その効果が、早くも現れはじめていた。
照江の様な初な熟女が堕ちるには、それ程の時間は必要なかった。
この際、読者には是非知っていて欲しい事があります。
それは蔭山が、決して極悪非道な人間と言う事では無く、何処にでもいる普
通の男だと言う事です。
ただ、女性(特に人妻)を口説いて、陥落させる事を趣味にしている男だと
言う点です。
中でも、その相手の身持ちが硬ければ硬いほど、攻略甲斐を感じるようで、
その意味で言えば、照江はまさに攻略甲斐のある女と言えたのです。
浮気経験が皆無で、結婚以来、夫以外の男性と性交渉が無かった。
決して男嫌いと言う訳では無く、その勇気と度胸が無かっただけ。
女としての魅力に乏しい部分はあるものの、決して醜い訳でもない。
年の割りは、それを感じさせない処は有った。
だから、蔭山もその部分は錯覚していた様だ。彼女の年齢を見誤っていた点
がそれだ。49才と言う、女としてのギリギリの年齢だと言う事を彼は知ら
なかった。
照江は後悔していた。
蔭山の愛撫を受けながら、今自分のしている事が急に怖くなった。
(なんでこんな事をしてしまったのだろう? )
そんな思いに駆られていたのだ。
その為、蔭山との行為を、心から楽しもう等と言う余裕は、彼女の何処にも
無かった。
だが、それはそこまでの話であった。
彼女の気がつかない部分で、照江の身体が、微妙に変化を起こしていたので
ある。
蔭山の愛戯は、ボクシングで言えばボディーブローの様なもの、徐々にその
効果を表す働きが有った。
照江の身体に、今まで感じた事の無い甘い感覚が、肉体の中から自然に湧い
て来るのを感じていた。
(これはなに・・? この感覚な何なの・・? うそ・・、なんか変・・私
なんかおかしい・・。)
そんな葛藤が心の中で行われ始めた。
微かに感じていたその感覚が・・次第に大きく膨らみ始めたのに驚いた。
何とか堪えていたものが・・ついに堰を切った。
「あぅ~!」
照江の堤が崩れた瞬間であった
<影法師>
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