その日の夜に美空と一緒に綾のベッドで寝たのは幽霊が怖いからとかそうゆう感情的な事ではなく。
本当に違いますからね。
幽霊の正体はいまだに解明されていない。
幽霊、ゴースト・・呼び方は様々。
とりあえず三人でくっついて寝る。
「美月はとりあえず幽霊が怖いと言う事ね。そうね?美空?」
「うん、間違いない」
「違います、怖くないです、絶対に違います!」
まぁ怖いよね。
攻撃出来ないって事は。
「幽霊は理科室とか体育館倉庫とか職員室とか教室とかに出る・・綾は何か他に知らない?」
綾は少し黙った。
「最近からじゃないしね・・・だんだん悪化してるの・・最初は物音とかだったんだけど。女の幽霊が出るのは最近からかな」
「ふーん、美空はどう思う?」
あのにおいは・・何だか不安になるにおい。
美空はベッド脇のスタンドライトで本を読んでいる。「私は幽霊はいると思う・・科学的にね」
現在解明されてないし。
「人の恐怖心が生み出す幻想・・もしかしたら人間の防衛本能の一種かも。その場に恐怖を感じると・・脳は危険と察知して恐ろしい幻想が見えてしまいとその場から逃げる。結果、危険から逃げる事になるから」
そんなのあるのかな?
「でも僕も綾も遊も聞いたし・・すすり泣く声」
僕の体はブルッと震えた。やっぱ怖い。
「電磁波とか、においとか・・電磁波は微妙だけど。幽霊の出る場所には何かあってそれの影響で同じ物を感じる・・人間なんてまだまだ解明されてない所がいっぱいだし何でどう動くか分からない」
確かに・・・。
「でもそれじゃあ誰かが実験している可能性もありえる?」
美空は軽く伸びて本を閉じた。
「ありえる。でも田舎の学校にそんな先生いるかな・・・?」
いないと思う。
こんな田舎の中学校でそんな実験・・・。
「いる!」
「わぁっ!」
綾が急に叫んだ。
「え、え?幽霊がいるの?」僕は美空に抱きつく。
「いやいや・・あのね。警備員のおじさん」
「警備員の?」
誰だっけ・・・前の学校の事件の時は警備員なんていなかったけど。
「あの人・・海外の有名な大学卒業してて、かなり頭がいい。そんでかなりの幽霊オタク・・・でいっつも学校に泊まり込みで警備してる。学校にいる時間が一番多い人・・自宅から何か持ち込んでやらかしてるかも。自分の事あんまり喋らないし」
僕は確信した。 「あやしい・・美空!明日から調査だ!」
「なんで美月はそんなに幽霊否定したがるのよ」
「嫌いだから!」
翌日の放課後。
暗くなってから学校に忍び込む。
警報はあるけどちょろい。暗視機能をオンにする。
僕の嗅覚もだいぶ鋭くなった。
学校全体に誰がどこにいるか分かる。
羅紗のスーツを着ているとすこし安心する。
学校内には警備員と僕と美空だけ。
分かっていてもやっぱり不気味。
教室を調べてまわる。
コンセントに盗撮カメラがあった。
これはこれで危険だ。
だれか着替えでも盗撮してるんだろう。
美空は機械で何か無いか調べている。
「反応なし・・羅紗、理科室に行ってみる?」
「いや、僕は警備員を調べるから」
美空はすこしもモジモジしている。
銀兎の格好でモジモジしてるのは初めて見た。
「その・・怖いとかじゃないけど・・羅紗が心配だから一緒に・・・」
「銀兎・・怖いの?」
「早く来い!」
「は、はい・・」 やっぱし双子だ。
怖い物まで同じ。
理科室についた。
誰もいない。
やっぱり嫌なにおい。
薬品のせいかな・・・。
あらかた調べるが何もない・・・。
「警備員が来るね・・・」
「うん・・」
理科室に向かってくる。
僕と美空は物陰に隠れた。足音が近づく。
武器はリニアナイフのみ。
警備員が理科室に入ってきた。
ロッカーに近づく。
何かしている。
ロッカーを開けて。
中に入った。
「・・・?」
出てこない。
【美空・・・】
【分かってる・・】
ロッカーに近づく。
リニアナイフを構える。
さっと、開けた。
「・・・!?」
「いない・・?」
においはまだ反応している・・どこに行った?
一体・・・・何なんだ。
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