任務の後。
私は本部に報告しに戻る。ここでもいやらしい目で私を見るやつら。
真紅のドレスのまま部屋に入る。
「ご苦労」
そう言って上司は私を労う私の仕事は後始末。
それだけ。
「目標は例の薬で始末しました。証拠は残らないと思います」
「そうか、よくやったな」
「ありがとうございます」
私の後ろ側に周りこむ。
どうせいつもの悪い癖だろう。
「真紅のドレス・・・君によく似合うよ」
後ろからドレスの中に手を入れて私の胸を触る。
「濡れているんじゃないか?どこまで許した?」
「セックスはしていません。その前に殺しました」
私の首筋を舐める。
汚い・・この人も汚い。
「んっ、はぁ・・・誰か・・来ますよ」
「問題ないさ・・」
ドレスをまくりパンティをずら。
いつもこうだ。
机に手をつきバックで挿入される。
「んっ・・ああっ!」
乱暴に突かれる。
この人が絶頂を迎えるのは10分ほど。
「はぁ、ああん」
「可愛い黒猫ちゃんだな」
私の黒髪が揺れる。
胸を揉まれ乳首をいじられる。
「中に出すぞっ!」
「んっ!!!」
膣内に出されるのはいつもの事。
私は避妊しているのを知っているから。
「はぁっ、はぁっ・・」
私は床に倒れる。
膣から垂れる精液。
私の仕事は終わると行き付けのバーに寄る。
こじんまりとしたバーだ。客もめったに入らない。
「おお、悠ちゃんいらっしゃい」
「マスターいつもの」
私はいつもの席に座る。
ウォッカのストレートが私のお気に入り。
ここのマスターは私を見てもいやらしい目をしない。だからここのバーは居心地がいい。
「はい、お待たせ」
ウォッカとフレンチトーストが運ばれてくる。
私は甘党だ。任務の後は甘い物が欲しい。
マスターは仕事の事は聞かない。
それほど会話は弾まないが構わない。優しい目をしている。
「悠ちゃん疲れてる?」
「・・・そう見える?」
マスターは笑って頷く。
「そっか・・疲れてるかもね」
私はクスッと笑う。
外は雨のようだ。
客も来ない。
「マスター?私を抱いてみない?」
マスターは笑って私の頭を撫でた。
「悠ちゃんは俺の娘みたいなもんだからな。抱けないよ」
「そっか・・・」
その時店のドアが開いた。こんな雨の中お客が来るのは珍しい。
服が少し濡れている。銀髪の少年。
私の三つ下くらいかな。
「いらっしゃい」
少年は私の隣のカウンターの席に座る。
綺麗な顔の少年だ。
目が汚れていない。
「何にします?」
少年は黙ってペンとメモ用紙を取りだし何か書いている。
マスターに用紙を見せる。「・・・ホットミルクね、少々お待ちください」
喋れないのかな?
別に珍しくはないけど。
私の方を見て微笑んだ。
フレンチトーストにかぶりつきウォッカを流し込む。「マスター、おかわり」
「はいよ」
雨は激しくなってきた。
ドレスの上にジャケットを着ているけど濡れるのは嫌だな。
「はい、お待たせ」
ホットミルクとウォッカが運ばれてくる。
私はウォッカを飲みながらテレビを眺める。
少年はフーフー冷ましてからホットミルクを飲んでいる。
「本日、5時すぎ。銃殺された政府関係者の死体が発見されました。目撃者もおらず捜査は難航する物と思われます。」
また誰かがしくじったか。銃殺は最終手段だ。
少年は私を見ている。
いや・・・フレンチトーストを見ている。
「ん?欲しい?」
少し顔を赤くして頷いた。また紙に何か書いてマスターに見せる。
「フレンチトースト・・できればハチミツかけたやつね、少々お待ちください」マスターはフライパンにバターをひく。
ウォッカを飲みテレビを眺める。
夜遅くなのでニュースしかやってない。
少年はカバンから何か取りだそうとした。
私は自然とジャケットの内ポケットあるベレッタPx4に触れる。
護身用としていつも持っている。
だが少年は本を取り出しただけだった。
少しホッとしてまたテレビを眺める。
「はい、お待たせ」
少年は頭を下げてお礼をして美味しそうにフレンチトーストを食べている。
私はちょっと少年に興味を持った。
私はウォッカのグラスを持って少年のすぐ隣に座る。「美味しい?」
少年は静かに頷く。
「君、名前は?」
サラサラとメモに書く。
「ルカ?」
雨はさらに激しくなる。
「そろそろ店閉めなきゃな」マスターが呟く。
「もうこんな時間か・・・マスターお勘定」
私はいつもどうりにお金を払う。
少年もお金を払い一緒に店を出た。
「ふぅ・・・帰るかな」
徒歩10分ほどでマンションにつく。
傘をさして歩く。
後ろに誰かいる。
15メートルぐらい後方かな・・・素人だ。
マンションに入るふりをして待ち構える。
コツコツ・・もう来る。
私はそいつに素早く近づきコンパクトナイフを突き立てる。
「・・・!ルカ君?」
さっきの少年だ。
「どうしたの?」
私は素早くナイフをしまうルカはゆっくりと立ち上がり頭をかいた。
またメモに何か書いて見せる。
家に帰れなくなったから困っている。
「そうなんだ・・・」
ルカの服はびしょ濡れだ。ブルブル震えている。
私を殺す気なら目で分かるこの子は違う。
「私の部屋来な、すこし暖まってけばいいよ」
ルカは嬉しそうにお礼をした。
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