春の陽気。
温かくなってきた。
僕は美空と一緒に庭に花を植えた。
「綺麗・・・大福、食べちゃダメ!」
「犬は花なんか食べないよ」僕は大福を見つめる。
目を見る。
食べたいって思ってる。
僕は大福の顔をムギュッとした。 「大福!だめっ!」
大福は諦めたようだ。
「おーい、オヤツtimeカモーン!」
「はーい!」
綾はケーキを5つ用意したテーブルに並べる。
「おーい、ベルくんとランちゃんもおいで!」
ベルとランスは料理の議論の真っ最中だ。
ベルが怒りながら座った。「ベル?どうしたの?」
ベルがランスを指差す。
「カレーにバナナを入れたいとか言い出すベジタリアンはどう思う?おかしいだろ?フルーツカレーだと?なんだそれは?」
ランスも反論する。
「ベルは凝り固まりすぎです!新しい発想が必要なんです!」
「うっさい、邪道はきらいだ!」
「い、意地っ張りですね!」何だかんだで仲はいい。
ケンカは絶えないけど。
5人でケーキを食べる。
テレビはアメリカの大統領選挙の結果発表が移ってる「結果は大差です!アメリカ初の女性大統領の誕生です!歴史的な快挙です!素晴らしいです!」
リポーターは興奮ぎみ。
「アメリカ初の女性大統領、メリス大統領です!!」
パチパチと拍手が起きている。
僕はチャンネルを変えた。大統領選挙に興味ない。
「おーい!みー!」
「わっ、遊!みんな!」
遊と利奈と留美と将パパ。みんな来てくれた。
「綾!稽古だ!」
「あいよっ!お願いします」庭でバシバシ稽古が始まるケーキはまだあったのでみんなの分を切る。
みんなで縁側に座り。
「ほっ、やあっ!てぇーい」綾はまた一段と強くなっただけどやっぱり将パパには勝てない。
「弱い!弱いぞ!綾!」
「う、うにゃーん」
「お、おのれ・・弱点を見抜きおったか」
「おっ!猫がじゃくてんにゃ?にゃんにゃん!」
将パパは固まった。
利奈は不機嫌そう。
「お父さん・・変態」
「猫くらい、いいじゃん」
「いや・・美月くんには分からないよ。お父さんは変態なんだよ!」
「利奈!変態なんて言うな!凄く傷付く!」
遊と留美は楽しそうに会話している。
付き合えばいいのにな。
遊はちょっとこちらを向いてニヤッと笑った。
なに?どうゆう意味?
美空はまだケーキを食べたそうだ。
「僕のケーキあげる」
「んっ・・いい」
「いいから!はい!」
ケーキをお皿にのせる。
「半分でいい・・」
「わがまま・・」
フォークで半分に割ろうとした。
美空が僕の手を握って二人で割った。
「・・・ケーキ・・入刀・・パンパカパーン・・・つっ!」
バシッと僕の頭を叩いた。「痛いな・・」
美空は顔を真っ赤にしている。
「美空・・ほっぺにクリームついてるぞ」
僕は軽く舐めとる。
「ひっ!ばかばかっ!」
美空はもっと赤くなった。僕はやっと周りの視線に気付いた。
「熱いねぇーラブラブ!」
みんな笑った。
僕と美空は一緒に照れた。みんな笑顔でいてくれた。盲目って楽しいな。
夜・・・。
獲物を追うようにビルの合間を飛び越える。
目標は逃げる。
屋上から屋上へ飛び移る。僕達は余裕で追い付く。
目標は広場に逃げ込む。
においで分かる。
待ち伏せだって。
広場に行くと案の定10人ほどいた。
全員ナイフ。
目標はこう言った。
「お前達はなんなんだ!化け物か?」
僕達はこう答えた。
「銀兎と羅紗・・悪魔だよ」銀兎と羅紗は背中合わせ。左手は繋いだまま。
右手にはリニアナイフ。
「いくよ!」
「うん!」
口元のマスクが閉じる。
二人で立ち向かう。
あっという間に片付ける。銀のツインテールが風でなびく。
銀の短い髪が少し揺れる。月と空が後ろにある。
これでいい。
これがいい。
これが正解。
二面性を持って生きる。
衝動を抑えて悪を切る。 間違ってない。
「美空・・・」
「美月・・・」
死体の上でキスをした。
悪魔だから普通。
幸せ・・・とっても幸せ。
【happy end・・・】
※元投稿はこちら >>