僕の絶対的な力。
これさえあれば何でもできる。
そう思った。
「任務だ。今度は悪人・・殺してもかまわない」
「・・・誰?」
美月が資料を出す。
貿易会社社長。
ワームス・ジェイソン。
アメリカ人男性。
「この人は何したの?」
「人身売買、積み荷に混ぜて売り飛ばした。孤児300人・・売春と殺人15件」
「へぇ・・・・」
かなりの悪党。
資料によると明後日に長崎の港で直接取引に出るらしい。
良く調べてある。
「これはどうやって調べたの?」
「あらゆる手を使った・・」「・・・・?」
良く分からない。
明後日なら今から移動しなきゃ。
「どうやって移動するの?」「仲間に頼む・・」
「仲間って?」
「師匠の知り合い・・」
なんだか美空・・・元気ないな。
「私・・少し寝たい・・」
フラッと倒れそうになる。僕はすぐに支える。
「美空!・・今度は辞めとこう・・美空がもたない」
「大丈夫・・・荷物・・運ぼう・・」
無理してる・・心を読まなくても分かる。
「僕がやるから・・寝てて」必要な道具を運び出す。
バレッタM82、Hk416、スーツとヘルメットをケースに積める。
台車に乗せてエレベーターで上に向かう。
もう車が来ていた。
綾と男が喋っている。
男は僕に近づく。
「俺は運ぶだけ。何も聞かない、安心しろ」
「あ、はい・・・」
そう言って荷物をトランクに積み始めた。
重いケースを軽々しく持ち上げる。
やっぱり軍人?。
荷物をすべて積み終えた。「今から長崎に行く。すぐに出発するからな」
「あ、妹を連れてきます」
エレベーターを下りてセーフルームに入る。
美空はソファーで寝ている美空はたぶん一人で全て調べた。
僕は何もしてない・・・
「美空・・行こう」
二人で堕ちる。
一人にさせない。
寝ている美空をおんぶしてエレベーターに乗る。
美空の吐息が耳にかかる。可愛い寝顔・・・
後部座席に寝かせる。
綾を見る・・心配そう。 「ママ・・行ってくる」
僕を抱き締めてくれた。
ギュッと強く。
「貴方達は・・こう生きるって決めたのよね・・私は理解するから・・大丈夫だよ」
僕も抱き返す。
「元気に帰ってきてね。待ってるからね・・」
「うん。絶対に・・」
僕も後部座席に座る。
車が走りだす。
家が遠くなる。
綾はいつまでもたっていた。
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