玲奈の態度が急変した。
俺にしな垂れかかり、急に甘え始めたのだ。
「ママにもこんな風にしたの?」
「それは如何かな・・?」
玲奈は芳江の事が気になる様だ。
「ママとは何処で知り合ったの?」
「今度は尋問か?」
「ううん、聞いてみただけ、別にどうでも良いけどね。ママはママ、私は私
だもの。」
冷めた親子だ。
俺と恵子や、真理子親子とはえらい違いだ。
この違いは一体何なのか・・?
そんな事を俺は考えていた。
「今夜泊まっていったらママどんな顔するかな?」
「卒倒するではないかな?」
俺は冗談のつもりで言った。
「まさか! でも期待を裏切っても悪いよね、此処はいい娘を演じていた方
が
私にも都合がいいし・・。」
「参ったね・・。」
俺はそんな玲奈の言葉を聞いて、そう一言言った。
「参ったのは私の方よ、如何してくれるの・・もう他の男じゃ満足出来なく
なくなりそうよ・・。」
嘘か真か、玲奈がそんな言葉を吐いた。
「責任とってよね、彼方が悪いのよ、判っているでしょうね。 」
それは、今後も相手になれと言う事なのか。
「結婚する気はないの?」
「ママと同じ事をさせたいの? 私に?」
成程、玲奈の言う通りかもしれないな・・俺は変に玲奈の言葉に納得してし
まった。
家の前まで玲奈送り届けると、門前で別れた。
「寄っていけば良いのに・・、どうせパパは居ないわよ。」
「居たら大変だからね・・。」
俺は玲菜を見てそう言った。
「そうね、大事な娘と、妻まで寝盗られているのですものね?」
恐ろしい事を平気で言う玲奈だ。
「まともに顔なんか見られそうにないからね・・。」
続いて俺はそう答えた。
玲奈は周囲を眺め、辺りに人の居ないのを確認すると、俺にキスをすると、
「それじゃねっ、また連絡するわ。ママには内緒でね。 」
玲奈はそう言い残すと、さっさと家に入って行った。
翌日早速芳江から電話があった。
「約束守ってくれたわよね? 何かあの娘、嬉しそうだったけど・・。チャ
ンと断ってくれた?」
「勿論だよ、君にウソはつかないよ。玲奈ちゃんなんか言っていたの?」
「何も言ってはいないけど・・本当ね?」
芳江はしつこい位そう訊ねて来たが、俺は一切何も語る事はしなかった。
(そんなに心配なら・・なんで俺と合わせたのだよ。オオカミの前に餌を差
し出したのはあんただよ。)
俺はそんな事を頭に浮かべながら、芳江との会話を終えた。
次回の更新は9日朝を予定しております。(影法師)
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