月が手を握る。
ギュッと握り返す。
強く・・強く・・。
もう夕飯の仕度もできないくらい乱れた。
呼吸が整わない。
「はぁ・・はぁ・・はぁ」
「綾・・はぁ・・」
汗だくで。
シーツもびちょびちょ。
携帯が鳴って。
美月が電話に出る。
「あぁ、美空?・・うん・・わかったよ」
電話を切って。
キスしてきた。
呼吸ができないよ。
それでも舌を絡める。
「美空は利奈の家で遊ぶから遅くなるってさ・・だからもう少し溺れよう・・エッチしよう」
「・・・うん」
正常位で挿入される。
罪悪感はある。
凄く。
最近薄れてしまったけど。
「ああっ!んああっ・・」
「綾・・キツいよ・・」
必死に腰を振っている美月・・・。
やっぱり息子なんだな。
でももう戻れない。
溺れたから。
もう這い上がれない。
腰の動きが早まる。
どんどん・・激しくなる。「綾っ、イクッ!」
「うん、キテッ!」
ビュクッビュクッ・・・ドクドク・・・。
中出しされた・・・。
私もそうして欲しかった。いつもそうして欲しい。
遅くなったけど夕飯の仕度をする。
美空も帰ってきた。
私は立ち直っていたので教会に行った事は気付かれなかった。
「あ、二人に見せたい物があったんだった・・はいっ、衣装のデザインだよ」
美空と美月に渡す。
「ママ・・凄い」
「うむぅ・・これは・・」
私と雪の力作だ。
とっても可愛くしてある。「どう?可愛いでしょ!」
「うんっ、ママ凄い!」
美空がはしゃいでいる。
きゃわいい・・・。
思わず抱き締める。
「美月、気に入らないの?・・ばか」
美空が美月の頭を叩いた。「だって・・もっとカッコいいのかと思ってて・・」
袖も裾もかなり広く作ってある。
二人とも小柄だし可愛い系で統一した。
「ま、着てみてからだね!かっこよく演技しなさい」
私も美月の頭を撫でる 「うん・・でも嫌いじゃないからね・・どっちかと言うと・・・好きだよ」
「そっか・・良かった」
ぐうーっとお腹の鳴る音。美月からだ。
「あは・・あはは・・綾・・ご飯早く・・お願いします・・」
美月も抱き締めた。
腕の中には私の子供。
どちらも愛してる。
「腹ペコ双子めっ!」
笑っていられるのは。
この子たちのおかげだよ。
※元投稿はこちら >>