強盗が人質・・つまり僕と客を一ヶ所にかためた
「下手な真似すんじゃねぇぞ!」
銃をやたらこちらに向けてくる
僕はため息をついて回りの客を見た
怯えている
ごくごく普通の反応
僕は冷静・・僕は化け物だし・・当たり前
「おい!どうするよ!」
「知らねぇよ!」
強盗二人がもめている
早くなんとかしたい
隙を見て制圧しちゃおうかな・・
「えー、こちらは警察です!君たちと交渉がしたい!今から無線をそちらに渡す!撃たないでくれ!」
ドアの所に警官が無線を置いてすぐ引き返した
このやり取りはほんとにマニュアル通りみたいだな
強盗はよくある要求を出した
金と逃走用の車
もう映画みたいだ・・
こんな狭い路地にある店から逃げれる訳ない
すこし違うにおいがした
SWATかな?
む・・いや・・それともう一人
僕の良く知ったにおいの・・・
強盗は交渉に夢中だ
店の出入り口は二つある
どちらから突入するかも分かる
さてさて・・嬉しい人が来てくれた
その時頭に文字が浮かんだ
テレパシー・・使えるのは僕と・・あと一人
【遅いから迎えにきた・・三秒後に耳と目を閉じて】
僕は言われた通り三秒待ってから目と耳を閉じた
バリーン!
裏口のガラス窓が割れた
小さな筒状の物が投げ込まれた
すさまじい爆音と閃光
そのすぐ後・・腕を捕まれた
僕はその時すごくホッとした・・
そのまま引っ張られる
引っ張られたまま
とにかく走った
そして立ち止まった
ふらふらする・・・
「ったく・・今日はついてないね、美月」
僕の名前を呼ぶ声の主は軽くげんこつをしてきた
「車、乗って」
僕は言われた通り車に乗る
すぐに車が走り出す
僕はゆっくり目を開けた
「相変わらずバカだね、美月」
「うっさいよ銀兎・・もう・・ほんとついてないや」僕の隣に座っているのはかわいいフォルムのロボットみたいなスーツを着ているその子はヘルメットを取った
この世の物とは思えないくらいかわいい・・僕の双子の妹・・きれいな銀髪・・「おかえり、美月・・会いたかった」
ぎゅっと抱き合う
「ほんと遅刻魔だよね、美月は・・何してたの?」
僕は美空の顔を見つめながら言った
「今日はついてない事が二つ・・強盗の人質になった・・あとひとつ」
美空は首をかしげた
「なぁに?」
「まずいケーキを食べた事」美空はクスッと笑った
僕は美空にキス・して目を閉じた・・
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