僕の嗅覚レベルは少し低め美空によるとだんだん広がるらしい。
美空は匂いで形と場所も分かる・・感情も殺気も全て「警備がいない・・・」
美空の嗅覚は犬以上らしい、これもまた銀狼計画のせいだろう。
屋敷の周辺に近づく。
屋敷というより洋館?
正面には警備が10人ほど。M4A1やM733。
一昔前の銃だ。
戦争で使用済みを廃墟処理される前に買い取った物だろう。
安くすんで性能もそこそこ退路を確保しつつ安全そうな場所を見つける。
屋敷の南東にあるくぼんだ所。
ここなら良さそう。
「目標が車でここで待機しよう」
もう夜中だ。
明かりを点けずに暗視スコープで屋敷を見張る。
「私がやるから二人は寝てなさい」
「後で交代するね」
「ありがとう・・羅沙」
迷彩布にくるまって美空と引っ付く。
ヘルメットは口元を開閉しておく。
暖かい・・・・
美空がカバンかチョコバーを取り出した。
「ママ、はい」
綾は軽くキャッチする。
「銀兎、サンキュ」
こう寒いと甘い物が必要になってくる。
「羅沙も・・・」
「うん、ありがと」
ナッツ入りで香ばしい。
口の周りにチョコがつく。「羅沙・・汚い」
「ふぇ?」
美空が口の周りを舐めてくれた。
いやらしい気持ちなる。
「・・・美空・・」
「なによ・・銀兎って呼んで・・・っ!!」
引き寄せてキスをする。
「んっ!!!」
美空は抵抗するが舌を入れると大人しくなった。
「っ・・・んっ・・」
「はあっ・・んんっ」
そういえば美空とキスするのは久しぶり。
もっと可愛がってあげよう甘えさせて・・・。
「いい・・甘えないもん」
「早く・・甘えなよ」
また心を読んで遠慮する。僕はまた唇を重ねる。
綾はたぶん気付いてる。
美空のスーツを脱がすかな・・いや、たぶん殴られるからよそう。
「ふっ・・んっ・・しつこい・・ばかぁ・・」
「じゃあやめてあげる」
美空はヘルメットを被って表情は分からないが心は・・・・
「もっと・・いっぱいしていいよ・・羅沙の・・美月のセクハラに耐える訓練だからね、勘違い・・んっ」
照れ隠しもまた可愛い。
交代の事も忘れてキスし続けた。
いつの間に寝てしまった。「あ、あゃ・・綾、ごめん・・その・・」
「いいよ、目標くるまでキスしてて」
少し怒ってる。
「変わるよ、綾も休んでて」「いいよ・・キスしてあげなさい」
「綾・・怒ってる?」
「ええ・・・」
「ごめん、綾が偵察してるのに僕達は・・・」
「ああ、その事じゃない」
「えっ?・・・」
綾はスコープから目を離さない。
綾が舌打ちして呟く 「増田・・なんでいるんだ?・・・」
僕はヘルメットのズーム機能を使う。
あれは国会議員の・・。
車椅子で屋敷に入る。
車椅子を押している男はかなりのマッチョ。
銀髪で皮のジャケット。
大きなボストンバックを持っている。 「情報には無かった・・・」美空が腕を組んで考え込んでいる。
僕は綾に変わって監視を続ける。
昼になった。
綾と美空が話している。
「私のミス・・ごめんなさい」
「いいのよ、銀兎」
綾が銀兎を抱き締めた。
髪に触れるが感電はしない一応コントロールできる。「逆に着てくれて好都合・・やっと殺せる」
午後12時。
目標が車をおりてやってきた。
老人だな・・・。
綾はベレッタPx4のスライドを引いた。
Px4はフレームが青と紫の迷彩で塗装されている。
スライドは黒。
短めのサイレンサーがついている。
「そろそろ行こう」
Hk416を構える。
「私は裏から行くから、銀兎と羅沙は正面から侵入」綾はSCARにサイレンサーを取り付けている。
「綾は一人で大丈夫?」
「一人で行く方がいいわ。ランボーじゃないけどね・・・・そうだ、私の事は黒猫って呼んで」
綾はウィンクをして裏の方にまわった行った。
二人で正面に向かう。
軍の基地じゃないから正面突破なんてなんのこっちゃない。
警備は5人になった。
暗闇に隠れて近づく。
ナイフで片付けようとした・・・・
ボーン。
爆発音!?
屋敷の方から聞こえた。
僕はまたすぐに身を隠す。【銀兎・・】
【しばらく待って、黒猫には無線で知らせた】
警備はすぐに屋敷に向かうシュバァーーーン。
凄まじい音。
MG3かMG42・・・。
屋敷に備え付けてあるやつ?偵察では見えなかった。正面から増田が出てきた。かなり同様している。
警備は増田を車にのせて逃げた。
【あれは目標じゃない・・しかたないけど逃がす】
【了解・・・】
増田の護衛はマッチョな男だけだった・・・
おかしいと思ったが。
正面に警備はいなくなった綾と同時に屋敷に潜入する凄まじい血のにおい。
死体・・いや・・人間の跡形もないただの肉片がころがっている。
【銀兎・・】
【目標の所に行ってみよう・・・】
焦げ臭い。
屋敷の中庭で綾と合流する目標の部屋扉は開いている【行くよ・・】
三人で突入する。
目標は・・・いない。
血と硝煙のにおい。
広い部屋に長いテーブル。死体は無いのか?
部屋を捜索したがいない。【来る・・・!隠れて】
隣の部屋に移動する。
全員黙る。
扉の間からミニカメラ覗かせる。
【銀兎、血と硝煙のにおいしかしなかったけど】
【そう・・それであってる・・体に染み付いてる】
【・・・?】
扉から男が入ってきた。
ドラムマガジンのAA12を構えている。
近距離だと勝ち目がない。背中にはMG3とボストンバック・・何て怪力だ。
部屋を捜索している。
こちらに近づいてくる。
Hk416を構える。
男は立ち止まる。
「すまないが出てきてくれ・・・」
バレている?
AA12を床に置いて手を上げた。
「何もしない」
僕は素早く扉を開けてAA12を確保。
美空と綾は男に銃を向ける「すまんが話している暇がない。こちらにアパッチが向かっている」
「どうゆう事?」
美空が詰め寄る。
「カロンに騙された」
男の目は裏切りされた事への怒りで満ちている。
「あなたは?増田だけなぜ逃げた?」
「アイツは俺を捨てた・・名前は・・・」
ヘリの音。
音は窓の方を睨む。
「来たな・・悪いがまかせてくれないか?」
こいつは嘘をついてない・・・僕らを殺す気は微塵もない。
ただ主だった男への怒りのみ。
「任せる・・ただしアパッチだけじゃない」
銀兎はHk416を構えたまま。男は不思議そうな顔。
「輸送ヘリが4機・・・兵士40人もオマケで来てる」
男はAA12を拾って窓から様子を見た。
「どうやら・・俺の仲間のようだな・・」
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