翌日は腰が痛かった。
布団はビシャビシャで絶対に何をしたかバレるだろう・・・特に女将さんは絶対に気付く。
ルカと一緒にバスに乗りマンションに帰る。
なんだか世界が変わったみたいだ。
何とも清々しい気持ち。
バスの車内でルカとイチャついた。
「ルカ・・昨日は凄かったね・・・」
ルカは恥ずかしそうに顔を赤らめる。
私は愛しくなってルカの耳元で囁いた。
「君に犯されるのも気持ち良かったよ・・・今日も私を犯して・・・でも私も負けないからね・・」
耳たぶをあま噛みして耳の穴を舐める。
「ふっ!んっ・・・」
ルカはビクビクッと震えてそっぽを向いた。
でも手は握ってくれている・・・心が満たされる感じ・・凄く愛しいよ。
視線を感じたので止めた。マンションの近くのバス停で下りて徒歩で向かう。
手を繋いで歩きながらイチャイチャする。
我慢出来なくてキスもした・・・周りの視線も気にせずに。
マンションの入り口でやっと気が付いた。
尾行されてる・・・男がつけて来てる。
素人じゃない・・・誰だ?ルカに鍵を渡す。
「ルカ、先に部屋に行ってて・・・」
ルカは心配そうな顔をした、私は軽くキスをした。
「心配ないよ・・」
ルカは階段で部屋に向かった。
私は物陰に隠れて待ち構える。
Px4のスライドを引いてチェンバーの弾丸をチェックする。
サングラスをかけた中年の男。ヨーロッパ系の体格。銃を構えている。
USP45にサイレンサー。
フォームからして素人じゃない。 元特殊部隊かな・・・銃の選択もいい。
45口径は初速が遅い。
初速が遅い方がサイレンサーの効果も高くなる。
サングラスはフラッシュライト対策か?
冷や汗が出る。
こんなやつに勝てるかな?負けたら・・・せっかくルカと一緒になれたのに。
私は静かに動く。
男の背後を狙う。
英語で警告する。
「動くな!銃を捨てて床に伏せろ」
男は言われたとうりにゆっくりと銃を床に置いた。
私は近づいて銃を遠くに蹴る。
「伏せろ!」
男は手を頭の後ろで組んで伏せた
素早くボディチェックをする。男のポケットにあるナイフを遠くに捨てる。
「ゆっくり立ってこちらを向け!」
男はまた命令どうりにする「サングラスを外せ!」
男はサングラスを外した。「相変わらずだな」
私は男の顔を見る。
「誰だ?どこの所属だ?」
「元SAS・・・いや、元KCだ・・・」
私はすぐに思い出した。
KCは私が幼少時に所属した暗殺会社・・
私はやっと男の顔を思い出した。
「師匠・・?師匠ですか?」男は笑った。
「いい女になったな・・リン」
私は昔の名前で呼ばれてこそばゆくなった。
「師匠・・なんで日本に?」師匠はまた笑った。
「いいから銃を下ろせ。その様子じゃまだ続けてるんだな」
私はPx4をホルスタにしまう。
「ぶらっと寄ったらお前を見つけた。それだけだ」
師匠は銃を拾うとまた構えた。
「まだ甘いな!」
「いえ・・・玩具の銃で構えられても怖くないんですけど・・・」
師匠は苦笑した。
「バレてたか・・・」
「日本のトイガンは良く出来てますよね。私も初めて見た時びっくりしました。まぁ・・・私の方が一枚上手になりましたね」
私は師匠に思いっきり抱き付いた。
「いい女になったと思ったけど、まだ口の悪いガキだな」
師匠の胸に顔を埋める。
「師匠の匂い・・・すきっ」私の頭を優しく撫でてくれる・・・あの時みたいに優しく。
「しかも変態になったか・・・・悲しいな」
師匠の胸に軽くパンチして顔を見つめる。
「変態でもガキでもないもんっ・・師匠のバカっ!!」師匠は優しく笑った。
目は変わらない。
けど雰囲気が優しくなった・・・
厚い胸板に顔を埋める 「師匠っ!ぎゅーっ!!」
「おいおい、いい加減に離れろ」
「うーん、やだっ!もう少し・・・」
「・・・犯しちまうぞ?」 「師匠ならいいよ・・・」
「じゃあ部屋まで連れてけ・・・犯してやる」
エレベーターに乗る。 私は師匠の腕にくっつく。顔を擦り付ける。
「ししょーだ・・師匠だあっ・・・」
部屋までくっついて歩く。師匠と腕を絡めて手を繋ぐ「おい、ホントに犯すぞ?男がいるんじゃないのか?・・・」
私は昔何度も師匠に抱かれた。
セックスの知識と技術は師匠に習った。 避妊薬を飲むようになったのも師匠との関係がきっかけ。
「うーん、バレない所で犯してください・・・」
色っぽく言ってみた。 「おいおい・・・」
手を繋いだままドアを開けた。
「ルカっ!お待たせ」
ルカがひょこっと顔を出す「この人はね!私の大恩人で名前は・・・」
「ボブおじさんと呼んでくれ」
流暢な日本語を喋った。
「師匠・・・日本語?」
「俺を誰だと思ってる?」
ルカは頭を下げて挨拶をする。
「あ、この子はルカ。喋れないの・・・・」
喋れない理由は知らない。ルカは急に私の手を引っ張る。
「わっ!ルカ!?」
私を抱き寄せて師匠を睨む・・・手を繋いでいたのが気に入らなかったらしい。「ルカ・・・大丈夫だよ」
師匠は苦笑した。
「悪かった。君の女だよな・・・」
私は師匠を部屋に招く。
ルカはまだ解放してくれない。
「るーかっ。大丈夫だってば!ほらほら離して」
ルカの瞳は宝石のように綺麗だ。
【余所見しないでよ】
「えっ!?」
何?今の・・?頭に言葉が浮かんだ。
ルカはやっと解放してくれた。
「ルカ?君は・・・」
【後で説明します。僕の過去を】
まただ・・・何これ?
「え?過去って・・?」
ルカは真っ直ぐ私を見つめている。
【もう僕を嫉妬させないでくださいね】
そう浮かんだ。
ルカは軽くキスをしてパタパタとキッチンに向かった「ふぇ?何よ?何なの・・」私は訳が分からずリビングに入る。
師匠は部屋を眺めている 「ったく狭いな。殺風景だし・・・」
師匠の愚痴は耳に入らないルカはキッチンで飲み物を入れている。
私はソファーに座る。
ルカは師匠に紅茶を差し出す。
私の隣に座ってココアを二つテーブルに置く。
まだ不機嫌そうな顔をしている。
「気がきくな・・・俺は紅茶が好きなんて何で分かった?り・・・えーと名前変わったんだったな・・」
「今は悠って名前ですよ」
「そ、そう。悠が教えたのか?」
「いえ・・私は何も」
また頭に文字が浮かぶ。
【その名前も嘘ですよね?ボブさんは信用出来るので僕の事教えます】
「え?ルカ?・・・」
ルカは自分のカバンから封筒を取り出す。
師匠もテーブルの近くに座る。
封筒から二枚の紙を取り出してテーブルに広げた。
また頭の中に言葉が浮かぶ【これが僕の過去、僕の全てです】
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