留美をなんとかなだめた。家まで送る。
「ごめんね・・・私はあきらめるよ。洋介を・・」
「いいの?」
「うん・・・」
嘘だ・・分かる。
「じゃあね・・・」
留美は家に入ろうとした。「留美!」
「遊!?」
遊が走ってこちらに向かってくる。
留美に近づく。
「な、何よ・・・」
遊は留美を抱き締めた。
「ちょっ!」
「あきらめるなよ・・・俺は・・・・」
「遊・・・?」
「俺は・・お前の幼馴染みだ・・なんでも言え」
僕たちは遊の気持ちが分かった。
留美の気持ちも。
「ははっ・・遊・・ありがと・・・」
「おう・・・」
僕と美空は様子を見ている「じゃあな・・・元気だせよ・・」
「遊に励まされるほど私は弱くねーよ!」
留美はもう元気になった。留美は手を振って送ってくれた。
遊と三人で帰る。
「遊・・言わなくていいの?好きって・・」
「言わないよ・・好きだからな・・好きだから距離を置いてる・・振り向かないのは分かってるし」
「でも遊は・・・」
遊は微笑んだ。
「留美は俺を好きにならない・・これは間違いない。留美はずっと仲のいい幼馴染みいたいと思ってる・・だから好きにはならない」遊はずっとそんな気持ちだったんだ。
苦しいだろうな。
「俺は誰より留美の事を分かってるそれでいい。それに付き合ったら今みたいに冗談言えなくなるからな」なんだか切ないな。
「じゃあな、俺は帰って寝るよ」
「あ、うん!またね!」
遊は走って帰って行った。公園の近くまで来た。
誰もいない。
何となくベンチに座る。
「私たちはまだ幸せだね」
「だね・・・」
遊と留美はずっとこのまま・・・留美の気持ちを読んでそう思った。
雪がちらちら降る。
「ここで・・銀兎と初めて話した・・」
「そうだったね・・」
僕は美空の脚にジャケットをかけてあげる。
今日もミニスカートだし寒いだろう。
「ありがと・・」
「いい加減ミニスカートやめろよ・・風邪引くぞ」
「やだ・・・美月がやらしー目で見てくれなくなる」なんでか本音だ。
「美空も変態じゃん」
「美月に見て欲しいから・・どんな気持ちでも」
「そんな必死にならなくてもいっつも見てるよ」
「じゃあミニスカートやめる!」
「いや・・やめないで・・可愛いしエロイから」
「・・・美月のばか・・」
寒いけど二人きり。
だからキスした。
「ふっ、んんっ・・」
「はっ・・あっ・・」
スカートの中に手を入れてパンツをいじる。
「ここで・・する?」
「いや・・寒い・・」
「じゃあ帰ってから・・」
「いや・・」
何なんだよ。
意地っ張りめ・・。
「あ・・二人で・・何して・・・るの?」
「・・・・え?」
利奈が立っていた。
全く気付かなかった。
においも気配も・・
キスしてたせい?
「外国育ちだから・・兄妹でも・・キスするの?」
「利奈・・・」
利奈は美空を睨んだ。
「私の美月くん・・・」
「利奈・・聞いて」
今度は僕を睨んだ。
嫉妬と憎しみ・・・軽蔑の目で。
「美月くんとキスできるのは・・私だけだと・・」
「利奈、僕はね」
【言っちゃだめ】
美空がテレパシーを使う。【嘘ついて・・利奈を好きって言って】
僕は利奈を見つめる。
「利奈、僕は・・美空が好き・・・」
今の僕は最低最悪の人間だ人殺しより悪い事してる気分。
「・・・・・」
「勝手でごめん・・でもずっと否定してたんだ。美空を好きって事」
「・・・・・」
「でもやっと素直になって・・・だからね」
利奈は僕を見つめ返す。
「なんとなく分かってた」
「へ?」
「美月くんは美空ちゃんを愛してるって・・・」
利奈も心が読めるのかな?そんなはずない。
「美月くんはいっつも美空ちゃんの事考えてる。けど私の事も大事にしてくれた・・・だからいいよ。もう・・・」
「利奈・・僕を恨んでいい・・僕の事許さなくていい・・」
「許さないよ・・だから、美空ちゃんをもっともっと大切にしてあげて」
利奈は美空に近づいた。
普通なら掴み合いになりそうだけど。
「私、美空ちゃんの方が好きになったもん!美月くんより美空ちゃんの方が・・・・」
嘘だ・・分かる。
「利奈・・ごめん」
美空も抱き締めた。
「別にいいよ・・大分前から諦めてたもん。美月くんの事・・・」
利奈は泣いてない。
もう心は変わっている。
「どっちにしろ・・私、結婚するつもりないし処女も捨てる気はない。りっぱな巫女さんになるって決めたから・・・」
利奈はまた僕を睨んだ。
「最後にキスして!もう諦める。私は二人の友達・・」僕は利奈を抱き締めてキスをした。
申し訳ない気持ちでいっぱい。
唇を離す。
利奈は少し離れて手を差し出す。
「今日から親友!」
「うん・・」
握手をしてまた抱き寄せた「利奈・・一発・・いや何発でも殴って!僕はホントに最低だ」
「いいよ・・私は巫女だから・・殴らない」
「・・・ごめん」
利奈は離れた。
「でも公園でキスするのは良くない。近親相姦って軽蔑されるよ!」
「あ、うん・・そうだよね」利奈は背を向けた。
「でも何となく・・分かる、お母さんがそうだったから・・近親相姦してた」
「えっ?」
利奈はそれ以上何も言わない。
雪が降り積もる。
「ねぇ、今から遊びに行ってもいい?」
「夜遅いけど大丈夫?」
「うん、お腹空いちゃった・・・」
遅かれ早かれ美空への想いは周りにバレる。
隠せない。
本当に好きな人だから。
でも利奈を傷付けてしまった。
自分で自分をぶん殴った。
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