木曜日は柴田との約束の日だ。
この日だけは由紀子にとって苦痛以外の何物でもなかった。
柴田の責めは、由紀子が好む、好まないに関係なく、容赦なく浴びせられ
る。
それを拒む術のない由紀子は、黙ってそれを受けるしかなかった。
出掛ける支度を終え、家を出ようとした時、突然玄関のチャイムが鳴った。
由紀子は、直ぐにドアホンで応じた。
「はい、何でしょう?」
「俺、柴田だよ。」
これから逢う柴田だ。
「ここに来られては困ります、帰って下さい。」
由紀子は強い調子で言った。
「いいのか、ここを開けないと、大声出すぞ!」
そう言うと、柴田は激しくチャイムを鳴らし始めた。
慌ててドアを開けると、待っていたとばかり、柴田がドアの中に身体をねじ
込んで来た。
「誰もいないのだろう・・上がらせてもらうぞ。」
柴田が強引に家の中に上がり込んだ。
「止めて・・・困ります、出て行って・・。」
由紀子は必死に柴田を引き止めようとするが、止められない。
由紀子の戸惑いは、柴田が家にまで来たという事実だが、それは、甘い認識
に過ぎなかった。
柴田の思惑は、そんな由紀子の考えの遥か上を行くものだった。
「寝室は何処だ・・案内しろ!」
驚く様な事を言いだした。
「馬鹿な事言わないでください・・そんなこと出来ません。」
由紀子は柴田の目的が判らない。
「判らん女だな・・、あんたは俺の奴隷なのだよ、黙って言う通りにすれば
いいのだ。」
家の中を勝手に歩き回りながら、物色をはじめていた。
「出て行って・・お願いですから・・本当に帰って下さい・・。」
「子供が帰って来る前に終わらせてやるよ・・さあ来い。」
柴田は由紀子の手を掴むと、寝室の場所に検討をつけると、そちらに向かっ
た。
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