月曜日。週の頭。夕方。
「ただいまー」
部活から帰った恵美がリビングに入ると、兄の健司がテレビでゲームをしていた。
その横には、昨日の恵美のように、母親が便器に固定されていた。
「あれ?今日もやってたの?」
「知らね。ガッコから帰ったら、そんなになってた。」
おやつをつまみながら、シューティングゲームをしている。兄は、高卒後に資格をとるために専門学校に通っている。
「じゃ、夕飯は?」
「そろそろ作らなきゃ。カレーでいい?」
「えー。おとといハヤシライスだったじゃん。」
兄がふくれる。なら、つくってよ・・・。
かばんをおいてから、着替えてリビングにいくと、白目をむいていた母さんが、急にビクンとして起きた。
「あ、おかえりなさい。ごめんね恵美ちゃん、今日、急に頼まれちゃって。」
「あ、いいよいいよ。お母さん休んでて。」
ピンポーン
休んでもいられないか。
「はーい。」
「すんませーん、トイレ貸してくださーい」
「どーぞー、あいてますよー」
大学生くらいの人が3人ほど入ってきた。
「うっわ。使いっぱなしじゃん。まだ前の奴の精液かたまってねーし。」
「いいじゃん、ローションがわりっつーことで。」
「俺パスな。自分でするわ」
お兄ちゃんくらいの人かな?お兄ちゃんは自分の部屋に帰ったみたい。
「おっ、いいねぇ。たまんねー。中はむちゅむちゅするぜ?」
「なんだよその擬音www」
「いや、ほんとだってwww」
私にはまったく関心もなく、母さんだけを相手にする。
これが日常。これがルール。そしてこの町の秩序。
「すっげー、なんか中で動いてる」
「早く出しちまえよ」
「おまえも入れたら?」
「ま、いっか、よいしょっ、と」
「あぐっ、ああっ」
どうやら、1つの穴に2本ねじこんだみたい。
「むりっ、さけちゃう!アナルに、アナルにいれてっ」
「なんか聞こえた?」
「いや、なんも?」
ぐっじゅ じゅっぶぶっ
「うっ、やべぇ」
二人の動きが止まった。
あー、なかに出しちゃってる。
「ちょっとどいて」
二人を押し退けて、3人目がしごきながら近づいていき、
びゅるっ びゅっ
胸から腹にかけて、大量に出した。
3人はすっきりとしてズボンをはくと、代金を置いて帰っていった。
「母さん、大丈夫?」
ビクビクンと痙攣を繰り返しながら、なんとか、首だけを縦に振ったが、きつそうだった。
お兄ちゃんがリビングに入ってきたので、母さんの後始末をお願いした。ゴム製の手袋をして、しっかり中をかき出していた。さすがに余裕だ。私じゃ、手首まで入れたら声が出ちゃう。母は強し、だね。
しかし、ローションを手袋にぬってアナルに入れようとしたら、さすがに声が出てたみたい。
カレーを作りながら、母のイク声を背中に聞いていた。たぶんお兄ちゃんのことだから、いじわるして、アナルと前の同時に手首まで入れたのだろう。
便器を抱えてリビングからでていき、看板をもってリビングに入って戻ってくるまで、母さんはビクともしなかった。
「カレーできたよー」
と呼び掛けると、ノロノロと風呂場の方によつんばいで出ていった。入れ替わりに、父が帰宅した。
月曜日の夕飯はカレー。
風呂上がりの母と、ビールをのみながらテレビを見ている父。なんだかんだ言ってカレーをがっつく兄。普通の家庭の普通の夕食の光景。
「今日はね、2丁目の峯藤さんが当番だったんだけど、たまたま生理がかさなっちゃったらしくてね。」
「それでね~」
「で、今日は何人だったの?」
「30人。あ、最後の入れて33人か。そうそう、またあのニートっぽい子きてたわよ?」
「えー、影山?またきたの?」
私の同級生だ。中学からいじめられてて、高校にはこなかった。バイトしてるって聞いたけど、続いてないみたい。
「でね、すんごいの。10分に3発もだしちゃって。ありゃ、相当ため込んでたのよ。やっぱ若いんだから、外で発散しなきゃね!」
夕飯どきの会話じゃないし・・・。
「父さんも若いときは、何発だって出たんだぞ!」
聞きたくないし・・・。
「まぁ、あの頃は、こんな便利な制度もなかったから、健全な射精はできなかったんだけどな。今の子たちは恵まれとるよ。うん。」
そう、この制度、これのおかげて、うちの町からは性犯罪は消えた。幼い子が誘拐されることもなくなったし、会社帰りのOLがレイプされることもなく、電車での痴漢行為もなくなった。
「当番制町内公衆トイレ法」
制定されたときは、女性からのブーイングも多かったみたいだが、生理日の拒否権や、新婚さんに対する拒否権、あとは手厚い住民サービスと女性の税金免除、公共交通料金の免除、公立学校の無償化など、女性に優しい街づくりもあわせて行われ、今では誰も反対していない。
ちなみに、不妊のための施術と堕胎手術は無料である。
町の人口は増え、なぜか出生率もあがり、町は街へと、市へと転換していこうとしていた。
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