暖かな室内で、お酒が一気に廻り、少し気分が悪くなり、彼の開放を受けな
がら、
何時しかそのベッドの上で、私達は抱き合っておりました。
気がついた時には、全裸となり、彼の下で歓喜の声をあげていたのです。
「志村君・・。」
「沙織と呼んで・・。」
「沙織・・。」
初めて抱かれた彼の肉体は、想像以上に鍛えられた肉体でした。
今までは、服の上からしか見た事の無い身体、その服の下に、こんなにも鍛
えられた肉体が有ったなんて、想像もしない事でした。
「鍛えていらっしゃるのね。驚いちゃったわ。」
私が、正直な感想を述べると、彼の方も、
「沙織君、僕も驚きだよ。君のオッパイがこんなだとは・・。」
「私、服を着ていると意外と小さく見える様ですね。オッパイの大きな女は嫌
い?」
「大好きだよ。」
初めての熱い夜は、一時間ほどで終えましたが、
お酒が招いた過ちは、それで終わる事は有りませんでした。
駐車場の一角にすでに彼の車が止められて有り、予備キーでドアを開け、助
手席に乗り込みます。そうする様にしたのは課長の計らいで、外で立ってい
るのは目立つからでした。
乗り込んで間もなく、彼が乗り込んで来ました。
「さあ、行くか。」
そう言って彼はエンジンをかけ、車を走らせました。
「家の方はいいの?」
「さっき、メールが有って、残業だそうです。」
「そう、忙しそうだね。」
同じ男同志、何か通じるものが有るのだろうか?
「いつもの事ですから・・。」
彼は如何に夫に理解を示しているが、本当の処は如何なんだろうかと思う。
(なんて馬鹿な男だ。残業中に、自分の妻がセックスしていると言うの
に・・。)
そんな気持ちが、課長の心の中に、無いと言い切れるのだろうか?
その夫を裏切っている私が、その彼を責める事が出来るのだろうか?
初めて彼と肌を合わせた夜、家に戻った時、主人は既にベッドに寝ていた。
純白のシーツの上で眠っている主人を見て、胸が痛んだ。
たった今、他の男の抱かれてきた妻の私。
その純白のシーツの上に、同じ様に寝る勇気が何故か出来なかった。
純白のシーツの上に寝る資格が、自分には無い様に思えた。
その晩、一人ソファーベッドで休んだ。
先週からの約束で、今夜彼とセックスする約束をしていた。
この事は、意外かもしれないが、私の方からお願いしたのだ。
主人との夫婦生活は、すでに3ヶ月以上没交渉だ。
その間に、彼との間に、10回以上の交わりが持たれた。
毎週一回は抱かれている計算だ。
「遅くなった時は、なんて言い訳しているの?」
ハンドルを握りながら、彼が踏み込んだ話をして来た。
「何でそんな事聞くの?」
「まさか、僕とセックスして来たとは言わないだろう?」
「言ったら主人、どんな顔するかしら?」
正直言った見たい気もするが、その時、主人は、本当にどんな反応を見せる
だろうか?
身体が吹っ飛んでしまうほど、殴られるだろうか?
それとも、何も言わずに、1人で外へ出て行くだろうか?
妻の裏切りを、どんな形で私に見せてくれるのだろうか?
そんな気持ちは大きかった。
「あえて、波風立たせるのは利口なやりかたとは言えないな。」
「そうよね、確かに自分から買って出る事はないですよね?」
彼が手を伸ばして、私のスカートの中に手を探りいれて来た。
ショーツの上から、敏感な部分へ指が伸びる。
私の顔が、彼の方へ向き、その余韻を味わう様にして淫靡な視線を向けた。
<影法師>
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