と、一緒思ったが違う。
触ってみるとトイガンだ。構造が違う。
「へぇー良くできてる・・・玉もあるね」
6ミリBB弾。
銃のモデルは米軍採用のM9、パーツは全て金属製。
重いわけだ。
他にはマガジンがいくつかとクリーニングキット、ガス缶・・・そして手紙。
「ん?手紙?」
こう書いてある。
【フルカスタムで初速も規制以上だぜ!ベアリング弾は撃たないように。
綾の親友のオタクより】
「・・・・???」
誰だ?綾さんの親友?
「たっだいまー!おおっ!!届いたかぁ」
綾さんが帰ってきた。
荷物を見るとニヤリと笑った。
「それは私の友人に送ってもらったの。君たちも銃を撃ちたくなったらそれで訓練しな!感覚は実物に近いからね」
「あ、ありがとうございます・・・」
なんだかありがたいようなありがたく無いような。
美空は早速撃とうとしている。
「美空!危ないってば!!」
「別に大丈夫でしょ・・」
美空は外にバカスカ撃ちだす。金属音で結構な音だ。そとの雨のおかげで大分音は抑えられているが。
「ふーん・・・・いい・・楽しい・・・」
美空はマガジンを交換してまた射撃する。
「あははっ、美月くんも撃ってみな!!」
「あ、はい・・・」
僕もガスを入れて撃ってみる。
パンパンパン。
うん・・・楽しい・・!!
いつの間にか夢中になる。綾さんは夕食を作りに台所へ。
いつの間に時間は過ぎていた。
「はい、ご飯出来たよ!」
今日は焼そば。
遊んだらお腹が空いた。
「そうだ、美空!綾さんにあれ見せようよ」
「んー・・・いいの?まだ未完成だけど・・」
綾さんは首を傾げた。
僕は部屋から鍵付きのケースを持ってきた。
「ナニナニ?何かにゃ?」
「僕たちのオモチャです!」ケースを開ける。
大きめの鞘と細身のナイフ「・・・・?何?ナイフ?」「はい!でも秘密があって・・・」
僕は庭の片隅の木向かってナイフを向ける。
小さな赤い点が光った。
パシッ・・・・ほぼ無音。ナイフのブレードだけが飛んでいく。
グリップだけが残る。
「おおっ!・・・ロシアの仕込みナイフ!・・・違う・・・何それ!?」
綾さんはかなり驚いている鞘にブレードの一部がヒョコッと出ている。
グリップをブレードの一部にはめる。
カチッ。
引き抜くと新しいブレードが付いている。
「それ・・・何?何なの?二人で・・作ったの?」
綾さんは相当驚いている。僕はかばんからノートを取り出して差し出す。
「仕込みナイフを改良しました。コイルガンを少し応用して」
綾さんはノートを開いて読みだす。
「凄い・・・本当に?ええっ!?」
このナイフはバネでブレードが飛び出すロシアの仕込みナイフを改良したナイフ、僕と美空だけで作った。旧来の仕込みナイフはバネだけでブレードを飛ばす。飛距離も10メートル行くか行かないかで、ブレードを再び取り付けるのに非常に力がいる。
そこでコイルガンを応用してみた。
単純なストライカー型で回路も何とか小型化した。
バネの力もある程度ある。コイルガンを応用したので飛距離が伸びて、バネも少し弱めの物なので再びブレードを取り付ける時、力がいらない。
レーザーポインターも付けてある。
まだ改良できる所もある。「はは、凄い・・・私も使ってみていい?」
綾さんはすごく興味深そうだ。
「いいですよ。まだ未完成ですけど」
綾さんが何回かナイフを使った。
レーザーで狙った所にナイフが刺さる。
鞘にはブレードが12枚ある、細身で空気抵抗を考えた形。
ブレードの素材は加工しやすいステンレス鋼の440A鋼切れ味はイマイチだが安いし加工がラクだ。
「はぁーやるね!こんなに正確に飛ぶのは凄いね」
「綾さんの知恵を借りたいんですけど」
綾さんは絶対一般人じゃない。
おじさんの知り合に一般人はいないから。
綾さんはノートを見てうなる。
「まだ改良出来そうだね。・・・ブレードの素材を変えて小型化すればいい。
回路は完璧。グリップも握りやすいし・・もうちょいだね」
やっぱり普通じゃない。
綾さんは相当頭がキレる。しばらく三人で会議をした。
翌日、学校の帰りに美空と町を探索しに行った。
ある程度、町の事頭に入れとかないと。
町を歩くたびに可愛い可愛いと言われる。
嫌じゃないけど恥ずかしい町外れに来た。
地図によるて神社が近くにあるみたい。
「美空、神社行ってみよ」
「・・・めんどい」
「帰る?僕は行くけど」
「・・・行く」
美空はいっつもこうだ。
神社に着くともう暗くなっていた。
神社はかなり広そうだ。
鳥居をくぐる。
鳥居の真ん中は歩いてはいけない。
そういう、しきたり?
明かりがついていて誰かがいた。
巫女さん・・・いや?確か舞姫?
凄く神秘的。
踊っているのは・・・
「え?利奈ちゃん?」
「・・・・・・」
美空は黙っている。 とても話かけられない。
あの子はお寺の子じゃ?
いや、お寺にも巫女さんはいる。 近くで神主さんが見ていたがこの人にも話かけられそうじゃない・・・しっかりと利奈の踊りを見ながらもこちらに邪魔するなと目でそう言っている。 美空と二人で踊りを眺めた・・・とっても綺麗で神秘的で。
利奈はかなり美少女だが舞姫の利奈は・・・・
僕は好きになってしまいそうになる。
こんなに可憐な姿は初めて見た。
ずっと見ていたくなった。その美しい姿を。
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