部屋を出る。
良く分からない。
何で急に爆発したんだ。
部下は死んだのか?
黒い狼と黒い兎について行く。
足が痛いな。
「逃げたぞ!探せ!」
見つかったらしい。
向こうから敵がくる。
黒い狼がHk416を構えた。ババッ、ババッ。
見事なフォームだ。
こいつらの体格は子供のようだが。
変わった形のマスクで見えない。
外に出る。
何人かいたが倒せた。
このM1911は大分金がかかっているな。
「こっちです!」
ハンヴィーに乗り込む。
陸軍のやつだ。
こいつらは陸軍の特殊部隊か?
もう乗るしかない。
仲間らしき男が乗っていた運転して市街地を抜ける。追っ手はまいたようだ。
「君達はどこの所属だ?」
「すみませんが今は黙ってください」
従うしかないらしい。
しばらく走って小さな家の前に止まる。
「降りてください」
「・・・・」
黙って従う。
家に入ると武装した数人の男がいた。
みんなHk416を持っている違う部屋に入る。
「どうぞ、座ってください」ソファーに腰かける。
黒い狼と俺だけが部屋に残る。
「質問していいか?」
「はい、いいですよ」
「なぜ俺を助けた?」
黒い狼はヘルメットを取った。
15歳くらいの子供。
「あなたは悪い人じゃないから・・・」
「君は・・子供か?なぜこんな所にいる?」
「色々ありまして・・」
可愛らしい外見。
銀の髪。
コーヒーとパンを渡されるあまり食べたくないが。
「僕は美月です。また助ける・・いや・・どう言えばいいかな・・・」
「美月・・?日本人か?」
美月は首を横に振った。
「分かりません・・たぶん色んな血が混ざっています・・・」
少し悲しそうな顔をした。「銀狼計画は知っていますか?」
「いや・・」
ガチャッ。
可愛らしい女の子が入ってきた。
ツインテールの長い銀髪。「美空は会ってないかな・・タイターさん」
「こんばんわ・・・これ・・・栄養剤です」
テーブルに薬を置いて美月の隣に座った。
二人とも美形で可愛らしい外見。
なんで子供が戦場に?
「銀狼計画とは人間の潜在能力を高めて強化する計画です・・僕と美空はテレパシーや嗅覚が鋭くなる・・そして不死になる・・」
「不死?・・どういう事だ・・・死なないのか?」
美月と美空がうなずく。
「寿命のみです。怪我をすれば死にます」
「凄いな・・不死・・」
とても信じられない。
「僕達も最近気付いて・・老化が無いんです・・いつまでたっても子供の体のままで・・」
「君は最初タイターと呼んだが・・・俺はアレックス少尉、シールズ所属だ・・タイターなどではない」
美月が俺を見つめる。
「貴方のにおいは忘れない・・僕は貴方に一度会いました・・大分昔です」
「俺に会った?」
「タイムマシンはご存知ですか?」
「噂だけなら・・・」
CERNが開発に成功したとか・・・あくまで噂だが。
「貴方は遅かれ早かれタイムマシンに乗る。2009年の冬に僕は貴方を助けました・・・貴方は別れるときにまた助けてくれよなと・・そう言いました」
どういう・・・事だ?
「あなたはこのまま基地に帰って貰った方がいいでしょう・・・」
「もっと詳しく聞きたいんだが・・・俺は何かしたのか?」
「すみませんが分かりません・・・貴方を助けただけですから・・」
美月は立ち上がって冷蔵庫から何か取り出した。
「これ、貴方が好きな食べ物でしょ?」
美月と美空は微笑んだ。
チーズバーガーか。
俺の大好物だ。
「大丈夫です。毒なんて入れません」
「あぁ・・いただく」
チーズバーガーにかぶりついた。
「貴方のお話は面白かったな・・」
「何の話をしたんだ?」
「A10に航空支援をしてもらった話や銃の話・・僕は貴方の話を食い入るように聞いて翌日の朝まで聞いていました」
「そうか・・・そんなに楽しい話だったか」
翌朝まで美空と美月と俺と3人で喋り明かした。
翌朝ハンヴィーに乗せられる。
「タイターさん・・いや・・アレックスさん。僕は貴方が大好きです。だから信じる事をやってください・・・戦場から無事に帰るのが英雄だって・・貴方はそう言いました」
「そんなセリフ言ったのか・・・・」
「僕は凄くいいなと思いましたよ」
美月の笑顔は無邪気だ。
「僕はここまでです・・せれじゃあまた会いましょう・・過去で貴方をまた助けなきゃ!」
「・・・・ああ、頼む!」
拳を合わせて俺と美月は笑った。
美月は運転手を見た。
「ベル、お願いね」
「了解!」
車が発車して基地の近くまで送られた。
「美月の友よ、しっかりな!・・」
「ああ、また助けられるのか・・しっかりしなきゃな・・・」
車は行ってしまった。
一つ忘れていた。
M1911を返していない。
まぁいい。
いつか返せるだろう。
基地に戻った。
軽く事情を聞かれるかと思っていた。
違った・・・ヘリから降りてきた黒服の男が近づいてきた。
「アレックス少尉、君は死んだ。今日から別の任務についてもらう」
「何言ってる・・俺は生きてるぞ」
「いや死んだ。ついてきてもらう」
抵抗は無駄なようだ。
黙ってついて行く。
また美月と美空に会ってみたい。
俺の恩人に。
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