それまでは、人形の様にただ横たわっているだけの身体が、それを期に、大
きく反応を示し始めたのだ。
いきなりその腕が、蔭山の頭を抱え込んだ。
彼の愛撫を、照江の肉体が強く求めた。
「あぁぁ~、いぃぃぃ~~ぃ。」
蔭山は照江の変化を察した。
ここまでくれば、この女は半分自由になった様なものだと感じた。
「柴田さん・・素敵だ、貴女の身体・・素敵ですよ・・。」
照江の中に、次第に余裕が出来ていた。
身体から余分な力が抜け、それがさらに照江の心に余裕を与えたのだ。
その為、蔭山の甘い言葉が、彼女の耳に届く様になった。
(そんな事、言われた事も無かった・・、そうなの? 本当にそうなの?)
股間が押し広げられ、実にアッサリと、大事な部分への愛撫を許していた。
夫以外の男性にその部分を見せる恥ずかしさは有ったが、彼の与えてくれる
悦びに負けていた。
「あぁぁ~ぁ、だめ~、そんな~ぁ~~、だめ~~ぇ~。」
部屋の中に、照江の声が響き渡った。
さてその夜、照江の自宅でのお話ししましょう。
夫に嘘をつき、初めて夫以外の男性と交わった照江。
その胸中は、如何なものであっただろうか?
照江が家に帰った際、既に夫も帰宅していた。
その夫に向かい、
「お食事は?」
そう声をかけた。
「希代子がやってくれた。」
希代子とは勿論彼女の娘だ。
まだ結婚もせずに家にいる。
年は既に30才を超えているが、本人にはその気が無い様だ。
母親の照江を見ているせいか、あまり結婚に興味を示さない。
母親が、決して幸せそうには見えないからなのか・・?
「キヨちゃん、ありがとうね。」
同じ部屋にいた娘に、そう礼を言った。
「珍しいわね、お母さんが遅いなんて・・。」
「―急に仕事が入っちゃって・・。」
照江は、無難な口実を言って誤魔化した。
「お母さんの仕事でも、残業なんかもあるんだね?」
その事を言われると、照江は落ち着かない。
「―そうね、時々有るみたいね。」
さり気なくそう言ってかわした。
気のせいか、まだ照江は股間に、違和感を覚えている。
無理もない事だった。彼女がそれまで知るセックスとは、あまりに異なった
仕打ちを、照江は蔭山から受けていたのだ。
初っ端から、正上位一辺倒の夫とは異なり、照江の知らない、様々な破廉恥
ポーズを教えこんだ。
特に蔭山が好んだのが、対面座位と呼ぶ体位だ。
照江に二人の結合部分を見せつけながら、さかんにその感想を言わせた。
「如何、良く見えるでしょう? 柴田さんのオ○ンコに、ホラ僕のオチンチン
が入っている処見える?」
イヤと思いながらも、何故か視線がそこに行ってしまう。
「―凄いでしょう・・、ホラ、もっとよく見なきゃ。照江・・ほら・・ジュボ
ジュボ音が聞こえる・・なんてイヤらしいオ○ンコだ。」
照江は生まれて初めて、繋がっている場面を見た。
自分が蔭山が言う、厭らしい人間になった様な気がしていた。
その後も、照江の知らない体位を駆使して、蔭山は彼女の中から一向に引き
抜こうとはしなかった。
そんな行為を、その晩タップリと仕込まれた照江だった。
夫や娘にも、済まない気持で一杯だったが、その事を二人に気づかれる事は
無かった。
何故なら、外からは、彼女がその様ないやらしい行為を行っていた事を示す
ものは、何も無かった。
<影法師>
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