綾さんから貰った薬で大分落ち着いた。
あの夢は一体なんだったのかな。
何日か布団から出られなかった。
綾さんがご飯を運んでくれる。
「さ、食べて・・お粥は嫌いかにゃ?」
「いただきます・・美味しそうです」
梅干しと・・・・スクランブルエッグ?
「綾さん・・これスクランブルエッグ?」
「あははっ、いり卵だよ」
「ふぇ・・・」
なんだか美味しそう。
一口食べる。
「美味しい?」
「あ、はい。とっても」
綾さんの目は暖かい。
「綾さん・・あの・・無理矢理迫ってごめんなさい・・いっぱい出しちゃって・・避妊もしないで」
綾さんは微笑んで頭を撫でてくれた。
「いいよ・・男の子はそんなもん。私も・・気持ちよよかったよ」
「綾さん・・・すみません」僕はしゅんとした。 「ま、元気になったらまた相手してあげっから!今は休みな」
「はい・・・」
お粥を食べてまた寝る。
美空は何してるんだろ。
もしかして綾さんとセックスしてるのがバレたとか?なんか気まずいな。
「美月・・・」
襖がゆっくり開いた。
「え?美空・・・制服?」
美空は綺麗に制服を着ていた。
「ど、どう?美月に見てもらいたかった」
「凄く似合う。抱き締めたい・・・」
スカートは短めでニーソックス。
長い銀のツインテール。
なんかジャパニーズアニメのキャラクターみたい。
「んっ・・!抱き締めたいの?・・・」
「うん、凄くキュート・・」美空は近付いてきてギュッとしてくれた。
「好きなだけ抱いていい・・・・早くしてっ!」
「う、うん・・・」
僕もギュッと抱き締めた。いいにおい・・・
数日後に僕も制服を着て学校に向かう。
同じ制服の子たちの目線を感じる。
「美月・・恥ずかしい・・」「僕も・・・」
学校は徒歩で30分くらい。靴を下駄箱に入れる。
とりあえず職員室に向かう・・・
「失礼します・・」
「おっ!こっちこっち」
綾さんがいた。
綾さんは先生もしているらしい・・・
「しばらくお茶飲んで待っててね」
「はい・・・」
長い髪は纏めて眼鏡をかけている。
あんな美人とセックスしたんだ・・・。
思い出したら変な気持ちになった。
チャイムがなって教室に案内される。
クラスがざわつく。
「静かに!転校生がやって参りました。なんと外国からの転校生です!はい、二人とも名前書いて」
僕はチョークを取って悩んだ。
ファースト、ミドル、ラストネーム書くと長すぎる。「美空と美月でいいじゃん・・・」
美空がボソッと呟いた。
僕は黒板に美空、美月と書いた。
綾さんがニコニコしながら見ててくれた。
「はい、美空ちゃんと美月くんです!仲良くしてあげましょう」
拍手が起きる。
恥ずかしいな・・拍手される用な事してないよ。
「じゃ、席は一番後ろの空いてる二つでいいよ」
ちょうど二つ空いてる席に座る。
椅子が固いし机もボロボロ。
カバンを横にかけて美空を見る。
可愛いよなぁ・・制服似合ってる。
「美月?・・・何?」
「ううん、何でもないよ」
授業が始まる。
国語の授業で文法とかだ。もう知ってるしノートに丸写しする。
授業が終わると女の子が話しかけてきた。
「こんにちわ。唐木利奈ですけど覚えてる?」
「あっ!お寺の女の子?」
利奈はニコッと笑った。
「クラス一緒で良かった!仲良くしようね」
「う、うん」
それから段々と人が集まり色々質問された。
美空はむすっとしていた。お昼ご飯の時間になり綾さんに作ってもらった弁当を取り出す。
「おーい、美しい双子よー昼飯食べよ」
雪が走ってやってきた。
美空の顔が明るくなる。
「あの・・私も一緒に食べてもいいかな?」
利奈も弁当を持ってやってきた。
「うん、ぜひ」
僕が微笑むと利奈は顔を赤くしてテーブルをくっ付けた。
雪と美空はスケッチブック開いてこれが似合うだの言いながらご飯を食べている「美空くんってモテるよね?カッコよくて可愛いし・・・」
「うーん、ヨーロッパにいた時は学校行かなかったし・・・どうかな?」
利奈の顔が赤い。
熱でもあるのかな?
「利奈?風邪引いてるの?顔真っ赤だよ」
「へっ?」
僕は利奈の額に手を当てる熱は無いみたい。
「あ、あはは!そうかも!」
何か余計に顔が赤くなった・・・
美空がむっとして僕の足を蹴った。
「いてっ!なんだよ」
「・・・私じゃないもん」
お昼が終わって掃除をしてまた授業。
前の席の子が紙を渡してきた。
「・・・・?」
「黙って開いて・・バレると困る」
何だかヤンチャそうな子。紙を開いた。
【放課後に体育館裏に来い。二人ともだ】
これが日本のイジメってやつ?
放課後に美空と体育館裏に行ってみた。
利奈が一緒に帰ろうと言ったのでついでについてきて貰った。
二人だけど来いとは書いてない。
「おお、来たか・・・ってなんで唐木までいんの!?あんた呼んでないよ」
「いや、なんかついでに来てって言われちゃって・・・」
利奈が頭をポリポリ書いた「まぁ、いい。お前らに話がある。私は吉田瑠美・・この学校の女番長かつボスっぽい存在であり学校のシンボル的存在であり・・」脇にいた仲間がツッコミを入れた。
「長いっつの・・・」
「じ、邪魔すんな!遊は黙ってろ!」
遊は瑠美の隣の席の子だ。僕と美空に近づく。
「お前らは・・・お前らは!!なんて・・」
凄い目で見られる。
でも殺意は無い。
「なんてきゃわいいんだ!!特別に私の部下にしてやる!!」
そう言って僕と美空に抱きついた。
「へ?何?・・瑠美?」
利奈が戸惑っている。
「はぁー何も体育館裏に呼び寄せて言う事じゃないじゃん・・瑠美ってバカだねー」
「バカって言うな、遊!」
遊はあきれたように目をつむる。
「えーと、つまり瑠美は友達になろうって言ってるんだ。バカな子だからごめんね」
「遊!バカって言うな!二回も言うな!」
「僕達はいいよ。嬉しい」
僕は普通に答える。
「えっ、いいの?私みたいな不良の仲間に入ってくれるの?」
瑠美の目はウルウルしている。
「瑠美、泣くなよ・・・」
それから5人で帰る事になった。
こんなにガヤガヤ喋るのは初めて。
周りは田んぼで蛙が鳴いている。
「じゃあね、みんな!美月くん!」
利奈は手をふって帰っていった。
「利奈もきゃわいいよねー」瑠美が呟いた。
確かに可愛い。
「美月くん、惚れさせたね」遊がニヤッと笑った。
「え、僕が?」
「んー・・」
「美空ちゃん何むっつりしてるのー?」
瑠美が美空に抱きついて頭を撫でた。
「してない・・」
美空は僕を軽く睨んだ。
しばらく歩くとようやく商店街。
「よしっ!遊びに行こうぜ!」「瑠美、あんた金ないんでしょ?」
「あー軍資金がない・・遊貸してよ」
「アホには貸さない」
この二人は仲いいみたい。楽しそうに会話するな。
「じゃあまた明日学校でね!バイバーイ!」
瑠美と遊と別れてからぶらぶらと歩く。
「美月・・デレデレしてる」「してないよ!」
美空の機嫌が悪い。
僕は美空の手を握った。
「んっ!急に握らないで・・びっくりする」
「美空、帰ろう!」
「うん・・・」
二人で手を繋いで帰る。
綾さんはまだ帰ってきていない。
大福は外でゴロゴロしていた。
居間に座ってテレビを付ける。
「美月・・・キスしたい」
「ふぇ!?いきなり?」
「いいから!・・・私を不安にさせた罰・・」
「不安・・・?わ、分かったよ」
美空に近寄ってキスをした「んっ・・・んん」
段々と舌が絡まる。
唾液が混ざる。
「んっ・・はあっ」
「美空・・可愛い」
美空のツインテールを撫でた。
僕の妹は天使みたいだ。
天使とエッチなキスをする・・イケナイ事してる。
そういえば綾さんに首筋が弱いって言われたけど美空も弱いのかな?
カプッとあま噛みする。
「ああんっ!やぁっ!!」
「美空、気持ちいい?」
美空はそっぽを向いて台所に行ってしまった。
また美空の弱点発見した。しばらくして綾さんが帰ってきた。
「お帰りなさい」 「いやー残業しちゃった。遅れてごめんね」
綾さんは座ってからお惣菜を広げる。
「久しぶりにお惣菜買っちゃった」
ハンバーグとかコロッケ。久しぶりの洋食。
美空はハンバーグが好きだったので味にはうるさい。「なに・・これ・・」
美空はハンバーグを一口かじって呟く。
「ありゃー美空ちゃん気に入らない?」
「ううん・・こんなに美味しいの食べた事ない・・凄い・・」 綾さんはニコニコ笑った。僕は好き嫌い無いけど美空は料理にうるさい。
喋らないから分かんないだけ。
「さて、君たちに一つ課題を与えます」
僕達はキョトンとして綾さんを見つめる。
「コホン・・課題・・それは・・・」
くわっと目を見開いた。
「新たなる格闘技の開発!」僕と美空は目が点になった
※元投稿はこちら >>