皮肉なことに、由紀子の眼がその明るさに慣れた時、そのショーは始まっ
た。
由紀子がいる場所は、観客によってコの字に囲まれたステージだ。由紀子の
前には黒人が独り立っていた。男はすでに全裸だ。
由紀子が驚いたのはその黒人の股間にぶら下がるものだ。
<何・・?>
それは、由紀子が知るそれとは余りにも大きさが違っていた。
大きさ、太さ、それがペニスとはとても思えないしろものだ。
その黒人が由紀子に迫った。
由紀子の身体は恐怖のあまり動かない。
浴衣姿のまま、由紀子は黒人にその身体を抑えられた。
「いや~!」
由紀子の口から、悲鳴が上がった。
「ウオゥ~!」
廻りの観客から一斉に歓声が上がる。
由紀子は逃げた。狭いステージの上を必死に逃げ回るが、黒人に追いつめら
れる度に歓声が上がった。
「やめて! やめて!」
いくら叫んで見たところで、だれも助けには来ない。
由紀子にはそれが判らない。
ここは、黒瀬組が縄張りとするシマウチだ。観客の面々は、彼等の大事な資
金源でもあるルーレット賭博の重要顧客だ。
月に一度、その顧客向けに開催される大賭場会に於いて、その最大の見世物
となっているのが、この生の強姦ショーであった。時には処女の娘や人妻が
その黒人の犠牲となる。
それは演技ではなく、まさに所信正銘、黒人によって、素人の人妻が観衆の
目前で犯されるのだ。
女は必死に抵抗するも、無残に犯され、そして遂にはそれに歓喜(?)する
姿を観客全員が鑑賞すると言う、卑劣極まりない見世物であった。
それの生贄とされたのが、由紀子であった。
その生贄を調達する役割を努めているのが、スーツ姿の男、蜂矢の仕事であ
る。
蜂矢は黒瀬組の幹部の一人で、若い男の方は蜂矢の使い走り竹田だ。
竹田が由紀子の様な餌となる女性を、独自のアンテナを張ってキャッチする
役目を担い、その交渉役を努めるのが、元銀行出身の蜂矢の仕事である。
強姦ショーについては、余りにその内容が悲惨なものだけに、多くを語るの
に問題があるのだが、今回特別にその全容を紹介しよう。
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