ハサミを見つめる。
これで・・・・・。
「ちょっと、お嬢様!?」
「あ、未稀さん・・・」
「どうしたんですか?」
「髪・・切ろうかなって」
未稀さんは少し黙った。
年上だから分かってくれるみたい。
私の気持ち。
変わりたいんだ・・・。
髪型でもなんでも。
さっぱりしたい。
「私が切ってあげます。これでも美容師の資格もってますから」
「お願いします・・・」
椅子に座って目を閉じる。髪にハサミが触れる。
長かった髪が切られてていく。
「これくらいでいいですか?」
未稀さんが髪をつまむ。
「・・もっと・・」
「はい・・わかりました」
チョキチョキ・・・。
しばらくして目を開けた。鏡に移る私は・・・・。
短くなった髪。
前髪は長い。
後ろはシャツに少しかかるくらい。
「ふむ・・・水樹より男前だね。未稀さんはどう思う?」
「凄く素敵ですっ!」
いいな・・男の子になったみたいだ。
少し髪を撫でてみた。
かなり変わった。
くしでといで髪を整える。艶々な黒髪はそのまま。
白いワイシャツを着ていたから切った髪がついている・・・。
パッパッと払う。
椅子からたってフリフリと頭をふる。
髪の毛の残りがいくつか落ちた。
未稀さんはポッと赤くなっている。
「幸い・・・じゃないけど胸もあんまり無いし、男の子に見えるかもね」
「あ・・・はい」
未稀さんはもじもじしている。
「ふむ・・未稀さん」
「は、はいっ!」
「ありがとう・・お礼してあげる」
未稀さんに近づく。
手首をつかんで引き寄せる軽くキスをする。
「んっ・・・お嬢様・・」
「私・・僕のキスはどんな味だった?」
「あ、あの・・・」
「ははっ、未稀さん可愛いなぁ。ありがとね」
フリフリと手をふった。
未稀さんは顔を赤くして固まっていた。
水樹の部屋に向かう。
途中でミクちゃんに会った「ミクちゃん、おはよ」
「うん?・・・えっ!?」
「びっくりした?」
「うん!」
「ははっ、そっか」
水樹の部屋に入る。
水樹は私を見てポカーンとしている。
「・・・どう?水樹」
「あわわ・・」
水樹のベットに座る。
「男の子になったかな?・・僕・・・」
「アリス・・僕よりカッコいい・・」
「えへ・・ありがと!」
水樹にキスして頭を撫でたなかなか面白いな。
髪なんていつかは元に戻る記憶は戻らない・・。
もういいんだよ。
これで・・・。
でも体は女の子だから。
エッチはしたくなる。
「水樹、する?」
「えっと・・朝から?」
「そう、朝から!」
「ミクちゃんが来ちゃうから・・ダメ・・」
「問答無用・・」
「あぅ・・・」
これからが私のスタート。新しい私の・・・。
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