彼は湯船を張ってくれていた。
かなり熱い。すぐには入れそうにない。
大きな窓ガラスはほとんど曇っていたが、シャワーをかけるとほんの少し外が眺められた。
と言っても、相変わらず粉雪が舞っていて街並みの灯りがほんのりわかるくらいだ。
『綺麗だ。こんな夜景見たことない。』
1年前の初夏、横浜で一泊したことがあった。
ホテルはやはりワタシが選んだ。ベッドルーム、バスルームどちらからもみなとみらいの景色が見える部屋だった。
案の定、バスルームからは一人で見ることとなったけれど、ベッドルームからの夜景に見入っていた彼の姿が印象的だった。
今回も比較的眺めのよい部屋にしたつもりだった。
シャワーを浴びながら少し温まろう…
シャワーヘッドを調節し肩、胸と徐々にシャワーを移動する。
ココはよく洗わなくっちゃね…
片足を浴槽に乗せアソコを念入りに洗う。
シャワーを直にあてるとほどよい刺激が心地よい。
ちょっとだけ…
しばらくそれを楽しみ、花びらをめくってみた。
「ン…」
クリトリスにあたる刺激に集中する。
左手にボディソープをとり胸の辺りに滑らせる。
「ンン…」
乳首が敏感になる。自分のカラダはやはり自分が一番よくわかっている。
声を殺して乳首とシャワーの刺激に浸っていると、クリトリスが膨らんできたことに気づく。
彼が同じ部屋で待っているのに。やめなくちゃ。でも止まらないの。
クリトリスと穴の中間くらいにシャワーをずらし、一気に水圧をあげる。
「ア、ア、ア、アン…ン」
軽くイッた。
これ以上、湯船に浸かったりしていたら彼がまた眠ってしまうかもしれない。
ヌルヌルとした蜜を洗い流して慌ててバスルームを出る。
「起きてる?」
『起きてるよぉ。』
ホッとして髪を乾かす。
まだ熱い。蜜が潤っていてバレちゃうかな。
ベッドルームは照明が薄暗く落とされていた。
テレビも消してある。
彼は先ほど眠ってしまったベッドに入っていた。
3軒もはしごしてほどほどに酔っていたが、まだ積極的に甘えられない自分が残っていた。
隣のベッドに腰をおろし
「遅くなっちゃったね。10時にチェックアウトだけど起きれるかな。」
『起こしてね。寝起き悪いけど。』
「ワタシも。」
二人で笑った。
彼の寝起きが悪いなんてことはない。
ワタシが目覚めるとたいてい彼は眠っているけれど、頬にキスしたり、手を取って指を絡めているとすぐに気づいてくれる。
『よかった。ここにいた。』
顔を横に向けて目をつむったまま唇をとがらせキスを求めてくる。
軽いキスから徐々にエスカレートして二人はまた繋がる。
うとうとしていると、今度は彼がグッと抱き寄せてワタシを目覚めさせる。
とろけるような熱いキスが始まり、また繋がる。
二人が一度抱き合うと、なかなか現実に戻れないでいた。
それを目覚めが悪い、と彼は表現しているのだと思った。
『こっちおいでよ。』
彼がカラダを起こした。
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