VRの警戒レベルも上がり街中には人間もあまりいない「ふむ・・平和?」
事件らしい事件もないし。最近のVRは平和。
だが現実は・・・どうなるんだろ。
これ以上VRで過激な事件がおきたら人間はどちらを選ぶんだろう。
「アリス様、良かったですね」
「なんで?」
ニルはステッキをクルクル回しながらニンジンスティックをポリポリ。
「平和って・・いいですね」「まぁ・・うん」
チーターも息を潜めているし・・・。
どうなのかな。
ビルの外壁にある大きなディスプレイに緊急ニュースが映る。
NPCのサーバーが原因不明のエラー。
一時的に影響がある可能性・・・・。 「ふむ・・サーバが・・」
「準備できましたね」
「・・・・はぁ?」
ニルはNPCに近づいて行った。
数人のステッキでNPCの頭をポンと叩く。
NPCがブルブル震え出した・・・。
「ニル・・?」
ニルはNPCの頭を撫でた。
「おめでとう、君は人間だよ」
NPCがおかしい。
まるで人間のようだ。
プログラムで決まった行動をする機械ではない。
「ニル、何したの!?」
Px4に触れる。
おかしいぞ・・・。
ニルはスキップをしながら次々にNPCに触れていく。立ち止まってこちらを見た「アリスの願いでしょ?彼らを自由にしてあげている。記憶を入れてあげて人間にしているのです」
「・・・何言ってるの?」
「あなたは記憶を消されたと思っているんでしょうが違いますよ。アリス様は自ら自分を変えたんですよ」ホルスターからPx4を抜く
ニルに銃口を向ける。
「やめろ、何言ってのかさっぱり・・・」
「僕はアリス様が作ったAIです。あなたが命令した事をしてるだけ」
私が作った?
そんな記憶はない。
NPCが懐から銃を取り出した。
私はすぐに反応して銃殺する。
「アリス様が望んだのに。そんな事するんですね・・しかたない僕はアリス様を殺さなければ」
NPC全員が銃を抜いた。
「な・・なんで?」
「僕の命令は聞くようになってます。アリス様が信念を曲げた時は殺すようにと言われました。」
訳が分からない。
死ぬの?
いや・・死なないけど。
心が壊れる。
パパパパッ。
目をつむる。
死んでない・・・。
NPCが倒れてる。
「アリス、大丈夫?」
黒い兔と黒い犬がいた。
アーマーを着た人間。
可愛らしいフォルムのアーマー。
兔は銀色のツインテール。犬はふさふさした短い髪の毛。
どちらも怪しく光ってる。
ニルはステッキをライフルに買えた。
私は素早くニルを撃つ。
パンッ。
自分のAIを撃つのは初めて・・・。
ニルの頭に風穴があく。
けど倒れない。
「僕はアリス様を消してこの世界を平和にしなければならないのですね・・また会いましょう」
ニルがパッと消えた。
鍵がカランと床に落ちた。
「アリス、何を撃ったの?」「へっ?自分のAI」
兔と犬が顔を見合わせる。「AIなんていなかったよ・・・」
こんがらがってきた。
てか・・・このちっこい可愛らしいのは誰?
「アリス、一旦家に帰ろう」「あなたたちは?」
「水樹とミクちゃんだよ」
犬がそう言った。
一瞬迷ったけど信じた。
すぐに鍵を拾って現実に戻る。
警察署は大変な騒ぎだ。
さっきの事は他の警官も見ていた。
だが誰一人としてニル・・シルクハットをかぶったウサギは見なかったと・・。
家に戻ってから水樹の部屋に急ぐ。
ミクちゃんも水樹もいた。「二人とも・・さっき」
「アリス、詳しくは後で言うからこっちに来て」
水樹のベットに座る。
「アリス、覚えている事をゆっくり話してみて・・」私は起こった事を話した。水樹はパソコンを操作しながら唸る。
「僕たちには見えなかった・・・」
「そんな・・あいつはAIじゃないの?」
VRで作ったなら見えるはず・・・。
テレビに緊急ニュースが映る。
NPCが人間を襲いだした。銃激戦になっている。
「NPCは自己判断はできない・・プログラムされた通りにしか動かない・・・人間の記憶をコピーして入れたら・・そんな・・」
水樹がブツブツ呟いている「水樹・・私も信じられない・・」
「とにかく今VRに行くのは危険だよ・・そのニルってAIを止めないと」
携帯がなる。
ニルからだ。
【僕はあなたの信念とAIの塊です。あなたが部品を集めて形になった信念と組み込ん僕ができました。ご主人様なので僕の消し方を教えます。これもあなたの命令でした】
私はそれを見て震えた。
【今のあなたの記憶を消すと信念も消えてAIの僕が残ります。またアリス様を見たら僕は殺さなければならない。どうか信念を忘れないでください】
今の私の記憶を消すって。どうして・・・。
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