あの目玉は何だったんだ?2200年は無い?
どうゆう事?
あれからずっと水樹の部屋に寝るようになった。
探偵としての水樹は頼りになる。
水樹の仲間からの情報を待つばかり。
私はソファーで仮眠していた。
警察としても調査しなければならない。
あのモニターの事はニュースにはならなかった。
一部の掲示板にコメントが書き込まれたくらい。
何の情報も来ない。
「水樹、今どんな感じ?」
「むぅ・・・ミクちゃんからの情報がきた」
「なになに?」
水樹の隣に座る。
パソコンのディスプレイを見る。
「・・・モニターの映像はVRから送られた痕跡がある・・・ふむ」
水樹は腕を組んだ。
VRからあんな事できないはず。
現実への干渉は固いガードが張られている。
プロのハッカーがいくらあつまろうが不可能。
人間の仕業じゃない。
「・・・AIなら・・可能かも・・」
水樹は静かに呟いた。
AIか・・・よっぽど優秀なやつじゃないと・・。
AIからなら現実に干渉できる。
メールや情報を送ってくれるから。
けど・・・。
「AIってそういう事はできないように作られてるんじゃないの?」
「うん、そだよ・・・僕もAIをいくつか持ってるけど・・・正規品なら・・できない」
正規品・・・。
AIのメーカーはいくつかある。
市場に出回っているのは正規のAIばかり。
個人で作る事は不可能ではないけどパーツが必要。
バラ売りのパーツは高価だし性能も大した物ではない個人で作る事ができたとしても正規メーカーのAIにはかなり劣る。
水樹はココアを一口飲んでからポンと手を叩いた。
「僕の追ってる一番ヤバい奴はコピー品の規格外のパーツを集めてた・・・」
「関係あるかな?コピー品のイレギュラーなパーツってパワーと性能は凄いけどバランス取るのは不可能だし・・・組み立てるとしてもVR内じゃ場所も限られる・・AIを組み立てるにはかなりの設備が必要だし届け出もいる」
水樹は私をじっと見た。
「でも可能性はあるよ」
「まぁ・・ね」
VRPも完璧じゃない。
網の目を掻い潜って密かに設備を作ってパーツを集めてAIを作っているかも。
水樹はうーんと伸びをした「少し休憩しよ・・」
「うん、そうしよ」
水樹に抱きついた。
やっぱりいいにおい。
「エッチする?」
水樹はやっぱり恥ずかしそうにする。
「だめっ・・疲れちゃう」
「じゃあキスだけ・・」
もう何の抵抗もない。
水樹とのキス。
水樹とイチャイチャしてるのは内緒だけど。
だんだんと過激になる。
「お姉ちゃんのキスってホントにえっちだね・・」
「あは、褒めてくれるの?」「まぁ・・褒めてるわけじゃ・・・」
父さんの前で見せつけてやろうかな。
父さんとは最近顔を会わせてない。
会いたくもないけど。
緊急ニュース。
私と水樹はテレビを見る。VRのサーバーの一部がダウン。
復旧にしばらくかかるとの事。
VRには多少影響がある模様・・・・。
水樹はじっとテレビを見ている。
「あの目玉の仕業?」
「・・・かな?」
VRのサーバーが落ちるなんて滅多にない。
少しずつ・・・侵食されていく。
そんな予感がする。
パトロール中、特に異常はない。
現実では色々起きているが・・・。
「おはよ、アリス」
「あ、ミクちゃん!」
パトロール中は同行してくれるようになった。
可愛い相棒だ。
ミクちゃんは一応銃を携帯している。
M1911のカスタム品。
こんな小柄な子供が撃てるのかは疑問だけど。
私でも45口径はキツい。
一度見せて貰ったが綺麗な刻印が施されている。
「ミクちゃんは何か掴んだ?」
「ううん・・まだ」
手を繋いで歩く。
歳の離れた姉妹に見られるかな。
今日も街は人がいっぱい。NPCは頭の上に製造番号が表示されている。
人間の頭の上には何も表示されない。
簡単に見分けられる。
「アリス、水樹とはどう?」「・・どうって?」
「好きになった?」
「ミクちゃん・・あの」
「私は別に構わないよ。水樹も好きって言ってた」
「むぅ・・・」
私は横取りするような事はあまり好きじゃないのだけれど。
水樹が好きだ。
「むぅ・・好きだよ・・」
「そっか、じゃあライバルだね」
ミクちゃんはニコッと笑った。
敵意はあるのか無いのか。分からない・・・。
パトロール区域は比較的安全地域。
まぁ女だししょうがない。
あの人は・・・。
馬木くん・・・?
「おーい、馬木くん」
振り返った。
けど・・・・。
おかしい・・・。
彼は人間のはず。
なんで・・・。
頭の上に製造番号が表示されてるの?
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