しばらく暮らしてだいぶ慣れてきた。
水樹と仲良くなったし馬木くんとも恋人になった。
ただキスやエッチはまだ。馬木くんは焦らすのが上手い。
迫っても上手くかわされる
父さんとは・・・。
距離を置いた。
また求められるのが怖いから。
ニックの調査は一旦打ち切りになった。
通常の警備や捜索に戻された。
手がかりは本部からも評価された。
給料が少し上がったのは嬉しい。
VRのパトロールをする。
今日もダメウサギが一緒にいる。
「アリス様、今日も忙しいですね!」
「ニルは相変わらず役にたたないな・・」
「ごめんなさい・・」
まぁ手がかりはニルのおかげだし。
そこは誉めてやりたいけど調子にのるから言わない。街は人がいっぱい。
みんな幸せそうだ。
現実で満たされない部分をVRで満たす。
人の欲望は無限大である。
父さんとの事・・・。
思い出してしまう。
妊娠はしてなかった。
また求められたらどうしよう・・・。
断れるかな。
怖くて苦しくて。
でも気持ち良かった。
普通とは違う快感。
忘れよう・・・。
パトロールを続ける。
私は歩きながら見回る。
路上で急に事件がおきたりする。
銀色の髪の子が横切る。
「あの子は・・・」
夢の中に出てきたな。
ちょっと追いかけてみよう・・・。
可愛らしい服を着ている。銀色のツインテールは綺麗だ。
13歳くらいの女の子。
水樹と同じくらいか。
レストランに入っていった私とニルも店に入る。
女の子の見える席に座る。「アリス様のおごりですか?」
「死にたいの?」
「僕のおごりですね・・」
ニルはメニューを開いて耳をパタパタさせる。
たしか夢の中で私を探していたと言ったな。
どういう意味かな。
いや、夢だし意味なんてない。
女の子は注目をしてから窓から街を眺めている。
可愛いな。
人形みたいに整った顔。
ニルが店員に注文している「店員さん、僕ランチセットお願いね。アリス様は何にします?」
「コーヒーとオニオングラタン・・」
店員が注文を聞くと厨房の方に行った。
このウザウサギはなんでこんなに物を食うのか謎だ。店のドアが開いた。
少年が歩いてきた。
女の子の隣に座る。
なんか水樹にそっくりだ。いや・・・水樹!?
私は近寄って話しかけた。「水樹!?」
「あ、お姉ちゃん!」
やっぱり水樹だった。
女の子は私を見てお辞儀をした。
近くで見るとさらに可愛らしい顔。
なんだか水樹と似ている。気のせいかな。
向かい側の席に座る。
ウサギはほっとこう。
「私はアリスって言います、あなたは?」
「ミクです・・」
「ミクちゃんか、水樹とは友達?」
「そうだよ」
水樹め、なかなかやりおる・・・。
こんな可愛らしい子をつかまえるとは。
どうやら掲示板で知り合ったらしい。
実際に会うのは初めてだとか。
なかなかいい子だ。
「あ、そろそろパトロールに戻るわ・・水樹、しっかりエスコートするんだよ!」「オッケー!」
水樹はニコッと笑った。
店を出る。
夢に出てきたよね?
なんて聞けない。
たぶん夢だしなんも意味ないだろうな。
バカウサギは私のオニオングラタンもたいらげたらしい。
それからは特に異常もなく交代の時間になり帰還する
目が覚めてからデスクに座って今日の状況を書き込む
最近妙に平和だ。
現実もVRも。
何もおこらなければいいけどな。
家に帰ると自分の部屋に一直線に戻る。
父さんと顔を会わせたくない。
ベットに転がる。
幸せなのかな・・・。
前よりは幸せだな。
コンコン。
「はーい・・」
「アリス、入るぞ」
父さんだ。
気まずい。
「何、お父さん?」
「また頼む・・・」
「お父さん・・やめよ・・」「嫌か?」
「うん・・怖いよ」
父さんはうつむいた。
悲しそうな顔をして出ていった。
怖かった・・・。
妊娠したら困る。
なるべく避けよう・・。
私には今、馬木くんがいるから・・。
父さんは父親だからそういうのは良くない。
良くないんだ・・。
それでも体が・・。
うずいてしまう。
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