母との旅行から一週間が過ぎ、真理子からの連絡もないままだ。
母も心配なのか、何度かメールを寄こした。
<真理子さんから連絡あった?>
<いや、まだ何も言ってこない。>
<連絡してみたら?>
<いや、待っている。真理子の気持が大事だから・・迷っているのだろ
う・・多分。>
<そうね・・私もそう思う、じゃそうして・・何か言ってきたら直ぐに教え
て。>
<判った、直ぐにメールするよ。逢いたいね?>
<逢ってもいいよ?>
<いや・・我慢する、>
<そう、判ったわ・・愛している。>
<俺も愛している。>
<いい返事来ると良いね・・。じゃあね。>
母とのメールは、俺と母の愛情の確認でもあった。
そして、その真理子から待望の連絡が入ったのは、その翌日の事だった。
「真理子です、連絡遅くなって御免なさい。」
「いや、そんな事はいいよ。急いで答えを出さなければいけない事じゃない
から。」
「ありがとう、そう言ってくれると気が楽になるわ。」
真理子が正直な気持ちを話してくれた。
「それで、気持ちは決まった?」
「逢って話をしたいの、今度の休みに、彼方の処に行きたいと思っている
の・・、いいかしら?」
「日曜日だね、いいよ、良治君も一緒?」
「良治は預けて行きます。今回は私一人で行きますから。」
新宿駅に迎えに出る事を約束して、電話を切った。
母にも直ぐ、メールを打った。
<今度の日曜日ね、私も心がけておくわ。問題はお父さんね。>
<その事も、真理子にはいずれ話すつもりだ、だから今は親父抜きでいく
よ。>
<そういう約束だったわね、判った、お父さんには、この事は一切話さな
い。>
<じゃ、何かあったら又連絡するから・・。>
<判った・・、頑張ってね、これはあくまでも母親として言っているよ。>
<判っているよ、じゃあね>
母との連絡を終えると、俺はいよいよその時が来たかと改めて実感した。
真理子の返事次第では、俺のこれからの人生が大きく変わっていく事にな
る。
今までの生活が続く事になるか、それとも真理子と母を交えた、新たな生活
がはじまるのか・・全ては次の日曜日と言う事になった。
俺は大きく深呼吸をすると、再度俺自身を鼓舞する様に気合いを入れるのだ
った。
<長い間お読みいただき有難うございました。ひとまず、この話はここで終
了させていただきます。この先の話は、またいずれ機会を見て書いてみよう
と思います。俺と恵子、芳江、玲奈・・そして真理子との関係、そして最後
にチョットだけ登場したユミとの係わりは・・? (影法師)>
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