飛んだり跳ねたり回し蹴りをしたり。
大丈夫だ、完全に治った。「ほっ、ほっ、やぁっ!」
動きもいい感じ。
「調子戻ったみたいだね」
「あ、美空!おはよ」
「おはよ。朝ごはん持ってきた」
ベーグルとチーズオムレツ・・・それとケーキ。
「もぐもぐもぐ」
「食欲も旺盛・・任務できそう?」
「もぐもぐもぐ、うん!もぐもぐもぐ・・」
「食べてから喋ってよ」
完食してから資料を見る。麻薬組織リーダー。
日本人・・・。
「名前はカロン。あだ名ね・・・・」
資金洗浄された金を受けとる時を狙う。
明日の深夜2時。
「分かった・・もちろんお金は・・・」
「貰う。私達の資金にする・・・綺麗事言ってられない」
お金は有り余るほどある。けれども貰う。
それは犯罪だけど。
どうせ堕ならとことん。
僕達の思うようにやる。
「今回はHk416とリニアナイフだけでいい。なるべく軽装で行きたいし」
「うん・・・」
拳銃だけで潜入とかは無理・・映画なら大丈夫だろうけど。
警察の車載ライフルもHk416、マガジンを奪って使えるから弾薬に困らない。
警察のはセミオートのみ。装備をバックにつめる。
一度使った物は必ず掃除する。
綾が言ってた。
銃対する愛情表現。
「美月、アタッチメントは好きなのつけていいよ」
「ほぇ、分かった」
今回はそれほど広い場所ではない。
「どうしよっかな・・」
こうゆう時ってすっごくワクワクする。
「るんるん・・うーん・・ホロサイト552・・トリジコンACOG・・・」
取引場所は山奥の屋敷。
別に何つけても扱えるけど・・・・
ん?綾が来る。
とりあえずACOGをつけて美空の所へ戻る。
やっぱり綾が来ていた。
においで分かる。
「二人に渡したい物があるの・・・」
ガンケースを差し出される「さ、開けて!」
綾は嬉しそうだ。
「これ・・・!」
拳銃が二丁。
綺麗な装飾が施されたM1911・・・どちらも同じ形。ズシリと重い。
スラッとしたフォルム。
銀と黒のバランスがいい。「今日は誕生日でしょ?」
「あ・・・」
僕達はよく忘れる。
誕生日なんて別にどうでもいいと思ってた。
M1911は美術品に近い。
美空は軽くスライドを動かす。
「最近の銃よかセクシーでしょ?」
「うん、綺麗!」
木製グリップも綺麗だ。
「ママ、これ・・新品?」
「うん、でも慣らしはしてあるから」
銃を調整する。
射撃場でHk416のサイトをあわせて微調整。
M1911も撃ってみる。
パンッ、パンッ。
45口径は結構な反動。
アイアンサイトを少し調整・・50メートルでも結構まとまる。
大分金がかかってる。
サイレンサーも取り付けられる。
取り付けて撃ってみる。
パシッ、パシッ、パシッ。アイアンサイトは大型でサイレンサーをつけてもしっかり狙える。
パシッ。
弾が切れてマガジンを変えてスライドストップを下ろす。
カシャッ。
何度か撃ってみる。
手に馴染ませる。
調整が終わりホルスターに納める。
カバンにHk416をつめる。綾が銃持っている。
「えっ、綾も行くの?」
「うん・・・」
「もう殺しはしないんじゃないの?」
「私は母親・・貴方達と一緒に生きる」
目で分かった・・もう決心している。
「それに貴方はまだまだ経験不足よ。私が教えてあげる」
「あ・・・うん」
今の凄く色っぽい。
美空も銃の調整を終えてカバンにつめている。
綾はFN-SCAR L ACOGとフォアグリップ。
「私も少し調整してくる」
綾が射撃場に向かう。
「美月・・・」
「綾は・・お母さんは・・・本気なんだね」
「うん・・・」
「僕達のせい・・かな?」
「ママも血に飢えてきているよ・・・殺し屋としてのね・・・」
やはり僕達は・・・
美空がぎゅっと手を握る。「言わなで・・思わないで・・・しかたない」
「うん・・・・」
運び屋のおじさんが迎えにきた。
「おっ!綾っちも一緒かい?久しぶりの仕事大丈夫?」綾の目はいつもと違う。
完全に別人。
「全く不安じゃない」
「そうか・・・」
綾は自信満々だ。
車に乗ってV22の所へ。
かなりキツキツだけど入る・・ミニクーパー様様だ。移動には5時間ほど。
夕方には到着して山奥に向かう。
屋敷の周囲5キロは警備されている。
廃屋で装備を整える。
明日の深夜までに屋敷周囲の警備を片付ける。
ライフル類にはサイレンサーを付けておく。
綾はもう完全に別人。
髪をまてめている。
格闘なら勝てるけど射撃は到底およばない。
「二人とも準備はいい?」
「はい・・」
カバンは小屋に隠しておく念のためにトラップも仕掛ける。
小屋から移動して森に入る今回は普通に迷彩服でいいんじゃないと言ったけど・・・・拘りだそうです。
黒だと目立つのでウッドランドの布を肩に装着。
フード付きで伏せればかなり分かりにくい。
だいぶ寒いので毛布かわりにもなる。
暗くなり視界をサーモに切り替える。
まだ警備は見えない。
赤外線は遠くは視認しにくいが夜なら問題ない。
「静かね・・・」
綾がボソッと呟く。
本当に静かだ。
地図は丸暗記した。
屋敷まであと4キロ。
※元投稿はこちら >>