ただでさえ金欠気味の俺なのに、鼻血のせいでさらに貧血気味を追加された身体を無理矢理起こし、夕飯にありつくためにリビングにむかった。
すでに息子と妻は食べはじめており、私のハンバーグが息子に狙われていた。
「起こしてくれよー」
「起こしたわよ。でも、うわごといってたから。」
ギクッ・・・。何かまずいことでも言ってたかな・・・。
席に座り、冷めかけたハンバーグを食べる。うまい。
「明日は何時から?」
「11時から面談だよ」
「授業参観しないといけないだろ」
「いいって別に。なにを張り切っちゃってるの。」
「で、先生って男か?何才くらい?」
「ちょっwwwそんなこともしらなくて参観日にくるなってwww」
「いいじゃないか!知らないから知るために行くんだよ!」
妻が笑いながら見ている。
「ほんと、あなたたちっていいコンビね。漫才のセンスあるわよ」
日がな一日、家事がおわればテレビを見ている主婦代表に太鼓判を押されてしまった。
食後に、風呂に入る。
あとから、息子も入ってきた。
「なんだよ、別々に入ればいいじゃないか。」
「このあと見たいテレビがあるんだ。見たら寝るし。」
シャワーだけですますつもりか、早速頭を洗いはじめた。
風呂イスに座った息子のムスコがみえる。おぉー。ムケムケじゃないっすか。しっかり成長してんだな。小学生卒業までムケてなかったので心配してたんだが。
それにしても、長くないか?俺のより。タマも。
身体を洗いながら、観察する。
「なにみてんだよ」
「大きくなったな、ムスコよ」
「キモッ!ホモかよ!!」
多感な時期は扱いづらいな。出ていくときに、洗面器を投げられた。
また鼻血が・・・。
やべぇ、浴槽に使ってたら死ぬ。
あわてて洗い場にあがり、あおむけになり鼻血が止まるのを待った。
あー、あんな痴女と一緒に走るんだったら、もっと走るのになー。もっと痩せてたらなー。
運動不足な自分を呪いつつ、今日の短パンのお尻を思い出した。スラッとした足は、まるで日本刀のように切れ味するどくシャープに、おしりに続くラインできれあがって・・・。そこにコードが巻き付いていて・・・。
勃起した。ゆっくり上下にしごく。
ガラガラガラッ・・・。
「なーにやってんの!」
全裸の妻があらわれた。
「もうあがったと思ったのに!なに鼻血出しながらオナッてんのよ!息子に見られたらなんていうのよ!」
「おおきくなったな。」
「大きくしたんでしょうが!さっさとあがりなさい!もう、どんだけたまってんのよ・・・。」
しぶしぶ風呂から出ていく。豊満な乳房をゆらしながら、かわりに妻が入ってくる。
と、すれ違いざまに亀頭が妻のおしりにこすれる。
うっ・・・。
びゅっ びびゅっ びゅぅぅぅっ
「なに、やってんの・・・。」
妻があきれて私を見る。そんな、哀れな表情で私を見るな。
お腹から胸にかけて飛び散った精液を見ながら、「たまってたんだよ」と捨て台詞をはいて浴室から逃げる。
いやぁ、まさかあのタイミングで出ちゃいますか、ムスコよ・・・。早漏になったのか、はたまた元気がありすぎるのか。
脱衣場で下を向いてムスコに語り掛けていると、亀頭に血がついた。鼻血。まだ止まってなかった。
結局、1発出して満足した私は、そのまま寝室で眠ってしまった。
「あなた、寝たの?」
夢のなかで声が聞こえる。ああ、寝てますよ。
「父さん、起きないよね。」
息子の声もした。ああ、寝てますから。邪魔しないでくれ。
不思議な感覚のまま、さらに深い睡魔が襲ってくる。
「くすり、効いてるみたいね」
もう、何も聞こえない。
なんだか心地よい揺れが身体を包んでいく。
翌朝、すっきり爽やかに起きた私は、学校の駐車場を確保するために少し早めに学校についた。
1時間目が始まる少し前で、参観授業は2時間目からだ。それでも、いくらか駐車場が埋まっていて、入りきれない車はグランドに誘導されていた。
土埃がまうから、グランドには置きたくないんだよね。
数台の車が止まるグランドに目をやると、どこかでみた車があった。
青の軽。しかも車種同じ!
すごいじゃないか!今日参観日に来ている親のなかに、あの痴女がいるのかもしれない!
いや、まてよ?もしかしたら、旦那が乗ってきたのかも?
いま廊下で待ってる保護者のなかでは、父親と母親が半々くらい。うちは妻が町内会の役員で今日は会合がある(たぶんカラオケ)からって、きてない。(あなたが行くから、私は今日はいかないわ、と言われた。)
しかし、全校3学年で同時にするから、この階にはいないのかもしれない。
ニュータウン建設の時にあたらしく作られた校舎は5階建て。1階が職員室と教材室。2階が1年で、3階が2年。3年が4階で、今いる5階は音楽室とか書道室とかになってる。
私は、参観授業が始まる前に、4階と3階をウロウロと通過してみた。
いない・・・。
やっぱり、旦那が乗ってきてるのかな。
2時間目になり、授業が始まった。参観授業は音楽だ。担任が音楽の先生だからってのを、隣にいた保護者からきいた。
「私、先生をみにきたんですよ、おたくもでしょ?」
にやける父親に、いまいち理解できない。
参観日に不謹慎な。授業を見ろよ。
教室の奥にある、音楽準備室から先生が出てくる。
長い髪の毛をポニーテールにし、目立たない紺で統一されたスーツをきた、足のスラッとした・・・。
あー!
痴女・・・。
「へへっ、やっぱきれいだなぁ・・・。うちのかかぁとは生まれが違いますわぁ」
にやける隣の親。
「おたくもトリコになっちゃいましたか?」
目が離せない。静かにしろ。
「はーい、静かに!当番は誰?」
「起立!礼!おはようございます」
日直が号令をかける声で我に返った。
「はい、今日は参観日ですが緊張せず普段の授業をしましょ×※△◇☆」
「先生が緊張してんじゃん!」
生徒の一人がチャチャをいれると、爆笑になった。
「しずかにー!」教卓を日誌で叩きながら怒る顔も、どこか幼い。
「あれで30間近の独身ですからね。つまみぐいしたくもなりますねぇ。」
隣の男、なぜそこまで詳しい。ストーカーか?
「保護者の皆様、おはようございます。今日はお忙しい中、授業参観に参加してくださいましてありがとうございます。できるだけ普段の授業をしてまいりますので、どうかよろしくおねがいします。」
なんだかよくわからない挨拶だ。やはり緊張しているのか?
「はい、はじめますよー。」
ピアノの前に座り、授業が進行していった。歌ったり歌わせたり。難しい用語も出てきたり。
あっという間の45分だったが、息子は発言せず窓の外を見ていた。
私は先生との三者面談に期待を膨らませ、股間も膨らませ、教室をあとにした。
面談の時間は、午前の一番最後、11時からだ。それまでにトイレにいかなきゃ・・・。
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