柴田の手が強く乳房を掴んだ。
戸惑う由紀子の表情を楽しんでいる様だ。
「寝ていたのか?」
「ええ、寝ながらテレビを見ていた所・・、あっ!」
会話の途中で柴田が乳房にしゃぶりついたのだ。
唇と、舌の先で乳房の愛撫を加える。
快感が由紀子の身体を走った。
刺激に敏感になっていた身体は、柴田の愛撫に簡単に反応した。
「どうした? 何か有ったのか?」
「いえ・・たいしたことでは・・ええ、大丈夫よ・・ええ・・」
顔を歪めながら、その愛撫に必死に声を出さないように耐える。
「あまり無理するな・・、仕事もほどほどにしろ。」
「わ・かっ・・たから・・、アッ~!」
(早く電話を切って・・、このままでは声が出てしまう・・。)
心の中でそう願いながら、由紀子は柴田の愛撫に必死に耐えた。
「如何した? 気分でも悪いのか?」
「いえ、だいじょうぶ・・です。ほ・・ん・とうに・・へいきだか
ら・・。」
「そうか・・ならいいけど・・、留守たのんだからな。」
「はい・・わかり・・ました・・あっ」
柴田の舌が蜜壺に向けられた。由紀子の身体が大きくのけ反った。
「誰かそこに居るのか?」
「まさか・・何を言っているの・・、誰もいないわ、私一人よ。」
「そうか・・じゃな。」
そう言って夫は電話を切った。
由紀子はなんとか堪える事が出来た。
そして電話を切った後、由紀子は柴田の愛撫に再びのめり込んだ。
「あぁぁぁ~、だ・・だ・・めぇ~~。」
先程まで抱いていた柴田に対する怒りは、由紀子の中から消えていた。
柴田との行為に溺れるその姿は、まさに愛奴と呼ぶにふさわしいものだっ
た。
子供達にその気配を悟られない様、細心の注意を払っての柴田とのセックス
は、その夜一晩中続けられた。
翌朝、由紀子は子供達に朝食の支度をしてやる事が出来なかった。
原因は寝坊だ。
明け方まで続いた柴田とのセックスの疲れから、うっかりと寝過してしまっ
たのだ。
慌ててキッチンに向かうと、娘達は各々で朝食を摂っている所だった。
「ごめん、お母さん、寝坊しちゃったわ、ごめんなさいね。」
「夕べ遅くまで起きていたみたいだから・・無理無いよ。気にしなくてもい
いから・・。」
娘のその言葉に由紀子は背筋が凍りついた。
もしかして、娘達は何か気がついているのではないだろうか・・?
あれだけ注意を払ったつもりだが、母親の部屋にもう一人別の人物の存在を
感じていたのかもしれない。
いや、それだけでなく・・そこで行われていた行為も知られていたか
も・・、そんな不安が由紀子の胸の中に広がっていった。
「遅くまでテレビ見ていたから・・、ダメなお母さんね。」
そう言って何とか誤魔化したが、湧き出た不安を拭う事は出来なかった。
夫に何かの拍子に話さないとも限らない。そんな事まで由紀子は考えてい
た。
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