工藤の訪問に、そこにいた若い衆が一斉に立ち上がった。
「ご苦労様です、何かありましたか?」
中で年長の男が、工藤の前に立って応対してきた。
「先程、ここに運んだ連中如何した?」
「地下に閉じ込めていますが?」
「それだけか?」
工藤は、その先の事も読んでいた様だ。
「いや、許しは受けていましたから・・女の方は・・。」
「もういい、チョッと覗かせてもらう。」
男は、冴子を見て気まずそうな顔で工藤に声をかけた。
「工藤さん、女の人には・・?」
「いいんだ、それが御希望だから・・。」
二人の会話を聞いて、冴子には何となくそこで行われている事が想像出来
た。
階段を下りて行くと、案の定女性の声が聞こえて来た。
「いや~、やめて~、おねがい、やめて~!」
絶叫に近い声だ。
工藤がその扉の前に立ち、冴子に向かって伺いを立てた。
「ご覧になりますか? 」
冴子は気持ちが半々だった。
何が行われているのかを知りたい気持ちと、想像出来るその光景等見たくも
ないと言う思いだ。
冴子は自分に突っかかって来たあの若い二人が、その結果どんな制裁を受け
る事になるのか、それが知りたかった。
「開けて下さい。」
女の悲鳴が声が更に大きくなった。
中に居る男達の視線が、一斉に工藤と冴子に注がれた。
「ちょっと見せてくれ。」
工藤が男達に声をかけると、冴子を部屋に入れた。
「助けて・・止めて! お願い誰か助けて・・。」
先程の若い女が、全裸にされて、3人の男から嬲りものにされていた。
何度も犯された様で、股間から出血していた。
男の姿はない。どこか別の場所に居る様だ。
冴子は若い女のその姿をジッと見ていた。
工藤もそんな冴子を横から眺めていたが、
「もうよろしいのでは?」
頃合いを見て、声をかけた。
「ちょっと良いかしら?」
そう言うと、冴子がその輪の中に一歩踏み込んで行った。
若い女の目が、冴子に注がれた。
場違いの冴子を見て、
「助けて・・お願い、助けて・・。」
必死の表情で冴子にすがった。
冴子は女の前にしゃがみ込むと、
「私を覚えているでしょう? デパートで貴女が因縁つけたのは私よ。」
若い女は怯えていた。
「ごめんなさい、謝るから・・・お願いここから出して・・。」
「ダメよ、私を馬鹿にした罪はチャンと償わないと、これからは相手を良く
見るのね、それを良く覚えておきなさい、まあ精々頑張って。」
自分でも酷いと思える言葉が口に出た。
そして同時に。自分にはその力があるのだと言う事も冴子は知った。
「お願い・・たすけて・・いや~!」
冴子が背中を向けた途端、再び蹂躙が開始された。
「工藤、帰ります。」
冴子は、その場にいる男達に聞こえる様、大きな声で工藤に命じた。
<影法師>
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