十九話
「英語の先生をしているとは、若いのにたいしたもんだ」
「そんなことありませんから。あの……、深海さんは大丈夫なのでしょうか?」
_まったく事情のわからない森南つぐみは、春子を追って出ていった紳一とのあいだに何があったのかが知りたくて、その事情を話すと言う佐々木繁に連れられ、養鶏場に向かう農道を歩いていた。
_しかしそれは繁の口実だったのだ。
_今日は女房も祭の役員にあたっているから、婦人部の連中と夜まで帰って来ねえはずだ。
_それにしてもなんとも器量の良い娘だ。
_今更おなごに悪さをしたところで、老いぼれた罪人の後生なんて先が知れている。
_それなら最期ぐらいは若い娘の甘い蜜をすすらせてくれ。
_そんな繁の黒い腹の内とは対照的に、色白のつぐみの肌は日に焼けることもなく透いていて、おそらく性器も清潔で良い匂いがするのだろう、と想像させるほどの美しい容姿だ。
_それでいてハイカラな洋服を着るでもなく、おとなしめの白いブラウスと丈の長いスカートも黒といった感じなのだが、なによりも華のある色気が冴えているのだ。
_堪らん──。
_繁は口の中に唾をためて、つぐみを上目で見ている。
_会話も少なくしばらく歩いていくと、土地のわりに小さな鶏舎と、低い屋根の家が見えた。
_放し飼いにされた鶏が地面をつついてミミズを掘ったりしている。
「汚いところだが、遠慮はいらんよ」
_繁は彼女に先に敷居をまたがせ、後ろ手に戸締まりをすませると、しめしめと背中を丸めてつぐみの尻を追っていった。
_そして、一切の警戒心もないまま繁の檻(おり)へと足を踏み入れた時、つぐみは腰をさらわれるままに倒れこみ、気づいた時には畳を舐めさせられていた。
_つぐみは錯乱した。
_自分でもなにを叫んだのか、あるいは悲鳴をあげたつもりが声にならずに喉をひきつらせたのか、とにかく畳に爪をたてて腹這いを試みた。
「観念せい、わしに股を割らせたら、あんただって溺れしまうんだからな」
_繁はそう言って、地べたを這うつぐみの体を軽々とひねり、仰向けの全身を泳ぐように服の上から揉み触った。
_ブラウスのボタンがぷつぷつとはじけ飛び、ぱんと膨れた白いブラジャーがあらわになると、つぐみはさらに激しく抵抗する。
_が、それもかなわない。
「い……いあ……、はえへ……」
い……いや……、やめて……。
触らないで……。
_そうして恥ずかしさに暮れるつぐみに、繁は食いついた。
_興奮して鼻水を出したまま彼女のブラジャーをむしって、桜色の乳首に息を吹きかけながら、乳房をなぶったり手からこぼしたりした。
_つぐみの体は敏感だった。
_繁の淫触にびくんと体を跳ね上げると、繁の股間もびくんとうごめく。
「こんなにええ乳しとるなら、女々もさぞかしええ具合になっとるだろう」
_繁はつぐみのスカートを乱暴に捲って、太もものあいだに自分の腰を割り込ませた。
_そこから、女のいやらしい体臭がまとわりついた下着があらわれ、この男は指先に唾をつけると、障子に指で穴をあける要領で、つぐみの下着のど真ん中をえぐるように押した。
「うっ……ううっ……」
_どうにもできない吐息と、火がついた恥丘。
_つんつん……、すぼすぼ……、と繁の指がつぐみを犯す。
_よじれた下着を陰唇が噛んでシワをつくる。
「ほおお……、女の早漏は初めてだ」
_繁が言うとおり、純白の生地のいちばん細ったところに染みができている。
「あんた、こんな出来損ないの男に犯されているのに、よくも濡らしていられるもんだ」
_わいせつな言葉を浴びせながら下着越しの割れ目をしごくと、愛液の染みは縦長にひろがり、ぬかるんだ。
「いう……いっ……ひん……」
「よく仕込んである。もしかすると、自慰が好きなくちだな?」
_つぐみはそれには答えず、それでも膣はじゅくじゅくと疼きだした。
_繁はズボンのベルトをたわませ、せわしい手つきで下半身を露出させた。
「きゃ」
_つぐみが目を伏せる。
_彼のいちもつは年寄りの体に似合わず、そこだけ錆が落ちたように赤黒く磨かれ、たくましく首を振っている。
「わしが子づくりの世話をしてやる。そんであんたは犯された体のまま教壇に立って、女生徒らに避妊のやり方でも学ばせたらいい」
_いひひ、と黄色い歯を見せて繁がにやけているのを見て、つぐみは自分の体が豊かに成熟してしまったことを今さら恨めしく思った。
_こんな男の為にぜったい泣いてやるもんですか。
_深海さんのことだけ考えていれば私はきっと大丈夫。
_それに、女は快感がなくても生理的にいろんなものが下りてくるというのに、この男は婦人というものを勘違いしているわ。
_そんな強がりを一度は考えてみたが、繁に下着を奪われ、性器が空気に触れると、隠したいのに隠せないもどかしさで「ああん……」と鼻を鳴らした。
_繁はつぐみの腰を持ち上げ、自慢の肉竿を前に後ろに揺らして空振りしてみせる。
_そして亀の首をつぐみの膣口にあてがい、うぶな女を気取る装飾を剥がしにかかった。
_父と娘は裸の下半身を向かい合わせ、今にもつながろうとしていた。
_いや、父が娘を犯そうと全身をきばらせているのだった。
_春子はまだ手拭いで口を塞がれ両手は背中で縛られたまま、浴衣と下着を剥かれた裸体を力なくさらしている。
_その姿に紫乃の錯覚を見ている和彦は、春子の割れた赤身を指でなぞっていく。
「んっ……ん……」
_その触り方は春子の性感のつぼを知りつくしているのか、クリトリスと尻の穴を行ったり来たりしながら陰唇を掻き分け、さらには透明な汁をこぼした膣口を粘らせ、春子を溺れさせていった。
「ここからもう一度春子を産んでくれ、紫乃」
_そう言って和彦の指が春子の膣に挿さると、春子は背中を大きくのけぞらせて膣に力を込めた。
_その指から逃れようとしてもすぐに追ってくる。
_そしてもっと深くまでさぐられ、開かれ、熱くて熱くてたまらない。
_お父さんの目の前で私は恥ずかしいものを出してしまった。
_不潔に女々を濡らした娘にどんな仕置きをするつもりなの?
_春子の気持ちが体に追いつこうとして、だんだんと乱れていくのだった。
_その変化を見透かした和彦は春子の膣から指を抜き、そこに絡まった愛液が爪のあいだにまで入り込んでいるのを見て、春子の股間に迫った。
「うんんん……」
_父と娘がつながった瞬間だった。
_いたずらをした時の罰でもなければ、優秀な成績を褒められた時のご褒美でもなく、ただ性欲を処理するための行為だった。
_娘の膣で父の男具がうごめいて、血縁を越えた快感にしばらくもてあそばれていた。
_こんな愛され方ってあるのかしら。
_私のことをお母さんだと思って抱いているのか、それとも娘だとわかって犯しているのか。
_どちらにしても私は父親に抱かれて、喘いで、脚をひらいている。
_和彦は春子の上で何度も唸って、しゃかしゃかと腰を振った。
_その動きに合わせて春子の頭も上下に揺れる。
「ごめん紫乃、ほどくのを忘れていたよ」
_和彦は春子に挿入したまま、春子の口と手から手拭いをほどいてあげたのだが、その唇から出る言葉は喘ぎばかりで、自由になった手も和彦を殴るでもなく父の太い腕にしがみついていた。
「あっ……くふ……あんぐ……ああん……」
_子宮がぞくぞくしてもがいていると、春子の足がなにかを蹴った。
_それはガサゴソと転げて、その音に気づいた和彦がそちらを向いて「紫乃のために買っておいたんだ」と手に取った。
_それは茶色い手提げ袋で、その中から出てきたものは女性用の化粧道具だった。
_お父さんは私のことをどうしてもお母さんにしたいのね。
_今でもお母さんを愛しているから私をこんなふうに扱って、愛する人を失った現実から逃げているんだわ、きっと。
_だけど私は私なんだもの、お父さんの子どもは産めない。
_かわいそうなお父さん。
_禁じられた親子の営みだとわかっていても、初潮を過ぎれば女はみな性欲や性癖を隠したがるものなのだから、春子の場合もそうなのだ。
_だからもう正しい判断ができないでいる。
_娘の膣を犯したまま父は化粧道具のひとつを手に取り、娘の顔にそろそろと近づけていった。
_春子が目を閉じると、眉毛にそって眉墨が塗られる気配がした。
「あ……」
_筆先でくすぐられたおでこもすでに性感帯になっている。
_そしてほっぺに頬紅を吹かれると、膣がぐいぐいと父を締めつける。
_最後に口紅を描き足せば、その美しい仕上がりに和彦は我ながらうっとりして、「紫乃……、きれいだよ……」とささやきながら股間を打ちつづけた。
_春子の意識もよそへ連れて行かれそうになった頃、膣は愛液を捨てるように溢れさせ、その中で和彦のいちもつが泳いでいた。
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