母が愛しそうに頬を膨らませ、ペニスをしゃぶっている姿を、俺は仰向けの
体制で眺めていた。
時折俺の方に顔を向けると、微笑みを浮かべながら、
「気持ちいい?」
そう俺に訊ねた。
ひと時の列情が治まり、俺達の行為は楽しむ為のそれに変わっていた。
「親父から教えられたの・・それは?」
母の姿を眺めながら俺はそんな事を訊ねてみた。
「フェラチオ?」
「ああ」
「教えてくれたのは別の人よ、彼方は多分知らないと思うわ。」
意外な話だった。
「付き合っていた男?」
「そう、高校を卒業した後、中堅の商事会社に勤めた事あったのよ。
その会社の課長さんと暫く付き合っていた事があるの。教えたのはその
人。」
「年上好みだったの?」
「どちらかと言うとそうかな・・、同じ様な年の人は好きじゃなかった
わ。」
母の意外な過去が聞けた。
「初めての感想は?」
「驚いちゃった、だって咥えって言われたって・・初めは絶対に無理よね、
だって、ここはおしっこするところよ、まさかこんな行為するなんて思って
もいなかったから。」
母は手で俺のペニスを摩りながら、
「私のフェラチオ、どう?」
突然感想を求められた。
「上手いよ、でももっと、もっと上手くなってくれる?」
「判った、彼方が満足出来る様に努力するから・・、真理子さんに負けない
ように。」
母が思いがけない言葉を口にした。
それは、母が真理子の存在を受け入れたと言う事に他ならなかった。
「母さん・・。」
俺は恵子では無く、思わずそう呼んでしまった。
母は再びフェラチオに戻っていた。
「ありがとう・・母さん!」
俺はフェラチオに集中していた母に、心から感謝の言葉を口にした。
部屋の灯りを消し、枕もとの灯りだけが部屋の中を照らしている。
たった今、熱い交わりを終えたところだ。
「私ね・・自分でも信じられないのよ、今の私と言う存在が。」
「如何言う事?」
「私に、こんな面があったなんて・・考えてもみなかったわ、あの日まで
は。」
母が俺の腕の中で身を寄せて、話し始めた。
「あの日・・って?」
「彼方と結ばれた日の事。」
「ああ、あの日の事か、恵子自暴自棄になって居たよね、あの時は。」
父との不仲が原因で、母が浮気に走った時の事だ。
偶然にもその現場を知った俺が、母に思いを告げたあの日の事だ。
「彼方の思いを受け入れたものの、まさかここまで彼方を愛してしまうとは
思ってもいなかったわ。」
「確かにそうかもしれないね、俺だってそう思うよ。こんなにも恵子が愛し
く思えるなんてさ・・。」
「如何してなのか考えてみたの・・。何だと思う?」
母がその理由を俺に質問して来た。
「何かな・・? もしかしてセックス?」
「恥ずかしい話だけど・・多分そうだと思う。」
母は正直にそう口にした。
「彼方を産んだのは紛れもなく私よ、誰よりも彼方は愛しい人よ。例え身体
の関係が無くても・・私は彼方の為なら何でもしたと思うわ。
でも、私は彼方から歓びを教えられたの・・、女としての。
それは、彼方には判らないかもしれないけど・・私を中から変えてしまっ
た。」
「中から・・?」
「そう、母親と言う立場から、女と言う存在に自分から置き換えていたの
ね。
彼方に愛されたくて・・。」
「恵子・・。」
俺は初めて母の告白を聞いた。
「私達、今日だけでも・・もう3度もしているのよ、自分でも信じられな
い。以前の私ならあり得ない事だわ。」
俺は母を抱きしめた。
「判ったよ、恵子の気持は・・。」
「この年で・・セックスの虜になるなんて・・すごく恥ずかし事なの
よ・・。」
俺は母をじっと見つめると、その唇にキスをした。
「恵子・・。」
俺の呼びかけに、母は嬉しそうに微笑んだ。
母を腕の中に抱きよせ、
「セックスをしている訳じゃない・・愛し合っているだけさ、そんなの気に
する事じゃやない・・、男女が愛し合ってどこがいけないの? そうだろ
う?」
俺は母が自身を追いこんでいる事が気になった。
母なりに感じる事も多いのだろう。
「真理子さんも・・私と同じなのかしら・・・?」
母がふとそんな言葉を漏らした。
その言葉に、俺は思わず真理子の顔を思い浮かべるのだった。
次回更新は19日を予定しています。(影法師)
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