車で山奥に向かう。
「あの?こっち山奥ですけど・・・」
「ま、いいから待ってな」
「ほぇ・・はい」
どんどん進んで開けた所に出る・・・
V-22!?
ヘリコプターと飛行機のミックスのような機体。
車を突っ込む。
小さいミニクーパーだからギリギリ入った。
車輪止めを付けてハッチを閉めた。
「あわわ・・本物だ・・」
「俺の自慢の一品よ!」
男は操縦席に向かう。
もう一人いる。
プロペラが回りはじめる。「凄い・・凄い!」
飛んだ・・・!!
噂に聞いていたけど凄いカッコイイ!!
「おい、坊や。今のうちに寝とけ」
「あ、はい!」
車に戻って美空に寄り添う「すー・・すー・・」
可愛いな・・・
ちょっとお腹空いてきた。カバンから綾のお弁当を取り出す。
二人分ある。
ふりかけで美月と書いてある。
「ふふっ・・食べよう」
「私も・・・食べる・・」
「美空、起きた?」
「うん・・おなかへった」
美空の分も渡す。
美味しい・・ママの味だ。「美月・・ウインナーとハンバーグ交換して」
「あ、うんっ」
食べてから眠くなった。
「ねぇ・・美空・・V22に乗ってるんだよ・・」
「え?未亡人製造機!?」
美空は急に抱きついてきた「怖がんなよ・・」
「うう・・・」
毛布をもらってくるまった・・・暖かかった。
だいぶ経ったようだ。
車が走っている。
「あ・・・もう長崎?」
「目覚めたか?もうすぐ港に着くからな」
早いな・・・。
寂れた港だ。
廃ビルがいくつもある。
「狙撃するなら場所を決めた方がいいな。俺は運び屋のおっさんだからこき使ってくれてかまわんぞ」
「あ、はい!ありがとうございますっ」
美空はまた寝ている。
港の周辺はいりくんでいて迷路みたいだ。
美空を車に残して一人で調べる。
取引場所は港の東の緑コンテナの近く。
ここからだと0.6キロくらい・・。
狙撃は得意だしここからでも大丈夫だろう。
明後日の天気は曇り。
湿度に注意しなきゃ。
8階立てで退路も確保。
トラップも仕掛ける。
「あの・・荷物お願いします・・・」
「おうっ!まかせな!」
M82を持ってもらう。
僕はHk416と装備。
8階まで階段で上がっても息が切れない。
こんな華奢なのに。
「任務が終わったら連絡してくれ。すぐに迎えに行くぜ」
「はい!お願いします」
「しっかりな!」
車は行ってしまった。
美空はやっと起きた。
「美空?大丈夫?」
「うん・・大丈夫・・」
8階に戻って装備を着る。明後日までここで待つ。
ヘルメットだけは被らない美月と羅紗の中途半端な状態。
少し寒い・・・毛布は・・「・・・ほら」
美空が毛布をかけてくれた「美空も入って」
「う・・んっ」
二人でくるまる。
もう深夜。
夜空は星だらけ。
「美空・・・」
「うん?」
「二人だからね・・美空だけにしないから。僕も一緒にいる」
「・・・・うん」
翌日は特に動きなし。
食料はあまり持ってきてない。
別にそんなに過酷じゃないし荷物もかさばる。
美空はHk416にオプションパーツを付けて構えている僕はスコープを覗いてイメージトレーニングする。
マガジンと弾はビニール袋に入れておく。
しばらく動きはない。
夜になり交代で仮眠を取った。
いよいよだ。
M82にマガジンを入れておく。
1日中スコープを覗いていられるように訓練された。段々日が沈む。
もうすぐだ・・殺せる。
やっとだ。
暗くなってきた。
ここから撃ったらすぐにバレるだろう。
ボルトを引いていつでも撃てるようにする。
コンテナの周りに車が集まってきた。
割りと警備は薄いな。
MP5しか持ってない。
ピカッと斜め前のビルで何か光った。
「美空・・あれは?」
「・・一人でできる?狙撃」「当たり前・・」
美空はヘルメットを被ってHk416を構えた。
予備マガジンは8本ある。スカートの所にマガジンポーチが付いている。
「いってくる。何かあったら知らせて」
「了解・・・」
HK416は一番バレルが短いタイプでダットサイトとサイレンサーとレーザーモジュールが付いている。
スコープを覗く。
まだ目標は来ない。
しばらく待つ。
美空とはテレパシーで会話できる。
ヘルメットに無線機能はあるが・・・
まだかな・・早く殺したいよ・・・。
「・・・・?」
何か・・変な匂いが。
ギラギラした獣のような危険な匂い。
僕はリニアナイフを抜いて傍らに置く。
美空にテレパシーで連絡する。
【美空?異常は?】
【ない。まだ調べとく】
【了解】
なんだったんだれ。
こちらに光るような物はない。
ヘルメットはすぐそばに置いておく。
いま顔をさらしている状態・・危険だ。
何か匂いが凄い。
近くなる・・・どんどん・・すぐそこまで。
足音!?
さっとリニアナイフを掴んだ・・・いや・・吹っ飛んだ。
壁に叩きつけられる。
「ぐっ!あっ・・」
凄まじい力。
「はろぉーお・・・」
目の前に女がいた。
銀の長い髪。
スラッとした長身の女。
美人・・褒めてる場合じゃない!!
もう一本のナイフを抜こうとした。
「おっと!そこまで」
女は槍を持っている。
首に刃が突き立てられる。今首は無防備。
「入ってこい。問題ない」
兵士が二人入ってきた。
いかにも特殊部隊員。
顔は見えない。
「へー。可愛い・・・」
僕は何もできない。
女は顔を近づける。
やっぱり美人だ。
ロシア人か?
「ははっ、いじめちゃお」
「・・・!?」
首を捕まれてぶん投げられる。
凄い力・・・・
「ぐはっ!」
女が僕の上に股がる。
「ははははっ・・・あはっ・・・はははははははっ!!!!あははははっ!」
「誰なの?」
顔をぶん殴られる。
「つっ!あっ!!」
「あはっ!可愛い可愛い!」
起こされてお腹にパンチされる。
何度も何度も。
「・・・・っつ!」
床に手をついた。
腹を蹴りあげられる。
「ぐっ!!・・」
吐いてしまった。
髪を掴まれて壁に擦り付けられて背中を殴られる。
「あっ!いたぃ!やめて!」
「ははっ!ははっ!君可愛い!面白い!」
ボディーアーマー着ていても痛い物はいたい。
「おい!ランス!殺す命令じゃないぞ」
ランス?女の名前。
痛い、痛い痛い・・。
「私は隊長。殺さないよ。」床に倒れる。
凄い力で殴られた。
あんなスラッとしているのに。
「あんたらは私にしたがうの・・そうだよね?」
兵士二人が困惑している。「命令。こいつを犯して。」「おい、ランス!」
女は兵士に槍を向けた。
「死にたい?」
仲間を脅すなんて・・
「早く犯せ。」
いやだ・・僕は男だ。
男なんかに犯させたくない・・美空は・・どこ?
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