息を少し荒げたまま、彼女は大きな瞳を更に大きくした。
私は
「嫌だったんだろ?
無理矢理こんな事しちゃって悪かった」
と言い彼女の衣服を整える。
明らかに動揺している彼女。思いもよらず快楽を失った事でどうすれば良いか分からないのであろう。
頭を優しくなぜてやり、タバコに火をつけた。
セブンスターの香りが車内に広がる。少しスパイシーな、強い香り。
半分ほど吸ったところで彼女が口を開いた。
「違うの…」
か細い上に震えていて車内にBGMを流していたら聞こえなかったかも知れない。
「違うの…
嫌…じゃない」
――分かっているよ。
そう言ってしまいそうになるのを必死で堪えた。
タバコを消し深く息をはいた後、座り直して体を彼女の方に向ける。
街灯の明かりでも見てとれるくらい頬が昂揚している。
彼女の柔らかな髪の奥の耳に出来るだけ口を近づけ、今この世で彼女にしか聞こえないほどの声で呟いた。
「息じゃないの?
なら…どうしてほしいの?」
私の息を感じてか彼女がピクンと反応する。指先を絡めて口元に持って行き、綺麗な人差し指をくわえ軽く舐めた。
「…っあ」
彼女の鼓動の音が伝わってくる。とても早く、強い音。
「ねえ舞ちゃん?
どうしてほしいの?」
彼女の首筋に僅かに爪を立て鎖骨の辺りまでツーっとなぞる。その度に彼女はビクッと反応してくれているようだ。
私の人差し指と中指を彼女の口に半ば強引に入れる。
「んあっ…」
微かに涙目になり色気を増す彼女。
少し強めに私はもう一度聞いた。
「どうしてほしいんだ?」
答えられるように指を抜いてやり返事を待つ。
すると震える声で
「して…っださい」
と呟いた。
私が黙っているのを見て深く息を吸いもう一度私に言った。
「私を…きっ…気持ち良くしてくだっさい…」
すいません!
次から官能小説になると思われます。
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