「へ~!良い家に住んでんだねぇ~あんた!
かな~り高そうだね~!
流石お金持ちだね~!」
家の玄関先に立ち
真由美が腕組みをしながら皮肉たっぷりに言った。
「う ううん そんな高くなんてないよ 普通だよ」
「この家のどこが普通なのさ! 謙遜するんじゃないよ! ど~せあんたには住めないわぐらいに思ってんでしょ?」
「そ そんなこと‥」
「あ~五月蝿い五月蝿い
早く中に入れて冷たい飲み物でも出してよ
気が利かないね~!」
「あ!うん ごめんなさいね どぅぞ入って」
リビングのソファーにどっかりと座り
あたりを物色するかのごとくキョロキョロと見渡す真由美
「高級そぅな家具ばかりだね~!」
テレビも私のよりはるかに大きくて‥」
(贅沢三昧な主婦って感じだねまったく‥)
煙草に火をつけイライラしながら組んだ脚をプラプラさせる真由美
煙草を灰皿で乱暴に揉み消すとすっと立ち上がり
サイドボードの上に飾ってあった写真立てを手にしながら‥
「この一緒に写ってる人があんたの旦那?」
「え? あ!うん そぅよ
私の主人なの」
「へ~良い男ねぇ~」
(ふん! なによこいつ
立派な家に住んでこんな良い男旦那にして!
むかつく女!)
「幸せそぅねぇ~!
こんな立派な家に素敵な旦那さんで」
「うん とっても幸せよ 主人もすごく優しいし」
この英子のごく普通の素直な返事が真由美の感情を逆なでしてしまう‥
(こいつやっぱりむかつく女だね‥
こいつの泣き叫ぶ面が見てやりたい‥
どんな手を使ってでも最低女に堕としてやるわ!
今に見てなさいよ~英子!)
アイスコーヒーをテーブルに運んで来た英子の顔を横目で見ながら
真由美はニヤッと微笑むのだった‥
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