【Side Story-2】
服装なんてあまり気にしてなかったのに母さんが、「女の子になったし、色々気になるでしょ~」とドレッサーを買ってきた。
「という訳でお買い物行きましょ」
「…ハイ?」
母さんはたまに前説を取っ払って行動しだすんだよね。で、連れて来られたのがレディースショップ。ラブリーからハード、フォーマルからカジュアルとジャンル毎にお店があるんじゃないかと思う。
「ホラ、紫織ちゃんコッチ、コッチ」
元から僕にセンスなど求めて無いのだろうけど、パパパと手早く集めてくると着せ替え人形の様に宛てては換えて有り得ない程の服をレジに持っていった。
「次はコッチ~」
もう訳が解らず硬直したまま引きずられて来たのがランジェリーコーナー。
「ちょ…母さん。無理、無理だって…」
当然だけど周り全てが下着・下着・下着!ついこの間まで男子だった僕には刺激が強すぎる。
「何言ってるの、ちゃんと合ったサイズじゃないとラインも崩れちゃうんだからね」
で、フィッター(店員)さんから渡されたのが下着試着用のインナー。これって殆ど紐じゃないか~。
「…アレ?苦しくない…」
今、着けてるのは取り敢えず母さんが用意してくれた物。フィッターさんのアドバイス通りに着けてみると…肩が凝らない!凄く楽!しかもワンサイズアップの盛り上がり。何この魔法…。
「有難うございました~」
「次はシューズ~」
といい出したけどもう流石に荷物が限界なのでまた今度…と相成った。
「ただいま~」
リビングで一息ついてから自分の部屋へ。空っぽだったクローゼットに買ってきた服を手早く掛けていく。
で、カーテンを閉めきって鏡の前で始めたのが一人きりのファッションショー。頼まれても無いのに色々ポーズをとって、服を取っ替え引っ替え、揚句に下着姿まで。
その時、ドアの隙間から母さんがニヤニヤと笑いながら覗いているのに気付かなかったのは失態だった。
だって普通あんな事になるなんて思わないじゃないか。何で僕がこんな目に…。
母さんのバカーーーッ!!!!
「意に添わぬとはいえ、異性に興味津々なお年頃の多感な男子が偶然手に入れた女の子の身体。しかも何をしようと誰にも文句言われない自分自身、よもや何もしてないとは言わせないよ~」
「特にお風呂とか…体を洗う時のシャワーとか…」
「そうですね~鏡なんて…使ったりしてないよね?」
これはクラスの女子達に言われたセリフ。ハイ、一字一句その通りですよ。
だって仕方が無いじゃないか。脱げば見えるし、触れれば感じちゃうんだから。
確かに童顔で、女顔でしたよ?お陰で違和感無くて混乱したよ。
「ちょ…紫織ちゃ…何て格好してるの」
お風呂から上がって出て来たのはバスタオルで頭をワシワシと拭きながら牛乳を捜すパンツ一丁の僕。
あ…いつもの癖でつい…。
「もう、紫織ちゃんは女の子になったんだから替えの下着とパジャマを持って来なきゃ駄目じゃない。本当にもう…」
母さんの言う通りだ。父さんが居たら卒倒ものだよ。ましてアイツが居たら…。
「ぉ…おお…美しいぞ、紫織」
ボタ…
「・・・///」
「ちょ…、何でこんな時間に彩依が居るのーッ!?」
あまりにも自然に食卓に座っていたから気付かなかった。慌てて自分の部屋でパジャマに着替えてきた。
「ウム、実は夜ばいをかけようと忍び込んだがお義母様に見付かってしまってな。だがお陰で良いものが見れた」
こ…コイツ、何考えてんだ。爽やかに犯罪宣言してるよ。
「古来、夜ばいは愛する女性への礼儀だそうだ。ならばオレもと思ったのだが何がいけなかったのだろうか?」
また、クラスの男子情報か。そんなの平安時代の事じゃないか。男子とは一度キッチリ話を着けなきゃいけないな。
「紫織ちゃん、女の子は拳で語らないわよ」
何故母さんには僕の考えている事が解っちゃうんだろう…?
取り敢えず彩依を追い出して、自室に戻る。
「全く…何でそこまでして見たいかな?」
ついこの間までの自分の事も忘れて愚痴ってみる。いざ自分が女の子になってしまうと揺れる度に視線が釘付けになった胸は重いだけで肩は凝るし、下着だって同じ女子からのチェックがあるから変な組合せ出来ない…。男子の時は気にしなくてよかったムダ毛の処理も面倒臭い。中でも…。
「ホント何であんなに興味あったんだろう?」
着替えの時に鏡に映った下着姿の僕。自分では上からしか見えないから鏡に映る自分は新鮮だった。
「他の人にはこう見えるのか…」
色んな角度やポーズをしてみると自分が思ってたより胸が大きく、お尻や脚が太いんじゃないかと気になった。
「・・・・」
カーテンは閉まっているけどキョロキョロと周りを確認してドレッサーから手鏡を取り出し、パンツに手を掛けた。
ドキドキ…
男子達の興味の的、神秘の花園が今ここにある。
おっかなびっくり顔を逸らしつつ細めた視線は手鏡へ。意外にもそこは他よりも少しだけ濃い肌色の縦筋が一本。いや、ここはまだ扉だ。本当の秘密はその先にある。
クニ…
「うわぁ……」
いざ見てしまうと結構生々しい。鮮やかなサーモンピンク色の肉の穴。どっちかというと内臓だよね…。
で、噂の部位の確認。これが大陰唇でこっちが小陰唇かな?で、ここに"男のコ"が入るんだよね?小さいな…本当にあんなの入るの?確かこの上にク○ト○スが…。
で見つけたのが少しだけ突き出た小さな穴の開いたもの。
「これかな…?」
プニ…
「……ッ!?」
腰から背中に抜ける衝撃、でもどっちかと言うとオシッコが…あ、これ…尿道なんだ。男子は一緒になってるけど女子はそれぞれ別になってると聞いた事がある。という事は…?
クニ…
「ーーーッ!?」
な…ナニ今の?さっきのと比べものにならない衝撃!これが…。
「ンン…」
そ~と、包皮を剥いて唾で濡らした指を宛がう。
「ーーーッ!!!」
怖いくらいの甘い痛みが全身を突き抜ける。男の子の時とは比較にならない。それでも指を離せなかった。
(だ…駄目、止まらない…)
ベッドに倒れ込み、いつの間にかブラをずり上げ、オッパイまで触っていた。
(ち…違う、僕が変態なんじゃ無くて…触っていたいるのは…彩依…そう彩依なんだ)
誰に対しての言い訳かは別として背徳感の責任を彩依に押し付けてしまった。
ピチャ…ピチャ…
左手で乳房を揉み、指で硬く尖った先っぽを転がしながら、右手はクリを刺激しつつ、入口の形をなぞる様に指を動かす頃には何ともいやらしい水音が聴こえ始めていた。
(うわぁ…濡れてる…本当に濡れちゃうんだ…)
声を押し殺しながら指の動きが早く激しさを増していく。
(な…何?何かが…)
頭の中が真っ白になり身体が浮きそうな感じに囚われた瞬間…。
チュプ…
「ーーーーーーッ!!!!!!」
指が開き始めた入口に滑り込んでしまった。
「いっ……痛ーーーッ!!」
その瞬間、あまりの痛さに一気に我に返ってしまった。
「ハァ…ハァ…」
む…ムリ…絶対に無理ッ!!指だってこんなに痛いんだもの。あんなの絶対入る訳無い。きっと僕死んじゃうよ…。
乱れたシーツを整えてさっさとパジャマを着てベッドに入った。
(彩依の馬鹿……)
―翌日―
「おはよ…」
力無くグッタリと教室に入る僕にいつも通りにみんなが声を掛けてくる。
「お早う!紫織ちゃん」
「お…お早う…」
ツツツ…
何気に男子を回避しつつ席に向かう。
「…?」
「オッス!紫織、今日も一段と可愛いな。流石オレのヨ……」
「ーーーッ///!!」
バチーン!!
「来んな、馬鹿ーーッ!!」
「ハハ~ン…」
こうして感の良い女子二人にバレてしまった。
……もう、彩依の所為だからね。
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