しばらく、運動公園を走り回った。家から徒歩10分。山を切り崩したニュータウンの裏手に、学校のグランドを少し大きくした運動施設がある。まわりは、まだ森が残っていたり、アスレチック施設があったりして、休日になると弁当持参の家族連れがいたりする。
今日はいないみたいだが。
ふと、公衆トイレが目にとまる。
あぁ、ここなんだな。DVDに出てきた現場は。こんな近所で、あんな変態行為をしていたのか。
グランドを首輪だけで走り、小学生が使うような低い鉄棒にまたがり自慰をし、緊縛してベンチに放置されていた映像がフラッシュバックする。
勃起した。
といっても、包茎の、最大10センチにしかならない粗末なもの。
小便でもすれば、すぐに萎えるはず。
公衆トイレに入った。
男性用小便器にむかう。ここでもやってたな。
視界に、A4の貼り紙が飛び込んできた。
「きれいに使いましょう」
「公衆肉便器」
ポップな文字で書いてあるタイトルの下に、まぎれもない、そう、今うちのベランダに放置してある便器の写真が貼ってある。
頭の上で手に手錠をかけられ、体はすっぽりと小便器にはさまり、だらしなく口をあけ、しゃがみこんだ足は180度股を開き、蹲踞の姿勢になっている。
胸にはマ○コマークを書かれ、腹には肉便器と書かれ、「お口に精液ちょうだい」と書かれている。
唯一の救いは、アイマスクがしてあり、よっぽどの知り合いでなければわからない、かもしれない、というところだろうか。
局部にはモザイクもされておらず、身につけているのは首輪とアイマスクだけ。
そんな広告が、小便器の上に並んでいた。4つの小便器に4枚の広告が。
大便器の個室をのぞいてみた。そこにも2枚。
まだ朝10時。いつから貼られていたかはわからないが、昨日からなら剥がされていたはずだ。少なくとも、昨日の夜から今朝にかけてか。
冷や汗が出た。
こんなの、知人に見つかったら・・・。
足音が聞こえた。
「おはよーございまーす」
顔見知りの50代の清掃員だ。
「うわ!なんですかこれ?ひどいなぁ・・・。」
見入っている。
「こんなの公共の場に貼るなんて。迷惑な奴だな」
怒ってるのか?
「まったくですね。すぐにはがしましょう。」
私も一緒に怒る。
全部剥がし、ゴミ箱にたたき込む。しかし、1枚だけそっとポケットに。
「まったく、どこのやつかは知りませんが困りますよね」
彼は、本当に困ったように床を掃除しはじめた。
「こないだなんて、便器じゃなくて、(床を指差し)ここにウ○コしてたんですよ?最初犬かと思いましたが、わざわざ犬が便所まで入ってきてするわけないじゃないですか。しかも、かなり大きいし。犬だって外ですりゃあ砂かけて隠しますよ。ありゃあ、変態趣味の犬以下のばかたれですよ。」
そんなことまでしていたのか・・・。
「そんなの、犬と比べたら犬に失礼ですよ」
私がそう言うと
「それもそうですな!」
と笑って返してくれた。
便所をあとにした。
家に帰ったら、便器に教えてやらなければならない。クソは床や玄関で撒き散らすもんじゃないぞ、と。
しつけだ。
帰り道に気が付いた。
パンツの中で射精している。べとつく。
昔から、精液の量だけには自信があった。玉の大きさだけは、だれにも負けないと思う。こんな大きなものをぶら下げているのに、竿はたいしたことがない。
しかし、手で触りもせずに出るのは、夢精でもしないかぎりありえなかった。
短時間に何発もでる、絵に書いたような早漏だが、妻の中で漏らしたことすらない(まだ子づくりをしたくなかったのもあるし、なにより出すときに抜けてしまうほど短いので)のに、なにも今ここで漏らさなくても・・・。
そう、妻にすら中出ししたことないのに。犬ごときに先をこされるなんて。
情けなくなった。同時に、怒りすら覚えた。
便器に。
帰り道にあるスーパーで、昼飯を買う。トイレに入り、下着を脱いで捨てる。
ペットショップにいき、大型犬用の頑丈な首輪とリードを買う。餌皿と水皿も。
「ただいま」
ドアをあけるとき、いくらか躊躇した。ゆっくりあけた。ありえないとわかっていても、もう二度と頭からクソをかぶるのはごめんだ。
芳香剤のおかげで、いくらかニオイがましになっていた。
ベランダに、便器が横たわっている。死んだか?いや、動いた。寝てたのか?
俺が恥をかいているときに、こいつは寝ていたのか?
洗濯機までいき、下着をとりかえる。最新機種とはいえ、畳むことまでは洗濯機にはさすがにできない。洗濯機にそこまでは求めていない。
妻なら、畳んでくれていただろう。
なくなったものを、いつまでも頼りにするのはやめよう。乾燥さえしていれば、たたまなくても着れるだろ。
テレビをつける。朝飯が軽かったから、昼は天ぷら弁当にした。
テレビは、ただつまらなく、同じことを巻き返し繰り返し・・・。
くだらない。
ベランダにいき、窓を開ける。
「おねがい、ゆるして・・・。」
「勝手にしゃべるな。犬以下のくせに。」
そう言ってから気付いた。俺は犬以上なのか?
許しを請う、哀れな便器に命令をする。
「おい、お前なんか芸しろよ。テレビつまんねぇんだわ。」
それだけ言うと、窓を閉めて鍵をかけた。
テレビを消して、ベランダの窓を見ながら飯を食う。
うずくまっていた便器が、のそのそと動き始めた。
私のほうをむいて、立った。
がに股になり、性器を両手で開いた。ビラビラをひっぱっている。
つるつるのアソコは、年相応に色素沈着しており、ピアスをつけたクリトリスだけがやけに勃起していた。
あんなに大きかったかな。乳首と同じか、それ以上にデカい。
海老天がうまい。味噌汁もほしくなり、インスタントを作りはじめる。
私が無反応なのをみると、バイブを拾った。何回か口に出し入れし、便器穴に挿入した。濡れてないと入らないからだろう。
クリトリスにつけたピアスを左手でひっぱりながら、凶悪なバイブを出し入れする。
顔が真っ赤だ。だんだん、足が震えてきた。
ポタッ、ポタッとベランダの床に汁がたれている。
弁当を食べおわると、窓の近くまでいってみた。
服を脱ぐ。
窓を挟んで、元夫婦だった二人が、いや、今は一人と1匹が向かい合う。
二人をわける窓ガラス1枚で、人間か否かが別れている、不思議な感覚だ。
あいかわらず、オナニーをしている。今度はしゃがみこみ、床にバイブを押しつけて上下に動きながらも、クリトリスを引っ張り、乳首をつまんでいる。
これが、私が愛していた妻の本性。
すでに勃起していたペニスを、見せ付けるようにしごく。
ものの数回で、窓ガラスに精液が飛び散る。
しかし、しごくのを止めない。手が、止まらない。
3回射精するまでに、10分はいらなかっただろう。窓ガラスが、精液だらけになった。
窓を開け、髪の毛をつかんで中に引きずり込む。
「なんだ?何か言いたそうだな?あいかわらず早漏ね。ってか?そうだよ、俺は種馬なみに出るんだよ。で、おまえは何なんだ?単なる精液処理の肉便器なんだろ?だったら、これも舐めとけよ。昼飯だ。」
妻の顔を窓ガラスに押しつける。舌を出して、舐めはじめた。
やっぱりな。好きなんだ、精液が。
全部きれいにするまで舐めさせ、最後は足拭き用の妻の服で磨かせた。
リビングの隅に、便器を置く場所を作った。ベランダにいて、ご近所様の目を汚してはいけないからだ。
首輪を与え、餌皿と水皿を置いた。
排泄は、バケツにさせるほか、散歩中にするように言ってしつけた。決して、床や玄関、室内でしないようにさせなくては。
うちのマンションはペット禁止だが、便器を飼うことは禁止してなかったのが幸いだった。
夕方になっていた。西日が強く差し込んできた。
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