少し、痛いかもしれない。
強く握った彼女の手首をひっぱり、アパートの階段をあがる。
「…た…貴之さんっ…」
部屋に入ってすぐの壁に、彼女の小さな身体を押し付けて黙りこんだ。
心臓が熱い。早鐘のように脈打って、彼女の言葉がぐるぐると頭の中を反芻している。
彼女ゎ緊張しているのか…怖いのか、強く握った手首が微かに震えていて
暗い部屋の中には、俺と彼女の2人だけ。
…2人だけなのだ。
気づいたら、彼女の柔らかい唇に食らいついていた。
「…っ…ふ…」
性急に、何かに掻き立てられるように。
何度も何度も、温かな唇に吸い付き、行き場を失った吐息が鼻から逃げていく。
彼女の手首を離し、頬に手を添えてより深く口づけあった。
探るように舌先で唇をなぞると、受け入れるみたいに開いた隙間。
そこに舌を侵入させて、彼女の舌と絡み合う。
ヌルっとした感覚と、響く水音に頭の芯が痺れて、酷く興奮する。
下半身に熱が集まって、もう止まらないのだ。
「…ぁ…ん…ふぅ…っ」
暗闇に慣れた目を薄く開けると、彼女の瞳と視線がぶつかった。
彼女の腕が俺の首に回って、そのままその場に崩れるように座り込んだ…。
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