雪のスケッチブックには色んな服がデザイン画が書いてある。
全部可愛いデザインだ。
「私コスプレが趣味なんだー」
「コスプレ?何それ?」
雪はクスッと笑った。
「そっか、美月くんは外国育ちだからねー、まぁ知らなくて当然か」
気付いたら綾が後ろにいた「コスプレとは!!コスチュームプレイの略である!」
なんか興奮ぎみ。
「綾さんがコスプレの事理解してくれて良かったなぁー私それまで分かってくれる人いなかったし」
綾は雪に抱きついた。
「雪ちゃんは私の可愛い可愛い弟子!」
「師匠!!」
師弟愛?
スケッチブックをパラパラめくる。
メイド服とか色々。
どれも可愛い。
「さ、ケーキ買ってきたから食べよう」
「はーい!」 綾は台所で紅茶を入れにいった。
「美月くんにも見せてあげる・・・私の秘密」
「へ?何?」
雪は携帯を操作して画面を見せる。
メイド服の女の子。
「え、これ・・雪さん?」
「そ、どう思う?」
いや・・可愛すぎる!
「凄く可愛い!!」
「えへ、ありがと」
他にはナース服とかアニメの制服とか。
「雪さん眼鏡外すともっと可愛くなるんだね」
「眼鏡無しの私、見たい?」「ぜひ・・・」
さっと眼鏡を外す。
見とれる・・・・
「わぁ・・・可愛い」
「ども!眼鏡無しはちょっと恥ずかしいな」
また眼鏡をかけた。
スッゴく可愛い。
ここの地域の子は本当に美形ばかり・・・
他のスケッチブックを見せてもらう。
ドレスとかのデザイン画。深紅のドレス。
カッコいいな。
黒いスケッチブックを開く・・・・
ボディアーマー?
「あ、それ。ミリタリー系のデザイン画ね。私の力作ばかり」
「こんなデザイン画も書くんだ・・・凄い」
どれもこれも見たことない形。
じっくり眺める。
「雪ちゃんをミリオタにしてしまったのは私の責任だね・・・」
綾はしゅんとした。
「綾さん、私はミリオタになれて幸せですよ!」
「弟子よ!!」
「師匠!!」
二人はまた抱き合う。
「あははは・・」
僕にはついてけない。
あるページで手が止まる。「これ・・・」
「あぁ、それは美空ちゃんが書いたやつ。私がちょこちょこ修正いれたけどね」これ・・あの黒い兎。
「あの子は天才だよ。ミリタリーの中に可愛らしさを織り込むなんて革命的。特にそのヘルメットが可愛いね。兎みたいで」
まじまじと見る。
スラットしている。
フォルムは女の子。
ミニスカートにはマガジンポーチを取り付けてある。腰にはあのナイフ。
ヘルメットは銀のツインテール。
口元は開閉式。
黒を基調としている。
美しいし可愛い。
けれどもどこか暴力的。
「美月くん、どうしたの?」綾にデザインを見せる。
「綾さん、これあの学校で見た黒い兎!」
「ほぇー美空ちゃんはデザインセンスまであるのか」なんだかあやふやに答えた「美月くんこのデザインがどうしたの?」
「この前の事件でこの格好をした人を見たんだ!雪さんは何か知らない?」
雪は一瞬微笑んだ。
けどすぐに隠した。
「ううん。知らないよ。私と美空ちゃんで考えたんだし。他の人に見せるのはこれが初めてだよ」
「そ、そっか・・・」
もう一度見る。
あの黒い兎は美空。
間違いない。
死んで無かったんだ。
その後、雪が帰ってから綾に説明した。
美空が死んだ事。
デザインの事。
公園で会った事。
綾は特に驚かない。
「美空ちゃんが死んだのは昨日聞いたよ。おじさんからね。原因不明だって」
「で、でも生きてるんだよ!黒い兎が美空なんだよ!」
綾は僕を抱き締めた。
「美月・・美空は死んだの・・・しっかりと受け止めなさい」
「綾?何言ってるの?生きてるんだってば!!そうだ。このボタンを押したらやってきてくれるんだ・・押して・・」
綾は唇を唇で塞いだ。
「ふっ・・・んっ」
「美月・・今日も抱いてくれる?」
「綾、どうして?美空が生きてるのに・・・どうして?」
「美空は死んだよ。間違いない」
「どうして?」
「あなた達の母親だもん。分かるよ・・」
綾の目は悲しみで満ちていた。
「そんな・・ぐすっ・・・ううっ・・」
僕の儚い望みは消えた。
「ね、しよ。気持ちよくして忘れさせてあげる」
「ぐすっ・・・うん。忘れさせて・・滅茶滅茶にして・・・気持ちよくして」
綾は僕を犯してくれた。
居間で何度も。
お風呂でも犯された。
「んっ、はあっ、もっと犯して・・綾・・もっとして・・・」
「うんっ!たくさん犯してあげるっ」
僕の上に股がって跳ねる。綾の黒い髪が揺れる。
「ふっ、んんっ・・はあっはあっ」
「綾っ!もお・・いくっ!はんっ!!」
びゅくびゅくびゅく。
ぐっと深くまで突き上げて流し込む。
「んっはっ!ああん・・中出し・・すきぃ・・」
裸のままベッドに移動して続ける。
「んっんっんっ、はぁっ、ああん!綾、綾!ママぁ!」
「あんっ!美月ぃ!!」
ビュルビュルドクドクッ!!「んっ・・はあっ!」
「綾・・子供作ろ・・美空みたいな可愛い子供・・」綾はニコッと笑う。
「いいよっ!じゃあもっともっと中出ししてっ!子宮を美月の精子で一杯にしてぇっ!!」
「うん、一杯出すから妊娠してね」
抜かずに動かす。
僕も綾も狂ってる。
二人とも頭がおかしい。
快感以上の物を求め始めた・・・もうダメだ。
がむしゃらに腰を打ち付け射精してまた動かす。
繰り返して繰り返して。
腰が痛くても動かして。
とにかく射精した。
膣に。
子宮に。
妊娠した子供には美月と名付けよう。
僕の大切だった妹の名前。「ああっ!イクッ!」
「美月っ!はぁっ!」
びゅっびゅっびゅっ・・・どくんどくん。
疲れはてて綾は寝てしまった。
綾のお腹をさすった。
妊娠すればいいな。
可愛い美空にまた産まれてきてもらうんだ。
今度は僕が父親として。
美空を育てる。
パジャマを着て縁側にすわる。
そういえばボタン押してなかったな。
ぽちっと押してみる。
「来るかな・・あの子」
「来たよ。ワンコ君。」
「うわあっ!!」
後ろにいた。
全然分からなかった。
「君も母親を抱くとはクレイジーだね。」
「聞こえてたの?」
ヘルメットの口元は開いている。
「ばっちり。僕は鼻と耳がいい。避妊しないで30回だしたね。君は発情期のワンコ君だ。」
「・・・美空を・・妹を」
「また母親に産ませる気?近親相姦で産まれる子供は異常が出るか天才が出るかどちらかだ。」
「うん・・また会いたいんだ・・・」
「愚かだね。変態でバカで発情期のワンコ君。」
もう罵られてもいい。
「自分の母親を孕ませてでも会いたいの?バケモノなんでしょ?」
「そうだよ。けど僕の大切な妹・・僕の天使」
黒い兎は考える人のポーズをした。
「愚か・・君は僕よりバケモノかもね・・今さら言っても遅い・・・今さら振り返っても・・・」
僕は月を見た。
満月だ。
空はキラキラ星を散りばめて広がっている。
「名前・・・考えたよ」
「何?聞かせて欲しい」
「ぎんと・・銀兎」
「将棋の駒か・・センスないね」
「気に入らない?」
「・・・・君が考えたのならそれにする。」
銀兎は庭で踊った。
クルクル回って。
「銀兎・・銀兎・・悪くないなぁ・・いいかも」
銀のツインテールが美しい・・・触りたい。
後ろから抱き付こうとした「触らない方がいい。僕の髪は痺れるから」
「地毛じゃないの?」
「うん。地毛じゃない。」
「そっか・・」
じゃあこの子は美空じゃない。
でも抱きたい。
「銀兎・・抱かせて」
銀兎はクスッと笑った。
「犬は兎を妊娠させられないよ。」
「お願い・・抱かせて」
「い、いや・・待ってよ。」僕は銀兎に近寄る。
「お願い・・君が美空じゃない事を確かめたい」
「やや、マッテマッテ!」
さっきまでの余裕が無くなっている。
僕は銀兎を抱き締めた。
「銀兎・・・」
「うっ・・ちょっ・・いきなりすぎて・・心の・・準備が・・・」
髪に触りたいけど。
怪しく光っている。
だからギュッと抱き締めた「美空と同じ小柄で・・華奢で・・守ってやりたくなる・・・可愛い・・僕の・・・美空・・・」
「君は・・・本当にクレイジーだね。」
「どうでもいい・・今さら気付いたんだもん」
しばらくそのままだった。銀兎も背中に手を回した。月と空の下。
兎と犬・・。
強く抱き合った・・。
「いい加減・・離れて・・僕・・こうゆうの・・苦手だから・・・」
「あ、うん・・」
銀兎を離す。
背中を向けて偉そうに腕を組んだ。
「君は処女?」
「・・・うるさい。悪いか?」
「ううん。可愛い」
「かわ・・っ!!??も、もう帰る!」
銀兎は庭の塀を登り。
軽々しく華麗に。
「銀兎!!また遊ぼ!!」
銀兎は振り向いた。
キラキラ光る銀の髪。
風で揺れる。
「セクハラしないならいいよ。じゃあね。」
バイバイと手を振って消えた。
僕も手を振った。
今さら気付いた・・。
僕は人を好きになるのが怖かった。
だからいつの間にか否定してた。
好きなのに否定してた。 好きじゃないって。 双子の兄妹だからって。 イケナイんだって。 でも間違ってた。 ずっとずっと前から好きだったのは。
美空だったんだ・・・・
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