「冴子様、どうぞこれにお着替え下さい。」
ある意味着せ替え人形的な面が有るのが、ここでの冴子の生活だ。
正に、大奥の御台所様の様だ。
滝嶋が差し出した衣服(露出部分の多い、衣服とは名ばかり)に着替え始め
た。
淡いグリーン色のキャミソール・・そんな感じの布切れを纏った。
「冴子様、お厭でしょうが、今日の行為の一部始終を撮影させて頂きま
す。」
滝嶋が行き成りそう宣告してきた。
「そんな・・、何でそんな事をしなければいけないの?」
思わず言い返したが、
「今日の結果により、冴子様のこれからが決まると思って下さい。」
「私のこれから・・?」
「そうです、ここから出られるかもしれないと言う事です。」
考えてもいない話だった。
「帰れるのですか?」
「無論ご主人様のお気持ち次第ですが・・、冴子様のお気持ち次第だとも言
えます。」
滝嶋の言う意味が、今一つ理解出来ずに居た。
「では、参りましょう?」
滝嶋の先導で、冴子は男の待つ寝室へ向かった。
此処に初めて連れ込まれた時と同じ様に、ベッドの周囲にビデオカメラがセ
ットされていた。3方向からの撮影だ。
そのベッドの上に男は既に横になっていた。
部屋の照明が落とされ、ベッドを照らす照明に切り替わった。
滝嶋の姿が、冴子の視線から消えていた。
ベッドの上に座ったままで、冴子は男に抱き寄せられた。
「冴子、家に帰りたいか?」
男がストレートに訊ねて来た。
「ご主人さまは、意地悪なんですね。」
冴子の乳房を男は揉んでいる。
「如何してだ?」
「冴子の気持を、とうにお判りのはずです。」
「知らんぞ、お前の気持なんか。」
「ご主人さまは、私にいろいろと仕込んでおいて、その挙句、私を放り出す
おつもりなんですか?」
これは嘘ではなかった。
冴子は此処で様々な性戯を教え込まれた。
夫との夫婦生活では考えられない様な、破廉恥極まる行為もさせられた。
口枷をはめられ、涎を垂らした姿で、まるで犬の様に犯されもした。
アナルを責められた時は、その痛みで涙さえ流した。
今はそのアナルで、快感も得られ、バックスタイルで交わる事も苦では無か
った。
「亭主じゃ不満か?」
「知りません」
「そうか、そうか・・。」
男が突然その口調を変えると、バスローブの前を広げた。
男の逸物が剥き出しになった処で、冴子は黙ってそれに口を運んだ。
<影法師>
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