二十話
たぴ……たぴ……たぴ……。
_繁の亀頭がつぐみの陰唇をびらびらと舐めるたびに湿った音をたてる。
_さっきからつぐみは背中をぞくぞくさせて彼の愛撫にたえていたが、クリトリスが甘く疼くのは表情から消せなかった。
「ここがええのか?乳よりも女々が感じるんか?」
「もうこれくらいで……あん……、許してああ……あ……」
「それはいかんな。わしが満足できたら、紳一くんのことを話してやってもええんだが」
「そんな……」
「どうだ、犯してくださいって言えるか?」
_つぐみは俯いて首を横に振る。
「紳一くんと二度と会えなくしてやることもできるんだ。先生あんた、紳一くんを好いとるだろ?」
「それは……だって……」
_言葉をすぼませたつぐみの目を黙って見据える繁。
_彼女の心を折るように乳首をひねって股間をこねくり回す。
_喘ぐつぐみ。
_触る、濡れる、ほじくる、喘ぐ、舐める、のけぞる。
「はあはあ……あう……お……犯して……くださ……いい……」
_つぐみはその言葉を口にしてしまった。
「うん?先生は英語はできても日本語はなってないな。もう一度だ」
「……私を……犯してください」
_言い終えるのと同時に繁の太い柱がつぐみの体を貫いた。
「ううっ……くぁ……」
_肉体を突き破って骨までひびくほどの衝撃がつぐみを犯した。
「若いおなごは締まりがええ……ふんっふんっ……。ほれ、まだ言いたいことが……ぐっぐっ……あああるだろう?」
_腰を突きながら繁が促す。
「あうあん……き……気持ちいい……犯されて……ううっ……気持ちいいです……」
_そこに清楚なつぐみの姿はなく、男とつながって卵(らん)を差し出す女が快感に溺れているだけだった。
_穴から噴き出す汁を浴びながら繁は膣にしごかれ、情けない声をあげて射精を告げた。
_子宮口にまで流れてくる彼の膿(うみ)がどくどくと大量に注がれ、膣が少しふくらんだ気がした。
_二人は肩で息をしたまま性器をはずし、畳をふやかす染みの上に新しい染みがひろがっていくのを見た。
_満足げに顔を赤らめた繁を見て、つぐみは思った。
私を犯したことを後悔させてやる。
あなたは私の中で射精をして思いを果たしたかもしれないけれど、私はまだ満たされていない。
あなたが私にしたことを、今度は自分の身で知ればいいのよ。
_そんな思いを腹に据えて、つぐみはふたたび繁に向かって股をひらいた。
「まだ……、私はもの足りないんです……。私から言うのも恥ずかしいんですけど、もっと犯して欲しいんです。ほんとうは男にいやしい女なんです」
_つぐみの意外な態度に繁は一瞬おどろいたが、それは都合がいいとまた鼻の下をのばして、「いいものがある」と言って部屋を出た。
_そして数分も経たないうちに戻ってくると、バケツと薬のような物を手につぐみのそばに座った。
「ただの火傷薬だが、これがよく効くのだよ」
_プラスチックの小さな容器の蓋をはずすと、繁は中の白い軟膏を指ですくってつぐみの乳首に塗りつけた。
「うん……」
_つぐみは片目をつぶって薬の感触に堪えている。
_乳首はこれ以上ないほどかたく起って、しだいにハッカみたいな冷たい刺激が肌を刺しはじめた。
「具合はどうだね?」
「はん……冷たくて……ふっ……熱くて……はあはあ……溶けてしまう……」
「そんなに良いか?それならこっちにも薬が必要だな」
_繁はまた指に軟膏を盛って、さっきまで犯していたその股ぐらにていねいに塗りのばしていった。
「あ……ひいいいい……」
_女を酔わせる刺激がつぐみの人格に触れている。
_そして壊していく。
「ええだろええだろ?ちょうど女々が火傷したみたいに赤く腫れとるから薬が欲しかったんだろう?」
_繁の言葉もつぐみの耳には遠く、女の壺と乳の先がじくじくと疼いてせつない。
「なかなかの目の肥やしだ。おなごとしての値打ちが良くわかった。なにが欲しいか言うてみなさい、ほれ」
_繁があおってみても彼女の耳にはとどいていない様子で、口もとからよだれを垂らし、髪を振り乱して喘いでいる。
_つぐみが完全に堕ちたのだと見越した繁は、彼女の性器が見えやすいように分娩の姿勢にさせ、そしてバケツの中身をひっくり返した。
_白いかたまりが畳の上にごろごろと転がる。
「ちゃんと殺菌してあるから存分に産卵するとええ」
_バケツから転げた白いかたまりは、鶏の卵だった。
_つぐみは自分を疑った。
_普段口にするものが目の前にあるだけなのに、それを膣に埋めたい気持ちがつよい。
「あん……それ……欲しい……はああん……」
「あんたほどの美人がこんな物に欲情するとはな」
_繁が卵をつぐみのそばまで蹴り転がすと彼女はそれに飛びつき、自らの指で陰唇をいびつにひらいて、受精卵を膣の奥へとさそいこんだ。
_たぷん……という音とともに卵はつぐみの体内に沈没する。
「ああああ……」
_切れ間のない喘ぎ声が細く聞こえている。
_卵を育むつぐみの股間は盛り上がり、しかしそれでも物足りないのか、もうひとつを手に取って……ぐちゅん……と姫穴に押しこんだ。
「あああいいい……」
_歯の裏側まで見えるほど口をひらき、卵で満たした膣の拡張感を悦んでいる。
「これは気が利く、尺八してくれるということかね」
_そう言って繁は、土から掘ったばかりの牛蒡(ごぼう)のような黒い股棒をつぐみの口へ運び、のどちんこを突いた。
「ふぐう……」
_初めて口にする男性器にもかかわらず、つぐみは生臭いそれを口いっぱいに頬張り、ときどき舌を巻いて官能的な表情を見せた。
「おほお……、なんと初々しい尺八だ。わしの肉をくわえてほっぺたが膨らんどるぞ」
_自分はいま女の「性」を操っているのだ、と鼻息を荒くした繁のまえで彼女は卵を抱いた膣に指をたて、手加減もなしにぐずぐずとかき混ぜた。
_そこから垂れてくる液体というのは、まさしくつぐみの卵白なのだ。
「そろそろ産気づいたか?」
_つぐみの産毛が鳥肌のうえで逆立って見えている。
_そして臍(へそ)に力を入れてかるくいきむと、繁に尺八をほどこしたまま、つぐみは産卵した。
「むふ……うっ……けほっけほっ……」
_卵を排泄した快感のはずみで繁のものを口からこぼし、むせた。
_さっきまで子宮を押し上げていた異物がなくなってみると、なんとも膣がくすぐったくて、まるで終わりかけの月経のようだ。
「美人が災いしたな。先生みたいな人が嫁にも行かないうちに、男に股を割られて淫乱を売っているんだ。わしが買ってやる」
_そう言ってまた彼女の唇を犯してみて気づく。
_このままこの娘をさらってしまおうか。
_じきに足はつくだろうが、乳と女々にくるまっていられるのも今のうちだけだからな。
「あんたの望みどおり、好きなだけ精子をくれてやる」
_繁は残りの火傷薬を二本指に盛りつけ、確かな手つきでつぐみの乳頭と、クリトリスの輪郭と、膣の深くのひだまで擦りつけていった。
「ふうっ……ふっふっ……ひあ……ひんん……」
_泣き声にも聞こえるつぐみの声色にもいよいよ火がついた。
_そんな乱れ姿にさえも品が行きわたって、湯上がりのような色気を感じるほどだ。
_つぐみのしたたる太ももを持ち上げて覗いてみれば、股の肉が口をあけてひくひくと動き、はらわたまでも見えそうになっている。
_男の肉をそこへ噛ませていく。
_気の狂った膣と、乱暴ないちもつ。
_それは、油をさした内燃機関が暴走する有り様にも見えた。
_シリンダーの内部でピストンが悲鳴をあげて、ぐちゃぐちゃと上下サイクルを繰り返している。
_きゃしゃな骨組みはきしみ、いやらしい排気音を漏らし、塩分をふくんだ蒸気を吹き出している。
「ええのか?うう……もっと欲しいか?あぐぐ……。あんたにもわしの子を産ませてやるさ」
「あんああ……いいん……いいん……んはあはあはあ……」
_つぐみの意識はどこか遠くをさまよっているのか、繁の腰つきに合わせて上体をこっくんこっくんと揺らすばかり。
_ときどき全身を痙攣させるのは絶頂しているからなのだが、一度ではなく、二度、三度と波をうって潮を散らしていた。
_はじめこそ繁はつぐみを抱いているつもりだったのに、今はつぐみに抱かれている感覚すらある。
_噛み合った二人の性器が粘着して、はずそうとしても膣圧で締めつけられる。
「かっ……なんて体しとるんだ……。わしがおなごに喰われとるみたいだ……。がっ……もうええ……これぐらいで終わりに……うあっ!」
_繁は脂汗をにじませて叫び声をあげた。
_泡ぶいた唾が口もとに溜まっている。
_つぐみを突き刺していたはずの男根は、つぐみの手に握りしめられていた。
_亀頭は赤く腫れて血走り、膀胱が破れそうな痛みが繁の意識をうばっていく。
「ああ……あなたはもう……これで……はあはあ……女の子を抱くこともできないんだから……」
_つぐみは握ったこぶしに更に力を込めて、手の中のそれをねじ曲げてしまった。
「おごっ……ここ……」
_それはもう痛みを越えて、繁はとうとう後ろ向きにひっくり返しになったまま、気絶した。
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