大晦日。
あと一時間で2010年。
4人で炬燵を囲む。
「ワクワクする!」
2010年・・21世紀になって10年たった。
何か凄い事が起こりそうな年だ。
ベルと綾が作った料理を食べる。
物凄いごちそう。
洋食はフライドチキン、フライドポテト、チーズフォンデュ、パイシチュー。
和食は卵焼き、筑前煮、刺身、押し寿司、蜆汁。
そしてチョコレートケーキ、チーズケーキ!!
テレビを見ながら食べる。「ウマイウマイ!!」
美空も隣でモグモグ食べるその様子を見て綾は笑う。チャイムがなる。
利奈だ。
将パパは初詣の準備で忙しい。
利奈は手伝うと言ったが遊んで来いと言われたらしい「おじゃましまーす、わぁ!凄いごちそう!」
利奈も僕の隣に座る。
美空と利奈に挟まれる。
一時間なんてあっという間・・あと10分。
「詞葉ちゃんが急に引っ越しちゃったんだよね・・・お別れの挨拶言えなかったよ・・・」
「そうなんだ・・知らなかったや・・」
急だな・・引っ越すなんて・・・。
あと一分!!
みんなで時計を見つめる。カチッカチッ。
「2010年おめでとう!!」
みんなではしゃいだ。
「美月・・ちょっと来て」
「うん?なに?」
「いいから来て・・」
「う、うん」
玄関を出る。
雪がチラチラ降っている。美空のついて行く。
「寒いから手繋ご!」
「・・・うんっ」
僕は美空の手を握る。
手袋をはめて暖かい。
それ以上に美空の手だから暖かい。
「美空・・どこに行くの?」「ついて来れば分かるよ」
サクサクと雪を踏む音。
白い息は吐いてすぐに消える。
公園についた。
「・・・何で公園?」
「分かんない・・自分でも・・美月と二人きりになりたくて・・」
「そっか・・・」
美空は僕を見つめる。
顔はほんのり赤い。
「新年初めての・・・キスして」
「それがしたくてここまで?・・・可愛いなぁ」
「はやくっ・・お願い」
「うん・・いいよ」
ゆっくり優しく口づけをした。
軽く触れるだけ。
報われない恋だよね。
でも好きなんだもん。
好きで好きで・・・。
愛してるから・・・。
だから・・・禁忌だとしても。
愛してる。
※元投稿はこちら >>