似てるNPCではない。
名前を呼んだら振り返った・・・・。
私は馬木くんに駆け寄る。馬木くんは立ち止まっている。
「馬木くん?なんで・?」
「あは・・あははは・・」
目が死んでいる。
肩を掴んで揺さぶっても反応もない。
口もブルブル震えている。「馬木くん、大丈夫?」
馬木くんの目から涙が流れた。
「ありす・・・さよなら」
「な・・なに?」
パンパンパンッ。
銃声。
ミクちゃんが銃を上に向けて発砲、周りの人が逃げ出す。
「アリス、離れて!」
ミクちゃんに手を掴まれて馬木くんから引き離される「え、な・・・に?」
馬木くんからかなり離れた時。
ボーンッ!
爆風で吹き飛ばされる。
爆発したのは・・・・・・馬木くん?
よろけながらも立ち上がる「馬木くん・・・なんで?」さっき馬木くんの立っていた床は割れて黒焦げになった塊しかない。
言葉が出ない。
幸い被害は少ないようだ。ミクちゃんが発砲したおかげ。
動けない・・・何がなんだか・・。
ミクちゃんは?
倒れてる・・・。
気を失っている。
私は・・・・。
「救急車・・・!」
すぐに連絡をして救急車を呼んだ。
冷静に行動できた。
しばらくしてVRPと救急車が来た。
私はミクちゃんと救急車に乗って病院に向かう。
VR内でも病院がある。
すぐに検査が始まった。
私は椅子に座って一息ついた。
馬木くん・・・。
死んでないよね。
「水樹に電話しなきゃ・・」水樹の携帯に電話。
すぐに出た。
事情を説明する。
「・・・龍平兄ちゃんが?」「うん・・ミクちゃんが頭を打ったらしくて」
「僕はこっちでミクちゃんの体を保護しとく・・・」電話を切ってから馬木くんに電話をかける。
死んでない。
死んでないはず。
あれはNPC。
出ない・・・出ない・・。プツ。
「もしもし?」
「馬木くん?今どこ?」
「へ?誰?」
「アリスだよ!」
「・・・知らない」
「君は馬木龍平くんだよね?執事の仕事をしてるんだよね?」
「そうですけど・・・あなたの事全然知らない・・」なんで・・・・?
声も馬木くんだし・・。
「今・・どこ?」
「えっと・・・アラブのお城に居ます。そこで執事の仕事をやってますが・・」最近話してなかったから分からなかった・・・。
どこかに行ったの?。
電話を切った。
私を好きだった馬木くんはいなくなった。
訳が分からない。
検査室の扉が開いた。
命に別状はないらしい。
現実ではすでに水樹が引き取ってくれたらしい。
すでに意識は現実の方に行っている。
私もすぐに現実に帰ろう。鍵は・・・。
ニルを呼び出す。 「ニル!帰るから鍵を」
「はい、どうしたんですか?」
無視して鍵を奪ってパッドに鍵を差し込んだ。
すぐに家に戻る。
水樹から電話がかかる。
「もしもし、ミクちゃんは?」
「大丈夫、僕のベットで寝てるよ」
「今、帰るから!」
車を走らせる。
家についた。
馬木くんがいつも車を研いていたが今はいない。
ホントにいない・・・。
水樹の部屋まで走る。
勢いよく扉を開けた。
「ミクちゃん!」
水樹の隣にちょこんと座っていた。
二人で並んで私を見ている未稀さんもいた。
私はミクちゃんを抱き締めた。
「ミクちゃん、大丈夫?」
「うん、アリスは?」
「大丈夫・・・」
この子が傷ついた・・・。物凄く不安だった。
凄く凄く凄く・・心配になった。
「未稀さん、少し調べてみてくれる?」
「わかりました」
未稀さんは部屋にあるVR装置に座った。
私は水樹を見る。
「未稀さんは僕の仲間だよ」「ふぇ・・・?」
そうだったんだ。
知らなかった。
今はミクちゃんが無事で安心した。
私もベットに座る。
現実でミクちゃんに触れるのは初めて。
VRと変わらず可愛いし綺麗だ。
水樹はパソコンをカタカタと操作している。
ミクちゃんが私に抱きついてきた。
頭を撫でて抱き寄せる。
状況を整理するのに時間がかかりそう・・・。
何が起こったか分からない・・・。
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