翌日武器が届きホテルを出た。
私はベレッタM9と予備マガジン。
今回は恐らく銃撃戦になる。目標は郊外の屋敷にいるらしい。
私は少し長い銀髪をゴムで纏める。
いつから銀髪なのかは分からない。普通なら黒髪だと思うが・・・ 屋敷の近くに着くと車を降りる。
護衛は数人いるらしい。
私はM9に消音器を取り付ける。
私はクリスと裏口から。師匠ともう一人は塀を登って潜入する。
私は護衛の注意を引く。
ニコニコ笑って護衛に近付く。
「お花買ってくれませんか?」
護衛は私を止めようとする「なんだ?ガキか・・帰れ帰れ!」
私を突き飛ばす。
「いった・・・痛いよ」
わざとらしく倒れる。
二人の視線が私に向けられる。
「お花買ってくれないなら・・・死んでください」
「はぁ?」
その瞬間クリスがMP7で頭を撃ち抜く。
バシュッバシュッ!
二人は動かなくなる。
私はすぐに起き上がりM9を取り出す。裏口をあけるとキッチンのようだ。
誰もいない。
師匠たちは中庭から侵入する手筈。
私たちの方が目標に近い。慎重に部屋を制圧していく。護衛が思っていたより少ない。
不意討ちなので銃を取り出す前に殺せる。
向こうに護衛が4人。
私はクリスと別れて一人目に目をつける。
何か考え事をしている目だ恐らく家族の事。
私には関係ない。
配合から頭を撃ち抜く。
バシュッ。
ドサッと倒れる。
こいつはおとりに使おう。死体を引きずり角から足だけ見えるようにして置いておく。
もう一人の護衛は気付いて近付く。
「おい!どうした?」
少し屈んでいる。
私は新しく習った格闘技を試したくなった・・・けど後ろから近付いて足の関節蹴り倒れた所をナイフで殺した。
また訓練してから試そう。クリスと合流した。
「少し遅かったな」
これでも2分くらいで片付けたんだけどな。
慎重に扉を開ける。
大きなベット。
広い寝室。
目標はここにいるはず・・いない?
バンッ!
クリスの腕からMP7が吹き飛ぶ。
「ぐっ!」
クリスは床に倒れる。
私はすぐ銃を構えるが蹴り倒される。
「うぁっ!」
そいつは目標。私を見る目は殺す気から何か別の感情に変わっている。
クリスはすぐに立ち上がって目標にナイフで襲いかかる。
私はとっさに落ちているM9に手を伸ばす。
クリスはナイフで切りかかるが素早く払い落とされ関節を極められる。
クリスの悲鳴が聞こえる。私はやっとM9を構える。
遅かった。
目標の男の方の方が早かった。
私は死ぬと思った。
相手はトリガーを引く。
バンバンバンバン。
乾いた発砲音。
目をつぶった。
けど死んでいなかった。
クリスが私をかばった。
「夢叶えろよ」
バンッ。
頭を撃ち抜かれて死んだ。私は仲間の死を初めて見た・・・動けなかった。
男は私を見るとニヤリと笑って銃を払い落として私を拘束する。
クリスの体はもう動かない、私のせい?
男は私を車に乱暴に押し込む。
手を縛られて動けない。
車は寝室からすぐ近くにあった。
師匠はなんで来ないの?
私はもう怖くて動けない。車で逃げ去りどこかの市街地に着く。
私はマンションの一室に連れ込まれる。
別の男がいた。
目標の男も別の男もアメリカ人。
「あぶなかった。しかし土産があるぞ」
怖い・・・怖い。
「へぇ・・・上玉だな、どこに売り付ける?」
私に何かしようとする気だ、嫌・・怖い。
「その前に犯してやるよ、護衛がやられたんだ」
私はベットに押し倒される。
「お嬢ちゃん安心しな、俺もこいつも性病は持ってないぜ」
「い、嫌・・やめて」
服を乱暴に破り捨てて私の体を触ってくる。
「怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いやめてやめて嫌だ助けて助けて!!!」
男は二人とも裸になっている。
「人殺しといてよく言うなお嬢ちゃん」
私はその時もちろん処女だった。
無理やり挿入する。
恐ろしくて怖くて何もできなくて。
凄く痛くて痛くて。
「やめて!嫌!」
「すげぇ締め付けだ!ヤバいぜ」
私は暴れるがもう一人が私の口を使って欲望を吐き出す。
私の中に暖かい物が注がれた。
嫌・・・汚い・・。
「交代しろよ。俺もヤりたい」
そうして5日間ぐらい犯され玩ばれた。
だんだん気持ちよくなる自分がいた。
もうどうでも良かった。
気持ちよくてたまらない。私の体に好きなだけ欲望を吐き出せばいい。
「ああんっ、あっ!」
また中に出された。
「おいおい、妊娠させちまう気か?売り物にならないぞ」
「俺達の玩具にすればいいんじゃね?お前もやれよ」私はもう一人を見つめる。「お願い・・・もっとして私を犯して・・・」
ドンッ!ドアを蹴破られる音。
男達は拳銃を構えるがすぐに死んだ。
「リン・・・・」
師匠は私を見て立ち尽くした。もう一人は目を塞いでいる。
「師匠・・・私・・・」
師匠は私を抱き締めてくれた。
こんなの初めて・・・
「帰るぞ・・・」
私も師匠に抱きついた。
どうやってここにいるのが分かったのか・・・
私はホテルに戻ると寝かされた。
すぐに眠くなった。
何日も寝てしまった。
目を開けると師匠がいた。「師匠・・・すみません。私のせいでクリスおじさんが・・・」
私を優しく抱き締めて撫でてくれる。
「何も言うな。」
「私・・怖くて・・・自分が犯されて・・汚くなったような・・最後には・・」師匠は私をギュッと強く抱き締めて泣いた。
「今は休め・・・体は癒えるが心の傷は癒えない」
そのままずっと抱き締めてくれた。
ずっとずっと何日も。
中東から離れて欧州の隠れ家に戻って食事ができるようになった頃には私はガリガリに痩せていた。
もう一人の仲間が食事を口に運んでくれる。
「どうだ?」
この人の名前は知らなかった。
「味がしない・・・」
この人も私に優しくしてくれた。
「そうか・・・ゆっくりでいいからな」
「私は汚れちゃったんだよね。きっと結婚もできないよね・・・」
私はどうしたらいいか分からなくなった。
「大丈夫だよ。君は綺麗なんだからな」
師匠が部屋に入ってくる。仲間の人は少し会話をして出ていった。
「リン、もう辞めたいか?」「私は・・もう汚れたんです。だからもういいんです・・・こんな体。だから辞めません。私は人を殺す事しかできないんです」
「リン・・・」
「だから、いいんです私はこの体を武器にします。男を惑わすための」
またギュッと抱き締めて頭を撫でてくれる。
「後5年訓練をしたらお前をフリーランスにしてやる。日本にもこの職種はある」日本に行ってもいいの?本当に?
「師匠・・・行ってもいいんですか?」
「ああ、それまでお前を死なせない。みっちり訓練してやる。最高の殺し屋にしてやる・・・覚悟しろ」
「はいっ!頑張ります!」
私はあの人が最後に言った言葉を忘れない。
夢を叶える。
叶わないかもしれないけど・・・・・
「だが今は休め!命令だ・・・リン・・」
「分かりました・・・師匠」それから5年の訓練はとても濃い訓練だった。
私が日本に行く前に手首に刺青をいれた。
天使の羽。
師匠が選んだ絵柄だった。可愛らしい絵柄だがどこか強い感じがする。
師匠は空港まで送ってくれた。
「絶対に帰ってくるな。日本で好きなように生きろ。命令だ!」
最後にそう言ってくれた。私は日本に渡り文化に触れた。
日本語はもう完璧だ。
マンションに住み初めてすぐに近くにあるとてもいいバーを見つけた。
仕事も見つかった。
古くからある配送業者の裏仕事。
闇の仕事。
日本も物騒になった。
私の体も有効な武器になった。
あっという間に年が過ぎたそして君に出会った。
とてもとても綺麗な君に。
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